プロ野球が開幕して20試合ほどが経過しました。上位進出の予想も高かった中日ドラゴンズは借金12を抱え最下位に沈んでいます。上位浮上への課題について元ドラゴンズで解説者の田尾安志さんに話を聞きました。
※4月22日現在
歴史的な出遅れとなった中日ドラゴンズの現状

ーー中日ドラゴンズが非常に苦しい状況に置かれています。
田尾安志さん:
「まさかの低迷ですが、力のあるチームなんでね。まだ20ゲームぐらいですか?」
ーー今、20。あと120数試合残っています。
田尾さん:
「ここからですよ」
ーーまだまだゲームは始まったばかり。
田尾さん:
「これからです」
4月の順位は「嘘」?田尾さんが語る逆襲の根拠

ーー改めて順位を見ていきますが、始まったばかりというプラスのモチベーションで見るとちょっと苦しくなってしまうんですが、4勝16敗という、かなり歴史的なペースで負けが込んでいます。
田尾さん:
「一番前評判が悪かったヤクルトが今、首位を走っています。それぐらい勝負の世界、わからないんです。4月の順位は嘘の順位だと思っています。5月以降からどんどん力のあるチームが勝っていくという気持ちで見ていますので」
最下位に沈むリリーフ防御率 5.91という現実

ーー力のあるチーム、そこに中日がいてほしいです。これからですね。それでは、なぜこの4月にこれだけ躓いてしまったのか、田尾さんに分析をしていただきます。大きなポイントがまずは、「リリーフ陣の乱調」。これについては、数字を見るとよりはっきりとしたものがわかります。リリーフ防御率は、中日は5.91で、これはセ・リーグで最も悪い数字になっています。
田尾さん:
「前半リードしているゲームが多いのに、終わってみたら負けてしまう試合が多い。これは痛手が大きいですね」
ーー数字だけ見ると後ろの3イニングで複数失点やむなしという数字なんですよ。
田尾さん:
「勝ちパターンのところはきっちり勝っていくというね。投手陣をこれから変えていかないといけないというね」
「バッターを怖がっている」弱気の投球を打破するには?

ーーじゃあ、なぜそれだけリリーフが乱れてしまっているのかを紐解いていきます。1つ目のポイントは、与四球の多さです。
田尾さん:
「フォアボールが非常に多い。チームが勝てなくなると、打たれちゃいけない。それで際どいとこ投げようという気持ちで結局ボールが多くなって、最後甘い球で打たれます。こういったパターンになるので、僕は初球についてはとにかくストライク取りなさい、それでファーストストライク打たれても何にも文句言いませんよと井上監督が伝えるべきです。アウトコースをコンとライト前打つバッター、大したことないよと、そういう気持ちでいてほしいですね。大きいのをガーンと狙うやつらがいいバッターですから。そう考えたら、ストライクを外へ投げてほしい。それをまずやっていくと流れが変わっていくと思います。今の投手陣、みんなバッターを怖がっているように感じています。だから、打席とマウンドとの距離に今ちょっと怖がっているな、向かってこられているなっていうのをすごく感じるので。だから、バッターとの駆け引きにおいて、相手を打ちのめすほどの強い気持ちで勝負いってほしいですね」
ーーちなみにフォアボールがどれくらい多いのかという数字もあるんですが、先発が与えたフォアボールが38個で、リリーフが与えたフォアボールが33個なんですが、投げているイニング数は全然違いますからね。リリーフのほうが圧倒的にフォアボールを与える確率は高いというデータになっている。
田尾さん:
「後半っていうのはもう本当に1点が前半の1点より重いんですよね。比重が重くなっていく後半に点を取られるっていうのは避けたいわけですよ」
ーー与四死球の数というところで表示をしていますが、相手を簡単に塁に出してしまうような、投球が失点に響いてしまっている。
田尾さん:
「勝負にいったらね、3割打たれてないわけですからね。7割以上失敗してくれるんですから。そうやって考えると、積極的に勝負していくべきです」
不在の守護神に代わる「新・勝ちパターン」の提案

ーーそしてもうひとつのポイントが、「決まらない勝ちパターン」。2025年の勝ちパターンは軒並み怪我で不在というスタートではあったんですが。
田尾さん:
「清水達也、松山晋也が抜けたのはちょっときつかったけれども、もうそんなこと言っていられないです。現役のメンバーで戦うしかありません」
ーーちなみに、現状のリードあるいは同点の場面で、7、8、9回、これまで多くの投手がリリーフ登板していますが、固定には至っていません。
田尾さん:
「7回ずらっと並んでいて、8回、9回も、定まりきってないという状況」
ーーここを早くやっぱり確立したいですね。勝ちゲームに関して特にね。その日の調子で決めるよりも、役割を固定すべきでしょうか?
田尾さん:
「もう決めていかないといけません。リリーフ陣がもうへばりますよ。この場面は俺だなっていうのを感じてくれていくと。そういうふうになっていかないと」
ーーある程度ゲームが始まる前から?
田尾さん:
「始まる前じゃなくて、やっぱり5回ぐらいのところから大体感じていくわけですよね」
ドラ1中西投手の配置転換も?田尾さんが提言する必勝リレー

ーー一体どんなピッチャーに、7、8、9回任せるべきか、田尾さんに教えていただきましょう。それは、7回にマラー投手か中西投手、8回はメヒア投手、9回は守護神・松山投手。
田尾さん:
「9回の松山投手は確定ですけれども。マラー投手か中西投手、先発要員の人たちを中継ぎで使うのも僕はありだと思います。それぐらい重い比重なんですよ、後半の一イニングは。ここで、マラーの速い球だったら1イニングだったら抑えられるだろうなと。中西投手の変化球もいろいろあります。これも十分、抑えきれるんじゃないでしょうか。やったことないということで、ドラフト1位だからじゃあ中継ぎ不向きかといえば、決してそんなことはありません。ピッチャーでも今はもう中継ぎもすごく大事なポジションですから。だから、こういうものを経験するっていうことは、中西投手の将来にとってもプラスになります」
ーーある程度そういった選択肢も、より幅を持って、まずは3人きっちり固めることが大切ということですね。
田尾さん:
「そうなればまた変わっていくと思いますね」


