愛知県 犯罪被害者支援の体制刷新 自治体の”ばらつき”の課題も

犯罪被害者を支援する愛知県の体制が今年から大幅に変わりました。
被害者に寄り添った体制となる一方で、課題も残っています。
記者:
「現在、県の被害者支援を担当する部署がこちらで制度の打ち合わせを行っています」
担当者:
「私だったら聞く内容としては、その犯罪被害のところ」
話し合われていたのは犯罪に遭った被害者への支援についてです。
「ワンストップ」で行う仕組みが4月から立ち上がったのです。
これは名古屋市が、殺人や傷害などの犯罪の被害者や、その家族などに行った調査の結果です
被害を受けた後、収入が減り生活が苦しくなったと答えた人が35%以上、無力感に苛まれたと答えた人は9割近くに上ります。
そのような被害者に対しては、警察による情報提供や今後の不安に対するケアのほか、民間団体による支援もあります。
被害者サポートセンターあいち 白柳大仁さん
「今後どうなるんでしょうか?という先行きがわからないという相談も多いですし、生活面でどうしたらいいのかというような相談が多いです」
こちらでは、弁護士による法律相談臨床心理士によるカウンセリング、公判への付き添いといった様々な支援を行っています。
民間団体の支援の他にも、県や市町村からは見舞金制度といった経済的な支援制度などもあります。
幅広く支援が受けられるようにもみえますが、そこに課題が潜んでいました。
愛知県 県民安全課 平田恵梨奈さん
「様々な困難を抱えられる中で、支援を受けるために自ら様々な機関を回って、何回も繰り返し被害に遭われた話をせざるを得ないっていうところ」
支援を受けるための手間暇が被害者の負担になっていたというのです。
そこで愛知県が始めたのが「多機関ワンストップサービス体制」です。
専門的な知識をもった「コーディネーター」を配置し、被害者の相談内容から複数の機関の支援を組み合わせた計画を作成・実行します。
愛知県 県民安全課 平田恵梨奈さん
「今作っている支援計画の様式も、もっとこういう方がわかりやすいんじゃないかとか、様式類も順次見直しながらっていうところはあります」
被害者の支援をめぐっては、市町村によって条例がないところがあり、さらに給付金の額に差があるなどまだ課題があります。
支援を受けやすい環境を整えると同時に、その質を充実させていく必要がありそうです。