3月31日、他国からのミサイル攻撃などの有事を見据え、「シェルターの充実化」が閣議決定されました。東海地方では、一体どんな施設が指定されているのでしょうか。
「訓練、ミサイル発射」
全国各地で行われている避難訓練。日本へ向け、ミサイルが発射されたことを想定した訓練です。
政府は、こうした「武力攻撃」などを想定した緊急事態に、国民が一時的に避難する施設「シェルター」の確保を進めています。
「国民保護体制の強化と実効性の向上を図るため、このたび閣議決定という形で基本方針を決定しました」(木原稔 官房長官)
3月31日、閣議決定で示された基本方針。
2030年までに市区町村単位での人口カバー率を100%にすることや、より安全性の高いとされる、「地下施設」の活用を目標に掲げています。
名古屋市では地下駐輪場や地下鉄の駅なども

名古屋市瑞穂区にある地下駐輪場、「新瑞橋駅自転車駐車場」もそのひとつに指定されています。
ただ――
「中を見渡してみても、こちらにポスターなどの掲示物などはなく、ここがシェルターだとわかりにくいです」(記者)
ホームページなどで情報は公開されているそうですが――
Q.シェルターとして使われるが?
「知らないです。今知りました」(利用者)
「そもそもミサイルは日本だと、現実的ではないので実感がわかない」(市民)
「何かあったら困る。でも知らなかったので覚えておく」(市民)
名古屋市ではこのほか、地下鉄の駅なども指定されていますが、有事の際に「シェルター」として使われることはあまり知られていないようです。
岐阜・各務原市では地下道が一時避難先に

それでは、他の地域はどうでしょうか?
名古屋ほど「地下施設」が多くない自治体は、頭を悩ませています。 各地で指定されている、シェルターとしての地下施設。
岐阜県各務原市では、4年前に浅野健司市長が懸念を示していました。
「本市は、市の中心部に岐阜基地を擁し、航空宇宙産業を始めとする多くの企業が集積する都市であり、有事の際は攻撃の対象になり得ることが考えられます」(各務原市 浅野健司市長)
航空自衛隊岐阜基地や川崎重工の工場なども位置する各務原市。訓練などを通して有事への備えを進めてきました。
「こちらが住民の一時的な避難場所となる地下施設。特に看板もなく、横幅は大人3人が並ぶほどの幅しかなく、あまり広くはない印象です」(記者)
各務原市蘇原早苗町にある市道、「六軒地下道」。
ここも「地下施設」として指定されていますが――
「全然知らない。初めて聞きました。ここと言っておけば、一斉にバーッと行くからいいんじゃないですかと」(各務原市民)
「ずいぶん住んでいる人のわりに、狭い気がするが、ギュウギュウになるのでは。ちょっと有事の時には、ここは限られているから、ちょっと頑丈な建物に逃げるとか、それくらいかなと思います」(各務原市民)
今のタイミングでの閣議決定に不安の声も
各務原市で現在指定されている緊急一時避難施設は、小学校や体育館など、あわせて65あります。
そのうち、地下横断歩道などの地下施設は16カ所です。
新たにも探そうにも、市の防災対策課の担当者は、「民間の地下駐車場など、適した地下施設がない」としています。
また、シェルターの確保に向けた基本方針が、今のタイミングで、閣議決定したことについて不安の声も。
「日本はすごく平和なイメージがあるが、世界情勢的にはいろいろある。地下シェルターの準備をしているというのは、いつかそういう時が来るかもしれないから、話が出ているのかな」(各務原市民)
「日本の気候に合ったシェルターの基準を作ることが大事」

国が推し進める「シェルター確保」の動き。
シェルターの重要性について啓発を行うNPO法人の池田時浩理事長は、海外の事例との違いを指摘します。
「スイスですとかフィンランドは、明確な基準もある。でもそれをそのまま日本には持ち込めない。なぜかというと地盤が違うから。地盤が全く違う、地震も多い、気候も違います。日本の気候に合ったシェルターの基準をしっかり作ることが大事」(日本核シェルター協会 池田時浩 理事長)
どんな地域から確保を進めていくか、その「優先度」を明確にすることも重要だと言います。
「国がどこまで保護対象にするのか、国民全員なのか、ある一部の地域なのか、どれぐらいの期間でやるのかが非常に重要になります」(池田理事長)
政府は、シェルターの技術的な仕様のほか、優先して取り組む地域などについて 1年後をめどに整理するとしています。


