【愛知・東三河】食品ロス削減に挑む老舗和菓子店 規格外の野菜・果物を“ここでしか食べられない和菓子”へ もったいない精神で地域活性化狙う

捨てられるはずだった野菜や果物が、和菓子に生まれ変わる。愛知の老舗和菓子店が、和菓子の日に合わせ、規格外農作物などを活用した「サステナブル和菓子プロジェクト」を発表しました。

規格外農作物を生かした和菓子づくり

愛知県東三河地域で75年以上にわたり、和菓子づくりを続ける『お亀堂』が、6月16日の「和菓子の日」に合わせ、地域農産物の規格外品や地元企業の未利用資源を活用した「サステナブル和菓子プロジェクト」を発表しました。

同プロジェクトは、流通に乗らず廃棄される農産物や、製造工程で生まれる未利用の食品資源を、和菓子として生かす取り組み。地域の生産者や企業と連携しながら、食品ロス削減と地域活性化の両立を目指すものです。

東三河地域は全国有数の農業地帯として知られる一方で、形や大きさの違い、傷などを理由に市場に出回らない農産物も少なくありません。お亀堂では、こうした生産現場の課題に着目し、「和菓子なら、この素材を生かせるのではないか」という発想から商品開発を進めてきました。

【愛知・東三河】食品ロス削減に挑む老舗和菓子店 規格外の野菜・果物を“ここでしか食べられない和菓子”へ もったいない精神で地域活性化狙う

その代表例が豊橋産の規格外サツマイモを活用した「鬼まんじゅう」。素材本来の甘みや食感を生かし、地域の郷土菓子として人気商品となりました。

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また同店は、農作物だけでなく地域企業の未利用資源にも着目。2024年春に、地元の老舗佃煮店と共同で、佃煮製造時に生まれる“旨味調味液”を活用した特製みたらし団子を開発しました。

この調味液は、昆布や醤油の深い旨味が凝縮されたもので、本来は製造過程で廃棄されていたもの。試作を重ね、甘さの奥に旨味が広がる“みたらしダレ”が完成しました。

【愛知・東三河】食品ロス削減に挑む老舗和菓子店 規格外の野菜・果物を“ここでしか食べられない和菓子”へ もったいない精神で地域活性化狙う

この夏はこの取り組みを拡大し、豊橋産の規格外いちじくといちごを使った商品が仲間入り。夏限定商品「いちじくゼリー」は、蓋を開けた瞬間に広がる果実の香りと果肉感、つるんとしたのどごしが特徴。

【愛知・東三河】食品ロス削減に挑む老舗和菓子店 規格外の野菜・果物を“ここでしか食べられない和菓子”へ もったいない精神で地域活性化狙う

お亀堂によると、いちじくは非常に傷つきやすく繊細な果物であるため、市場に出荷できない規格外品が、豊橋産だけでも年間約1トン発生しているといいます。

“地元農家さんが大切に育てた果実の魅力を伝えたい”という思いから、果実本来の香りや食感をどう残すか徹底的にこだわったという同商品。開発担当者は、「このゼリーを通して、地元農業の魅力や食品ロス問題にも興味を持っていただけたら嬉しい」とコメントを寄せました。

【愛知・東三河】食品ロス削減に挑む老舗和菓子店 規格外の野菜・果物を“ここでしか食べられない和菓子”へ もったいない精神で地域活性化狙う

「ごろごろ生いちごミルク爆弾大福」では、豊橋産の規格外いちごを使用。小さないちごをあえて“丸ごと”包み込んだ大胆なビジュアルと、解凍時間によって“3つの食感”が楽しめるという仕掛けはSNSでも多くの関心を集めました。

“もったいない”から生まれる地域の未来

こうした取り組みの背景には、「和菓子の役割」への考え方がありました。

和菓子は古くから、季節ごとの恵みを余すことなく生かし、自然と共に生きる知恵の上に成り立ってきた食文化。蒸す、炊く、練る、包むといった職人の技術によって、保存料に頼らず、素材本来のおいしさをひき出してきました。

【愛知・東三河】食品ロス削減に挑む老舗和菓子店 規格外の野菜・果物を“ここでしか食べられない和菓子”へ もったいない精神で地域活性化狙う

お亀堂でも、保存料などに極力頼らず、素材本来のおいしさを生かす菓子づくりを続けてきました。だからこそ同店では、「加工できないから廃棄する」のではなく、「どうすれば、この素材を一番おいしく生かせるか」を考える姿勢が自然と根付いているといいます。

同店は今回のプロジェクトを通じて、地域の農家や企業、金融機関などと連携しながら、“もったいない”を減らし、“ここでしか生まれない価値”を創出。食品ロス削減と地域活性化の両立を目指します。

6月16日の「和菓子の日」は、平安時代に疫病除けや健康招福を願い、菓子を神前に供えたことが始まりとされています。

伝統を受け継ぎながらも“挑戦と革新”を続ける老舗の取り組みは、和菓子を通じた地域活性化の新たな動きとして注目を集めそうです。

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