テレビ愛知の岡田愛マリーアナウンサーとSKE48の松本慈子さんが、投資や資産形成について専門家から学ぶYouTube番組『あしたのマネー』。 今回は、ゲストに『日経マネー』編集委員の大口克人氏を迎え、ついに5万円台に突入した日経平均株価の分析から、情報過多時代の身の守り方まで、トークが展開されました。(2025年11月6日収録)
日経平均5万2000円でも「シャンパンが開かない」理由

日経平均株価がついに5万2000円に到達するという歴史的な局面を迎えています。しかし、長年市場を見続けてきた大口編集委員は「4万円を超えた時の、会社でシャンパンを開けるような大騒ぎに比べると、今回はあまり熱狂がない」と、静かすぎる市場の反応を指摘します。
「ここ30年、日本株は何をやってもダメな時代がありましたが、アベノミクス以降に戻り始め、ついにバブル期の最高値(3万8915円=通称『砂漠行こう』)を超えました。しかし、4万円から5万円になる過程では、不思議と静かでした」(大口氏)
株価は歴史的高値を更新し続けているのに、なぜ個人の実感は乏しいのか。その理由として大口氏が挙げたのは、新NISAなどで多くの個人投資家が購入している投資信託「オルカン(全世界株式)」の存在です。
「みんなが買っているオルカンの中に含まれる日本株の比率は、わずか5〜6%程度。だから日経平均がぐんぐん上がっても、オルカンの価格が『もりもり』上がっていくわけではないんです。むしろ為替の円高・円安の影響の方が大きいかもしれません」(大口氏)
日本株の恩恵をダイレクトに受けている人は意外と少ないという現状が、数字と体感のズレを生んでいるようです。
5万2000円はバブルなのか? 「PER」で見る適正価格

岡田アナからの「今の5万2000円という数字はバブルなのか?」という直球の問いに対し、大口氏は「そうは見ていない」と回答。その根拠として、株価が企業の利益の何倍まで買われているかを示す「PER(株価収益率)」を挙げ、過去と現在を比較解説しました。
1980年代バブル期のPER: 約60倍(利益の裏付けがなく説明がつかない水準)
平時のPER: 12〜16倍
現在のPER: およそ19.66倍(2025年10月31日時点)
「平時に比べれば19倍はやや過熱感があるものの、企業業績というしっかりとした裏付けがあります。説明がつかない数字だった80年代のバブルとは全く別物です」と大口氏は解説します。
ただし、19倍という数字は高値圏でもあるため、「(収録直前の)11月5日に一時2400円近く下がったような急落や調整は今後もある」と予測。それでも、「さらに上値を目指す展開もあり得る」との見方を示しました。
株高を支える「3つの好条件」と「サナ活」

大口氏は、現在の株高を支えている要因として、マネックス証券の広木隆氏の分析を引用しつつ以下の3つを挙げました。
1.米国の利下げによる金融緩和:市場にお金が出回る状況。
2.AIテクノロジーの進展:半導体工場の建設ラッシュや電力需要の拡大が経済を牽引。
3.高市新政権への期待:「強い経済を作る」という明確なメッセージと積極財政への期待感。
また、岡田アナから「高市総理の持ち物が売れる現象、通称『サナ活』」について水を向けられると、大口氏は「経済が回るなら悪いことではない」と笑顔で肯定。「かつての雅子さまの時と同じで、消費が動くのは良いことです」と語りました。これにはSKE48の松本さんも「女性総理というのは同性としてかっこいい」と共感を示していました。
SKE48松本慈子の「賢いAI活用術」に専門家も感心

番組後半のテーマは「情報収集と詐欺対策」。 「若い世代はAIをどう使っているのか?」という話題で、松本さんは自身の活用法を披露しました。
「SNSの投稿文を作る際、炎上しないか、誤解を招かないかを確認するために、生成AIに校閲(相談)をしてもらっています。ただ、丸写しだと自分の気持ちが伝わらないので、あくまで整えてもらうだけにして、最後は自分の言葉にします」(松本さん)
これには大口氏も「それは非常に上手な使い方。丸投げせず、自分の言葉にするのが大事」と感心した様子。一方で、AIやネットメディアの情報の正確性については、長年メディアに携わる立場から警鐘を鳴らしました。
「オールドメディアは嘘つき」は危険な誤解!

「SNSなどのネットメディアは『速報性』には優れています。例えば『大須観音の裏で火事があった』といった情報は一番早い。しかし、そこにはポジショントークやフェイクも混ざっています」(大口氏)
大口氏は、新聞やテレビなどのいわゆる“オールドメディア”について、「速報性で負けても、裏取りをして責任を持ってファクト(事実)を届けるためにコストと時間をかけている」と強調。 ネット上で散見される「オールドメディアは全部嘘で、ネットが真実」という風潮に対し、「それは誤解であり、何でも無責任に書き飛ばせるメディアもあることを意識して付き合うべき」と、情報リテラシーの重要性を訴えました。
「米空軍の女性パイロット」から友達申請? 資産を守る“守備力”を

最後に話題は、近年急増するSNS投資詐欺へ。大口氏は自身の体験談として、「Facebookで『米空軍の女性パイロット』を名乗る人物から友達申請が来た」と明かし、スタジオを驚かせました。
「極東の島国の冴えないサラリーマンに、米軍パイロットが接点を持つわけがない(笑)。こういう『健全な常識』を持つだけで詐欺は防げます」(大口氏)
【大口編集委員直伝! 詐欺を見抜く鉄則】
投資は金融機関でやるもの: 個人名義の口座にお金を振り込ませようとするのは全て詐欺。「先生」や「秘書」がLINEで誘導してくるのは典型的な手口。
警察・検事は電話で捜査しない: 「警察官です」「検事です」と電話がかかってきたら、それは全て嘘。
うまい話は転がっていない: 自分だけに特別に教えられる儲け話など存在しない。
大口氏は最後に、「資産をコツコツ増やすには10年、20年、30年とかかるが、失うのは一瞬。増やすことと同じくらい、変なものに引っかからずに資産を守ることも大事です」と、これから投資を始める若者に向けて熱いメッセージを送り、番組を締めくくりました。


