今年3月に、新名神高速で大型トラックが乗用車に追突するなどして、車3台が炎上した事故。
恒例の家族旅行に向かう途中のことでした。
家族全員が、事故で突然帰らぬ人に 「まだいないことを受け入れられていない」

お父さん、お母さんと一緒に笑顔を見せる子どもたち。この家族全員が、事故で突然帰らぬ人となりました。
幸司さんの姉:
「まだいないことを受け入れられていない」
恵梨子さんの兄:
「どこか帰ってきてほしい、いるんじゃないかという気持ちが入り乱れて」
亡くなったのは、静岡県袋井市の松本幸司さん、妻の恵梨子さん、長女の莉桜さん、長男の壮眞さん、二女の彩那さん。

無言の帰宅となった家族5人。
自宅には、子どもたちが好きなキャラクターのぬいぐるみやおもちゃが飾られていました。
何気ない日常を過ごしていた家族の命が奪われたあの日から、4か月。
命を奪ったのは“13秒の脇見”

今年3月20日、三連休の初日。
亀山市の新名神高速で大型トラックが渋滞で止まっていた乗用車に追突するなどして、車3台が炎上。松本さん家族5人を含む合わせて6人が死亡しました。この事故で、大型トラックを運転していた水谷水都代被告が過失運転致死の罪に問われています。
原因とされるのは“ながらスマホ”。
検察によると、水谷被告は運転中にSNSの動画を見始め、13秒間にわたり脇見をしたということです。また、日常的に運転中スマホを見ていたと指摘されています。

手を合わせるのは、亡くなった幸司さんの姉と恵梨子さんの兄。今回初めて、私たちの取材に応じました。
幸司さんの姉は、幸司さんが頼りがいのある弟だったと話します。
幸司さんの姉:
「まだ独身の時かな、うちの母の誕生日の時に京都の旅行に行ってくれた。イベントごとも考えたりする、気の回る優しい弟でした」
子どもたちとよく一緒に過ごしていたという恵梨子さんの兄は、仲睦まじい一家の姿が印象に残っています。
恵梨子さんの兄:
「(子どもを)預かった時は(両親が)帰ってくると3人とも玄関まで走って『お父さんお母さん』と迎える。子どもも(両親が)大好き、両親も子どもたちが一番という家庭」

家族行事を大切にしていたという、松本さん一家。
恵梨子さんの兄:
「よく旅行とかイベントごとお祭りとか誕生日会とかに家族のLINEグループに動画が投稿されてきたり、イベントを大切にする家族だったのでは」
事故当日、家族旅行で大阪のユニバーサル・スタジオ・ジャパンに向かう途中だった松本さん一家。これも毎年の恒例行事だったといいます。
戻ってきたのは…焼け焦げた衣服や小銭入れ

しかし、戻ってきたのは原型をとどめていない子どもたちの小銭入れ。黒く焼け焦げてしまったスマートフォン。かろうじて色が分かるのは、当時、壮眞さんが着ていた服。
焼けた車の中に残されていました。
恵梨子さんの兄:
「本来あるべき最期じゃない、元気で仲のいい家族が最期はあれでは正直受け入れられない」
5人の命が奪われたという、受け入れられない現実。遺族が訴えるのは“ながらスマホ”による事故の厳罰化です。
幸司さんの姉:
「単なる事故だとは思っていない、私たちは殺されたと思っている。死んだ人数でなく、及ぼす影響をもう一度皆さんにお伝えできたら」
恵梨子さんの兄:
「こんな理不尽な形で命が奪われる代償があまりにも小さい。『ながらスマホ』『過失』そんな言葉で終わらせてほしくない」





