名古屋証券取引所とテレビ愛知が運営するYouTubeチャンネルで配信中の経済教養番組『あしたのマネー』。 テレビ愛知アナウンサーの岡田愛マリーと、SKE48チームKIIリーダーの松本慈子さんが、多彩なゲストを迎えて資産形成や投資のノウハウを学びます。 第7回となる今回は、タレント・実業家であり、投資家としても知られる元衆議院議員の杉村太蔵氏が登場。「億り人」とも呼ばれる杉村氏が、自身の資産を築いた「勝利の方程式」と、今日本人が絶対に知っておくべき「金利」の知識について熱弁を振るいました。
素人とプロの決定的な違いは「いつ売るか」

番組冒頭、杉村氏は「今日はプロ中のプロの考え方を教えます。ただし、皆さんの参考になるかはわかりません(笑)」と前置きし、独自の投資哲学を展開しました。
まず、投資における素人とプロの決定的な違いについて、「多くの人は『いくらになったら買うか』『いくらになったら売るか』という価格(値動き)で考えてしまう。それが素人です」と指摘。 対してプロである杉村氏は、「価格ではなく『時期』で考える」と断言します。
「日々の値動きなんてどうでもいいんです。とにかく長期保有が大事。私自身、今買っている株をいつ売るかといえば、自分が働けなくなった時。75歳や80歳になった時に少しずつ現金化して、老後の資金にしていこうと考えています。つまり、今から30年後を見据えているんです」(杉村氏)
目先の利益に一喜一憂せず、人生の後半戦に向けた備えとして投資を捉えるこの「超・長期保有」のスタンスに、スタジオの岡田アナと松本さんも感嘆の声を上げました。
新NISAは「桁違いのホームラン政策」…でも岸田さんはやってない?

話題は、2024年から始まった「新NISA(少額投資非課税制度)」へ。 杉村氏は新NISAについて、「配当金にも譲渡益にも税金がかからない。金融庁が過去に作った政策の中で、桁違いのホームラン政策です」と手放しで絶賛しました。
しかし、ここで杉村氏ならではの「オチ」も。 「こんないい制度を作った当時の岸田総理ですが、なんとご本人は新NISAをやっていないらしいんですよ! 岸田さんっぽくないですか?(笑)」と暴露し、スタジオの笑いを誘いました。 杉村氏自身も新NISAは利用していないそうですが、「これから資産形成をする皆さんには最強の制度なので、ぜひ活用してください」と呼びかけました。
また、現在議論されている「こどもNISA(仮称)」についても言及。 「0歳から始められ、年間60万円の枠を設ける案などが出ていますが、贈与税(年間110万円まで非課税)との兼ね合いをどう整理するのかが課題。単なる『定期贈与』とみなされないような制度設計になるのか、今後の議論に注目してほしい」と解説しました。
資産形成の原点「2012年の全財産ベット」と「不動産わらしべ長者」

杉村氏は、自身がどのようにして資産を築いたのか、その具体的なエピソードも披露しました。 元証券マンとして金融の知識はあったものの、本格的に投資を始めたのは議員を落選し「無職」になった後。カナダのバンクーバーに移住し、日本市場が開く夕方から夜にかけてデイトレードを行う生活を送っていました。
「デイトレードでもそこそこの利益は出ましたが、画面に張り付く生活は精神的に続けられないと悟りました。」
そして帰国後、最大の転機が訪れます。
それは2012年11月、当時の野田佳彦総理と安倍晋三総裁による党首討論でのこと。野田総理が突然の「解散」を明言した瞬間、杉村氏は「これは100%株が上がる」と確信しました。 「家中の小銭をかき集めて、全財産を株に投資しました。その後アベノミクスで株価は上昇。2015〜16年頃に売却し、そこでまとまった利益が出ました」
しかし、杉村氏の凄いところはその先です。株で得た利益をそのまま株に再投資するのではなく、「自宅マンションの購入」に充てたのです。 「株を持ち続けても上がったかもしれませんが、不動産も上がると踏みました。マンションを買って住めば、毎月の『家賃』がかからなくなる上に、不動産価格の上昇も狙える。さらに不動産はローンを組むことでレバレッジ(てこの原理)も効かせられます」
株の利益で不動産を買い、家賃を浮かせながら資産価値の上昇を待つ。そしてその不動産を売却して得た大きな資金を、現在は地元の北海道・旭川や山口県・下関での新規創業支援事業の元手にしているといいます。 この一連の「わらしべ長者」的な資産形成術は、まさに実業家・杉村太蔵の真骨頂と言えるでしょう。
これを知らなきゃ資産形成はやるな!「実質金利」の授業

番組後半、杉村氏が「これだけは覚えて帰ってほしい」とフリップを取り出して熱弁を振るったのが、「金利」についての授業です。 特に重要なのが「名目金利」と「実質金利」の違い。これを自分の言葉で説明できないなら資産形成はやってはいけない、と厳しい口調で語りかけました。
名目金利: 銀行の店頭などに表示されている名目上の金利(例:0.001%など)。
実質金利: 名目金利から物価上昇率(インフレ率)を引いたもの。
「例えば、銀行の金利が5%だとして、100万円預ければ1年後に105万円になります。でも、その間に世の中の物価が2%上がっていたらどうでしょう? リンゴ1個100円が102円になっている世界です。 この場合、5%(金利)から2%(物価上昇)を引いた『3%』しか、実質的なお金の価値は増えていない。これが実質金利です」(杉村氏)
そして、現在の日本経済に当てはめると恐ろしい事実が見えてくるといいます。 「今、銀行の金利はほぼゼロですが、物価はすごく上がっていますよね。つまり『実質金利はマイナス』なんです。銀行にお金を預けているだけでは、額面は減らなくても、お金の価値(買えるものの量)はどんどん目減りしているということです」
かつて杉村氏の父親の時代は、預金金利が6%もあり、実質金利が大幅なプラスだったため、リスクを取って投資をする必要はありませんでした。しかし今は時代が違います。
「自分のお金の価値を守るためにも、今はリスクを取ってでも投資をしなければならない時代なんです」という言葉に、スタジオの二人も深く頷いていました。


