冬のボーナスの使い道は1位「貯金・預金」 6位に「投資信託」がランクイン 年々右肩上がりに

近年、冬のボーナスの使い方に変化が。1位の「貯金・預金」をはじめ、トップ3に変化はないものの、6位に「投資信託」がランクイン。直近5年では、ボーナスを投資信託に使う人が年々右肩上がりなんです。
将来に備えて、冬のボーナスを投資信託に回すことは本当に有効なのか、より良いボーナスの使い方は何なのか、専門家に聞きました。
冬のボーナス、何に使う?

・1位:貯金・預金
・2位:旅行(宿泊を伴うもの)
・3位:食品(普段食べるもの)
貯金・預金は12年連続1位だそうです。「ボーナスは将来のために置いておく」というのが定着しているのかもしれません。ただ、1位は変わらなかったもののこの「将来に備えて」の使い道が少し変化してきているんです。
それが「投資信託」です。
「投資信託」が6位に
ランキングの上位3つには入らなかったものの順位としては6位。直近5年を見てみると、ボーナスを投資信託に使うと答えた人の数は年々右肩上がりなんです。最近はNISAもiDeCoもあるし、投資信託が身近になってきた気もします。

より良いボーナスの使い方は何なのか、専門家に話を聞きました。今回お話を聞いたのは、日経マネーの編集委員で金融セミナーの講師も務める大口克人さんです。大口さんによりますと、ボーナスを使うにあたり「将来に備える」という視点で考えると大きく2つポイントになるといいます。
住宅ローンの繰り上げ返済など、負債を減らす

1つ目が、負債を減らすこと。例えば住宅ローンの繰り上げ返済です。長らく日本はゼロ金利・マイナス金利政策が取られていましたが、現在は金利のある世界に戻りました。日銀も追加利上げの時期をはかっていて、これからも金利が上がっていく可能性は大いにあります。そのため、住宅ローン控除の条件等それぞれの状況によって異なりますが、ボーナスで繰り上げ返済をして、元本や利息を減らしていくことも資産運用の1つです。「選択肢に入れることも良いのでは」と話していました。
将来の備えとして、長期で貯める・増やす

2つ目が「お金を貯める・増やす」についてです。大口さんによりますと、ボーナスを「貯める・増やす」という視点でみたとき、「預金も投資信託もどちらも将来の備えであることに変わりはないが、貯める期間が長期であればあるほど、投資信託のほうが効率よく運用できる」と話します。

お金を預けて利息や利回りを得るという点ではどちらも同じです。
大きな違いとしては「金利差」です。銀行に預ける場合、普通預金や積み立て定期など商品によって金利は変わりますが、大体0.2%~良くて0.5%で利息が付きます。一方、投資信託の場合は選ぶ商品によって運用益は変わりますが、株式においてリスクの少ない守りの運用といわれる利回りは平均3%です。
例えば30万円を20年間、それぞれに預けた場合はざっくりの概算であくまでも近似値ではありますが、銀行(金利0.35%)は32万1713円。このうち利息は20.315%の課税対象なので、実際はこの金額よりも少し減ります。
投資信託(利回り3%)だと、54万1833円、NISA口座で投資信託を買うと1800万円の保有分まで運用益(銀行でいう利息)は非課税なので、運用益の約24万円は丸々手元に残ります。預金と投資信託、金利の違いは数パーセントですが、積み立てる期間が長期間になればなるほど、元本が大きくなるほど差が出ます。
元本割れリスクを軽減する3つのポイント

一見良さそうに見える投資信託ですが、元本割れのリスクがあります。大口さんによりますと「長期で積み立て」「時間・銘柄を分散」「値動きが激しいものは避ける」。この3つを意識すれば、投資信託の元本割れリスクは軽減できるといいます。
今回はボーナスを投資信託に回す場合のため、その際に意識するのはこの中でも「分散」です。異なる値動きをする銘柄に分けることが、リスクを低減させることにつながるということです。
すぐに引き出せる現預金の備えが大切

さらに大口さんは、このようにも話します。
「投資信託のほうが、物価の上昇分を賄う運用実績を出せる可能性はありますが、すぐに引き出せる現預金も同時に備えておくことが大切なので、家計のバランスを見ながらボーナスをどう使うか考えていただきたいです」
大前提、投資を推奨するということではありません。数ある資産運用の方法の中から、どれが自分にあっているのか、視聴者の皆さんの選択肢の1つになればと思います。





