名古屋の川に沈む250本以上のタイヤ 意図的な不法投棄か 処分費用250万円は税金で

名古屋市を流れる荒子川。濁った水の中から見つかったのは大量の「タイヤ」です。いったなぜ?
名古屋市中川区にある、市の廃棄物置き場に積み上げられた大量の古びたタイヤ。
これらのタイヤが見つかったのは――。
「名古屋市中川区の荒子川です。川に沈んでいるたくさんのタイヤなどを引き揚げています」(橋本晴香 記者)
自転車用の細いものや、乗用車用とみられるものなど、さまざまなサイズのタイヤが次々と見つかります。
「今年1月に川のパトロールを行っている中で、荒子川の中に目立つ投棄ゴミがあることが判明して回収の作業に着手しました。想定していたよりもかなりの量があって、非常に驚いている」(名古屋市 中川土木事務所 下川貴幸 所長補佐)
6日間の作業で川底から回収されたのは、車のタイヤ約250本。
何者かが意図的に不法投棄か

「カメラを川の中に入れてみたいと思います」(皆谷こころ 記者)
川の中は透明度が低く、かなり濁っています。
魚の姿は確認できますが、流れはほぼなく、よどんでいるように見えます。
藻に覆われた石などの中に、はっきりと見えないものの、タイヤのような“影”も確認できました。
一体なぜ、川の中から大量のタイヤが見つかったのでしょうか?
「過去に捨てられたものが多いと思われます。投棄された時期や、誰がどのような目的で投棄したかはわかっていないです」(下川所長補佐)
引き揚げられたタイヤをよく見てみると、ゴムの部分が切られ、ホイールが抜かれたような跡が。
名古屋市は、これらのタイヤが何者かによって意図的に不法投棄されたとみています。
回収や処分は税金で…

近くに住む人たちに話を聞いてみると――。
Q.市がタイヤ250本ほどを回収したとのことですが?
「ごみを捨てるのが大変だから、夜に捨てられている可能性はあると思う。いい気持ちはしない。川が濁っていたら、自然破壊されてるなと思う」(近くに住む人)
「この前タイヤを引き揚げているのを見たときに、そんなに落ちてるんだと思って。何ですかね、誰かがタイヤを夜な夜な捨ててるのか。直接的な被害は店にはない。ただ人間としてどうかなと」(近くで働く人)
名古屋市は、この場所が以前は住宅が少なく人目につきにくかったことや、車が川岸に乗りつけやすいことから、不法投棄がしやすかったのではと推測します。
「直接的な汚染物質の影響はないが、上から見た時に目立つようなゴミがあると、新たな投棄をされるなどの懸念もあるので、可能な限り良好な状態にしていきたい」(下川所長補佐)
これまでに回収された約250本分のタイヤの処分費用は約250万円。作業は今後も行われる見込みで、追加で費用がかかっていくといいます。
「税金を使って回収や処分を行っていくことになるので、まずは不法投棄されないような対策をしっかり関係機関と連携してやっていきたい」(下川所長補佐)