岐阜の保育園で毎日約800食の「オーガニック給食」を提供 便秘やアトピー症状が改善したという報告も 「大人になったときに、自分で体に良い食べ物を選べるように」
岐阜県可児市の社会福祉法人「村の木清福会」が、化学肥料や農薬に頼らず栽培された農産物や、それを原料にした加工品を使用した「オーガニック給食」を、県内で運営する5つの保育園で提供しています。
同法人では、オーガニック食材を80%以上使用した給食を、毎日約800食提供。化学調味料も使用せず、みそ汁はだしを使わなくてもおいしく食べられるように、時間をかけて具材を炒めて旨味を出すなど、調理法にもこだわっています。2023年3月には、日本オーガニック&ナチュラルフーズ協会の上級オーガニック給食認証も取得しました。
担当者によると、オーガニック給食の導入後に、園児の便秘やアトピー性皮膚炎の症状が改善したという報告があったということです。同じ給食を食べている職員からも、生理痛や肌荒れが落ち着いたという声が上がっているといいます。
オーガニック食材を給食に取り入れる試みは、名古屋市の小学校でも試験的に実施されていますが、導入のハードルとなるのが費用面。栽培や加工に手間がかかるオーガニック食材は、一般的な食材よりも価格が高い傾向があります。
同法人でも保護者は月1000円の負担増となりましたが、導入前の説明会で「オーガニック給食が1食280円ほどで食べられるとは驚き」「良い給食を提供してもらえるなら負担が増えてもありがたい」など、好意的な意見が寄せられたこともあり、2019年10月に当時開園していた4つの保育園で実施に踏み切りました。
複数の園を運営するスケールメリットを生かすため4園一斉に導入するなど、コスト削減の努力もしていて、現在は、送料を抑えるために近くの農家から有機食材を仕入れることも検討しているとしています。
担当者は「子どもたちが大人になったときに、自分で体に良い食べ物を選べるようになってほしい」という思いから、今後は家庭でも食に興味を持ってもらうために、定期的にマルシェを開催して、オーガニックな野菜やお菓子の販売も行っていきたいと述べています。