パリオリンピックでの金メダル獲得から2年。来る2028年、ロサンゼルスでの連覇に向け、新たな挑戦をする金メダリストを追いました。
4月1日。新社会人として新たな一歩を踏み出した三重県四日市市出身・藤波朱理選手(22)。
「レスリング一本になるので、あらゆる面から自分のレスリングをもっともっと極めていって、見てくださる皆さんに勇気・活力・夢を与えられる選手になりたい」(藤波選手)
2年前のパリオリンピック・レスリング女子53キロ級の金メダリスト。
「最高です!オリンピック最高!レスリング最高!」
中学2年から公式戦負けなしの137連勝で世界の頂点に立ち、一躍脚光を浴びました。
パリ五輪後は、地元で大会を主催

パリから帰国直後、メ~テレ「ドデスカ+」に生出演してくれた藤波選手。
金メダルを祝い、特製のケーキをプレゼントすると――。
「最高です!」
可愛らしい笑顔が弾けていました。
パリオリンピック後は、中学生以下が対象の大会「藤波朱理杯」を地元・四日市市で主催。
「レスリングを盛り上げたい」「レスリングキッズの輝ける舞台を増やしたい」という思いから始めました。
57キロ級へ転向

レスリング競技の未来のため、精力的に活動する藤波選手。
2028年のロサンゼルスオリンピックを見据え、ある大きな決断をしていました。
「階級を57キロ級に上げる決断をした。次は57キロ級で五輪チャンピオンというタイトルを獲りたい。さらに厳しい戦いにはなると思うけれど、チャレンジしたい」(藤波選手)
1つ上の57キロ級への転向を決意。
身長164cmの藤波選手は、これまでの53キロ級では長身。
試合前の減量に苦労することも少なくありませんでした。
「53キロ級と57キロ級の4キロの差は、すごく自分は重く感じている。この4キロをどう増やすかで、レスリングのパフォーマンスが変わってくると思う」(藤波選手)
57キロ級の体づくりへ

再びオリンピックの舞台で最高の景色を見るために、新たな挑戦がスタート。
本格的なウエートトレーニングにも取り組み、今まで以上にフィジカルが重要な57キロ級で戦える体づくりに励んできました。
「日々、53キロ級の頃の自分との戦い。『53キロ級の自分より成長できているか』と、毎日自問自答しながらやっている」(藤波選手)
不安を口にしながら――。
階級変更後も、国内外の大会で白星を重ねていきます。
全日本選手権は厳しい戦いに

連勝記録を147まで伸ばし、迎えた去年12月。
全日本選手権でのことでした。
「57キロ級に上げて、初めての全日本選手権。チャレンジャーの気持ちを持ちながら、一戦一戦挑もう」(藤波選手)
今年9月、愛知で開催されるアジア大会の代表選考も兼ねる戦いで、順当に勝ち上がっていきます。
迎えた決勝。
相手は、57キロ級以上を主戦場としてきた徳原姫花選手です。
第1ピリオドは相手のパワーに阻まれ、なかなか得点を奪うことができません。
すると前半終了間際。
片足タックルに入ったところを返され、2点を失ってしまいます。
さらに抑え込まれ、両肩が1秒以上マットにつくと、フォール負け。
体をひねりながら粘り、絶体絶命のピンチをしのぎます。
第2ピリオドは同点に追いつき、残り1分。
逆転に成功し、そのまま逃げ切った藤波選手。
57キロ級で全日本選手権初優勝を飾り、節目の150連勝に到達しました。
勝ち切って気持ちに変化が

試合後。
「めっちゃ負けることが怖いし、勝って当たり前と思われる中で、負けたらすべてが崩れるし、怖さはあるけど、まだまだ目指すところは先なので。これをきっかけに、もっともっと強くなって、夢をかなえられるように頑張っていきます」(藤波選手)
計り知れないプレッシャーと戦ってきた金メダリスト。
負けがよぎった試合を勝ち切れたことで、気持ちに変化があったといいます。
「負けられない戦いなので、そういう部分で自分の弱さから目を背けていたというか。大丈夫大丈夫といってやってきたけど、そうじゃなくて、周りには信頼できる人がいるので、そういう人には弱さを見せながら、自分自身も弱さを受け入れて、これからもっともっと強くなっていきたい」(藤波選手)
春に日本体育大学を卒業

3月に、4年間通った日本体育大学を卒業。
「これから起こる事すべてが、目標を達成するために起こる事だと信じ、力を尽くしてまいります」(藤波選手)
ハレの日に選んだ袴のポイントは?
「日体大カラーにしました。この色はすぐ決めました。思い返すと、すごく出会いに恵まれて、自分が思っていた以上に充実して楽しめた4年間だった」(藤波選手)
次の目標は地元開催のアジア大会

そして4月、新社会人となった藤波選手。
いま見据えるのは、地元・四日市にほど近い愛知で9月に開かれるアジア大会です。
「地元で競技大会が行われるというのは、自分が現役中は最初で最後だと思う。五輪と同じモチベーションで今は挑めているし、アジア大会で地元の皆さんに生で見てもらって、優勝するというのは、すごく大きくモチベーションでやってきた。そこをしっかり叶える1年にしたい」(藤波選手)
(2026年4月9日15:40~放送 メ~テレ『ドデスカ+』じもスポ!コーナーより)


