
地震に詳しい専門家が分析 カムチャツカ半島地震と津波のメカニズムは? 南海トラフ地震に関連は?

カムチャツカ半島で起きた地震と津波について、地震に詳しい横田崇・愛知工業大教授に分析してもらいました。

横田教授:
カムチャツカ半島の地震は、メカニズム的に向きは違うが、東北地方の太平洋側と同じ海溝型の地震です。
それが大きな津波を起こし、正面にはもっと大きな津波が行っていますが、横の方にある日本列島やアリューシャン列島にも大きな津波が来る恐れがある。そういう地震です。
Q.日本にも広く津波警報が出るのはなぜ?
カムチャツカで発生した津波は、太平洋を広く伝わっています。日本列島も海でつながっていますから、日本列島の広い範囲に津波が来る可能性があります。
Q.津波警報・注意報はこれほど長時間出るものでしょうか?
広い範囲の震源域で大きな地震が発生しているので、周期が長い。
津波は何度も押し寄せます。一度波が引いたからといって「安全だ」と自分で判断して海に近づくと、もっと大きな津波が来る可能性があります。
津波警報・注意報が解除されるまで、海に近づいてはいけません。
Q.南海トラフ地震との関係は?
カムチャツカ半島の地震は太平洋プレートが沈み込んでいるところで起きました。
南海トラフ地震は、太平洋プレートが沈み込むその先にあるフィリピン海プレートが東海地域の下に沈み込んで起きます。
プレートが違い、距離も離れています。そういう意味では、カムチャツカ半島の地震が直接的に南海トラフを刺激する可能性は低いです。
Q.今後、気をつけることは?
気象庁が解除の判断をすることになるが、津波は長く続く可能性があります。
警報が注意報に切り替わり、さらにそれが解除されるまで海に近づいてはいけません。
波が引いたと自分で判断して、警報・注意報が出ている間に海に近づくことはしないでほしい。
もし誤って海に入ったら、そのまま流される恐れがあります。必ず陸に上がること。
もっと大きな津波が来る可能性があるので、高台に避難しておくことが大事です。