どうする日本の原油の中東依存 「日本はアメリカに投資してアラスカ産原油をゲットせよ」専門家

緊迫する中東情勢。戦闘終結に向けアメリカのトランプ大統領は「イランと認識を共有している」と主張していますが、いまだ先行きは不透明です。

トランプ氏は日本時間の3月23日、イランとの戦闘終結に向けた交渉について、合意するべき点に関してイランと認識を共有していると述べました。交渉が前進しなければ「爆撃を続けるだけだ」とし、早期合意へ圧力をかけました。

一方、イラン側は交渉入りを否定し、イスラエルも攻撃を続行する姿勢で3者の主張は食い違っています。原油の輸送路・ホルムズ海峡は事実上の封鎖が続いています。原油価格の高騰に歯止めがかからない中、新たな調達先の一つと期待されるのがアラスカです。

日本側は19日の日米首脳会談で「アラスカ産原油を倍増するために日本も投資する」と伝達。高市総理もトランプ大統領に対し、日本でアメリカ産の原油を備蓄する共同事業を実現したいと伝えていました。果たしてアラスカ産の原油の調達は日本の救世主となりえるのでしょうか?

日本にとって他国よりアラスカ産の原油は魅力的

アメリカからの原油輸入量全体の3.7%

ここからは、野村総合研究所の木内登英さんに話を伺います。

ーーまず、日本は原油の輸入の9割以上を中東に依存しているという現状があります 。その中で、このアラスカ産の原油は中東依存脱却の一手となるのでしょうか?

野村総合研究所 木内登英さん:
「一気に脱却の一手にはならないかもしれませんが、やはり中東依存度を下げていって、いろんな国から調達するということを今後は進めていく必要があります。その中でもアラスカ産の原油というのは、日本から距離が比較的短いとか、あとはアラスカ産の原油はアメリカ本土と違って中質油であるということで、日本の原油の精製設備が中東産の重質油に多くは対応しているわけですけれども、アラスカ産の中質油ですとより対応できる部分があるということで、アメリカ本土から輸入する原油よりもアラスカ産の方が日本にとって非常に魅力的な原油の調達先だということになると思います」

ーーアラスカは日本との距離が中東よりやや近く、かつ取れる原油の質も、これまで輸入しているものと比べても遜色ないということですか? この中質油、重質油というお話があったんですが。

野村総合研究所 木内さん:
「中東から輸入している比重の重い重質油に、日本の石油精製はかなりそれに対応したものになっており、アメリカから軽質油を輸入しても対応できない部分が多いわけですが、アラスカ産の中質油であれば、アメリカ本土から輸入する原油よりもより対応ができるということで、追加の設備を作らなくても国内で精製ができるということですから、日本にとってはテキサスなどの原油よりもアラスカ産の方が魅力的だということになると思います」

アラスカでの原油生産が今まで以上に膨らむ可能性あり

野村総合研究所 木内登英

ーー日本でのその原油の精製インフラは、アラスカ産の原油にも対応できるので、輸入することに無理はないという一方で、短期的にその中東依存脱却にはこれはなかなか難しいんじゃないかというご意見を最初にお話しされていましたよね。

野村総合研究所 木内さん:
「アラスカ産の原油を多分今、日本はほとんど輸入していないと思いますが、アラスカ産の原油の生産量は、日本の原油の消費の10分の1ぐらいを賄うことができるということなんですけれども、生産量がそこまで大きいわけではない。ですから、日本企業が投資をして、アラスカでの原油の生産を増やしていくということに貢献して、そこで増えた分を日本が輸入するということですから、今後はアラスカで日本企業の投資なども後押しする形で、原油の生産が今まで以上に膨らんでいくという可能性は出てきたと思います」

ーーこれまではアラスカ産の原油はあまり日本は輸入していなかったんですよね。このあたりって何か理由などはあったんですか?

野村総合研究所 木内さん:
「元々アラスカ産は供給があんまり、生産量が大きくないということとか、あとその大きな船が停泊できる場所が比較的限られるというデメリットもあったため 、今まではアラスカ産が統計上表れていないので、ほとんど日本は輸入してこなかったということではないかなと思います」

アメリカ産の原油輸入拡大は日米ともにメリットがある

野村総合研究所 木内登英

ーーなかなか難しい背景もあると思うんですけれども、日本が中東に依存していたという背景もあって、アメリカが日本に向けて原油を多く取れたとしても輸出するという風に舵を切るのかな?という疑問もあるんですが、そのあたりはいかがですか?

野村総合研究所 木内さん:
「アメリカは最大の原油生産国でもあるんですが、巨大な消費国でもあるということですごく原油が余っていて輸出に回せるというわけでは必ずしもないということだと思います。長い目で見ると、日本が投資をしてアメリカでの原油の生産が増えて、それを輸出に回す、日本も買ってくれるというのは、アメリカにとっても非常にいい話だろうと思います。ですので、アメリカでの日本企業の投資、それから増えた増産分を日本が輸入するというのは、アメリカとの対米投資計画の第3弾の候補になっているということで、アメリカにとっても非常にいい話だということなんですが、ただ短期的にはですね、今、世界で原油を奪い合っている状況なので、アメリカとしても今すぐ原油はそんなに輸出に回したくないということがあると思います。一方で日本は、中長期的に見て中東依存度を下げるために、従来よりもアメリカからの輸入を増やしたいという中長期の調達先の分散化という観点と、もう一つは短期的に今、原油・ガソリンが不足するかもしれないという不安もあるということで、中長期と短期両方の面から日本は今でも欲しいということなんですね。ですから、『今、欲しい』と言われるとアメリカは必ずしもそれは受け入れないという面があって、中長期的には両国の利害は一致しているんですが、短期的にはちょっと温度差があるので、具体的にいつから日本がアメリカ産の原油の輸入を拡大できるかどうかは、まだわからないという風に思います」

ーー今すぐは輸入できないが、中長期的には輸入することができて、それは日米ともにメリットがあるということなんですね。

野村総合研究所 木内さん:
「その通りですね」

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