「今と昔の育児の違い」17個の世代間ギャップを明示 祖父母が学ぶ“孫育て応援ブック” 名古屋
年の瀬が押し迫る中、あわただしい日々を過ごしている頃でしょうか。今年の年末年始は10連休という人も多く、帰省の期間が長くなって、久しぶりに祖父母や、孫と関わる時間が増えるという方も多いのではないでしょうか。そんな中、考えたいのが「子育ての世代間ギャップ」です。
名古屋市では“祖父母手帳”を発行 今と昔の子育ての違いも
例えば…昔は「頭の形がよくなる」とされていた「うつぶせ寝」。現在は「乳幼児突然死症候群の危険性が指摘されていることなどから、医師の指示があるとき以外は、あおむけで寝かせるようにすること」として、あおむけ寝が推奨されています。
また、昔は「抱き癖が付く」とされていた抱っこ。こちらも今は「心が安定することから、気にせず抱っこをすること」など、今と昔でかなり異なっている育児方法。
そんな孫との関わりを考え直すため、祖父母世代向けに名古屋市が母子手帳ならぬ“祖父母手帳”を発行しました。
その名も「孫育て応援ブック なごまご」です。
中には「今と昔の育児の違い」として17個のギャップがイラスト付きで書かれています。3年前に発行したきっかけは、市が行った子育てに関する調査だといいます。
「子育てに関する悩みや不安などについて、7割を超える子育て世代が自分の親に相談をしたことがあるとの回答がありました。しかし、子育ての仕方や価値観、子育てにおける優先事項などが祖父母世代と現在では異なっている場合もあり、祖父母世代の支援がかえって子育て中の保護者の心理的な負担につながる恐れもあることから育児方法の世代間の違いなどを盛り込んだ孫育てのためのハンドブックを作成し、情報発信に至りました。」(名古屋市子ども青少年局子育て支援部子育て支援課 担当者)
他にも、子どもにとって、家の中の危険な場所が、「リビング」「キッチン・ダイニング」「浴室・洗面・トイレ」と場所別に具体的に記されていたり、パパ・ママ世代が祖父母世代から言われてうれしかった言葉なども記載されていたりと、年末年始の帰省などで役立つ情報がたくさん盛り込まれています。
「久しぶりの帰省先や初めての親族宅など、自宅とは異なる住まいでは、思いがけないところに危険が潜んでいる場合があります。子どもは好奇心が旺盛で、見慣れない製品や場所にとても興味を持ちます。『なごまご』を活用し、事前にキケンな場所への対策を検討してください」(名古屋市子ども青少年局子育て支援部子育て支援課 担当者)
帰省の考え方を変えることも「孫育て」の一歩
一方で、NPO法人「孫育て・ニッポン」の棒田明子理事長は、家族の在り方が多様化する中、「帰省をすること自体」について、話し合うことも必要だと話します。
「家族で集まって、顔を合わせることが大事なのであれば、帰省をするのもいいですが、今の若い世代では、お正月以外のイベントを重視している家庭も増えている。お正月を家族で過ごすのかなどを話し合ってみるのもいいかもしれない」(NPO法人 孫育て・ニッポン代表 棒田明子理事長)
大事にしたいのは「子どもと家族の関係」だといいます。
「孫は、唯一両家の遺伝子を持っている。だから孫がそれぞれの家庭から同じ愛情を受けられるように、大人たちは付き合い方を話しあってほしい」(NPO法人 孫育て・ニッポン 棒田明子理事長)
年末年始の帰省を機に「孫育て」について、考えてみるのはいかがでしょうか。
名古屋市祖父母手帳「孫育て応援ブック なごまご」は、こちらのURLでも確認できます。
https://www.city.nagoya.jp/kodomoseishonen/page/0000138478.html
(メ~テレ行政担当記者 前田怜実)