「とりあえず現状維持できる…」ワシントン条約の規制“否決”でうなぎ料理店一安心も 備長炭やコメの価格上昇などで苦境続く

11.28(金)18:51
日本時間の27日午後4時頃、ウズベキスタン・サマルカンドで行われたワシントン条約締約国会議の委員会。「ニホンウナギを含むすべてのウナギの国際取引を規制する」という、EUなどによる提案は否決されました。
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一夜明け…名古屋市東区のウナギ料理店「うなぎの西本」では。
(客)
「(否決されて)よかった。好きなものが値上がりしたら困る」
(うなぎの西本 3代目 石田浩一さん)
「とりあえず現状維持できることにほっとしている。絶対数が少なくなれば『一日限定何食』という商売をしなければいけなくなるかもしれないし、価格がうんと跳ね上がるとか、想像がつかない事態になっていたかも」
輸入規制による価格高騰は免れ、日本の食を揺るがす危機はひとまずなくなりました。
ウナギのかば焼きに欠かせない「備長炭」は3~4割上昇
ところが“ウナギの危機”だけではありません。
(石田さん)
「今のところ限界」
ありとあらゆるモノのコストが上昇する中、特に影響が大きいのが備長炭です。ウナギを香ばしく焼き上げるために欠かせない備長炭の仕入れ値は、5年前に比べて3割から4割上昇。そして多い日には一日30升を消費するコメは、ここ2年で仕入れ値が倍に。
(石田さん)
「客が来て、すぐに炭火をつけるわけではないので、どうしても燃料費としてはダダ漏れ的なところはある」
また、最低賃金も上がり続け、人件費も重くのしかかります。
(石田さん)
「売り値をコロコロ変えるわけにもいかないし、寿司店の“時価”のようにもいかないし、ギリギリでやらせてもらっている」
目先のピンチはいったん回避できたものの、うなぎ店の苦悩はしばらく続きそうです。





