岐阜県郡上市といえば「郡上おどり」が有名ですが、世界最速といわれる、郡上市のもう1つの盆踊り「白鳥おどり」を取材しました。
下駄が脱げるほどのスピード感 白山信仰から生まれた「白鳥おどり」

日本三名山の一つ、白山。古くから信仰の山として知られています。その麓にあるのが、岐阜県郡上市の長滝白山神社です。

その昔、この付近は「登り千人下り千人」と言われ、参拝客で賑わいました。

その白山信仰がルーツと言われている祭りがあります。それが「白鳥おどり」です。テンポが非常に速く、躍動感あふれる踊りが特徴で、熱気のあまり下駄が脱げてしまう人もいるほどです。

白鳥踊り保存会 正者英雄会長:
「世界最速のおどり、『白鳥マンボ』なんて言われています」
夜を通して踊り明かす「徹夜おどり」の最終日にカメラが密着しました。

名古屋から車で1時間半。取材班がやってきたのは、岐阜県郡上市の白鳥地域です。夜7時半、人々が白鳥おどりの会場に集まってきました。

取材した日は、徹夜おどりの最終日です。
「郡上おどり」との違いは、農民の暮らしや一揆を描く力強い表現

男性:
「武器のない百姓たちが勇壮に戦う姿、歩岐島騒動・乱闘太鼓をご覧ください」
オープニングを飾るのは、江戸時代の郡上一揆の顛末を描いた「郡上宝暦義民太鼓」です。一揆の勝利に湧く農民を表現しています。

この地域には、もう一つの盆踊り・郡上おどりがあります。郡上おどりとの違いを聞いてみました。

白鳥踊り保存会 正者会長:
「お百姓さんの所作が多いです。田んぼを耕す動作など、より庶民的な暮らしに根ざした踊りである点が、郡上おどりとの違いだと思います」
東京や海外からもファンが集結 跳ねて飛ぶ踊りの魅力

会場にはおそろいの浴衣を着た4人組の姿もありました。話を聞くと、東京から訪れたダンスチームだということです。

男性:
「郡上おどりや白鳥おどりを一緒に楽しんでいる踊りの会です。チームです」
東京から白鳥おどりと郡上おどりを楽しむためにやってきたそうです。
女性:
「(白鳥おどりは)歴史が古いと思うのですが、若者が楽しめると思います。速かったり、飛んだり跳ねたり、参加者みんなが心から楽しんでいる印象を受けます」

キレッキレの踊りをしている人もいました。ほとんど飛んでいるように見えます。
男性:
「飛んだほうがおもしろいです。まだ大人しいほうですよ」

大人しくても、下駄が脱げてしまうほど。この楽しさは世界共通のようです。参加者の中には外国人の姿もありました。

メキシコ出身で現在は仙台に住んでいるという男性は、「大学時代に知り合った友人に誘われて参加した」と話します。
テンポが増す名曲『世栄』で熱気は最高潮へ

無理心中の中の悲しい物語を伝えている『世栄』。この悲しい曲の盆踊りがファンの間で世界最速と言われています。踊り手と音頭取りの戦いは激しさを増していき、衝撃のラストへ。曲のあまりのテンポの速さに、ある女性はほぼ走っていました。

女性:
「走っていました。アクティブに動けるところがとても気に入っています」
徹夜おどりは明け方4時まで続きました。


