各地で相次ぐクマによる被害。岐阜県白川村では、“音の壁”でクマの接近を防ぐ対策が始まっています。
クマの目撃情報は、東海地方でも。
10日、三重県尾鷲市では、車を運転していた60代男性が道路を横切るツキノワグマを目撃。
これを受けて、尾鷲市紀北町内では11日から「三重県クマアラート」の注意報が発表されています。
また8日には、岐阜県大垣市で罠にかかったクマも見つかっています。
さらに――。
山あいにある人気の観光地・白川郷。
この地域も例外ではありません。
白川郷では去年10月、スペイン人男性がシャトルバス乗り場の近くでクマに腕をひっかかれ、軽いけがをする被害がありました。
白川村のクマ目撃件数は前の年の約4倍に

白川村では、クマの目撃件数は、昨年度137件で前の年の約4倍に急増しています。
今年も4月以降、7件の目撃情報が寄せられていて、民家から50m以内の場所で目撃されたとの情報も。
「この辺で出たというのはニュースで見ていたが、まさか近くに来ていたとは思わなくて今恐怖がある」(観光客)
「森には行かないようにしている、町だけにいる」(観光客)
「熊ソニック」で対策

白川村では、4月から新たな対策が始められました。
その名も「熊ソニック」です。
「熊ソニック」は、山梨県の企業「T.M.WORKS」が開発した装置。
スピーカーからクマが嫌がる高周波の音を発生させて、最大約200mの範囲に”音のバリア”を作りクマの接近を防ぐ仕組みです。
「低周波でクマを追い払う機械を使っていたが、1回逃げても危険がないと分かると、また戻ってきてしまう。高周波の方が『熊ソニック』は驚かすのではなくて、嫌な音を発して、彼らを中に入れないということで、効果も持続するだろうとやっている」(効果検証などに携わる 岡山理科大学 辻維周 特担教授)
同じような高周波を使った実験映像では、大きなクマが音に反応して立ち止まり、おとなしく離れていきます。
目撃情報が多い6カ所に設置

「熊ソニック」は、クマが音に慣れにくいよう、高周波の音をランダムに出すということですが――
「近づくと、かなり耳を抑えたくなる。だいぶ高い音と不快な音が重なって、しかも一定のペースではないので、より不快感が強い」(上坂嵩メ~テレアナウンサー)
村は、10基を目撃情報が多い6カ所に設置しました。
1台の値段は30万円から40万円と高価ですが、去年6月に導入した富山県南砺市では、既に効果が出ているといいます。
「1日2日で、今まで出没していたところよりも100m以上クマが後退しはじめ、その後はカメラに映らないぐらいの状況になった」(辻 特担教授)
対策を重ねながら模索が続く

「熊ソニック」の設置場所近くに住む人は――。
「何年か前に車庫にも(クマが)入っていて、後ろにも穴が開いていた」(近隣住民)
Q.クマ対策の装置への期待は
「他の地域で効果があるということで導入しているが、結果が出るといいなと思う」(近隣住民)
“音”でクマ被害を防ごうという新たな試み。
対策を重ねながら、模索が続きます。
「クマは生きるために食べなければならない。 クマの食欲が勝つのか、高周波の威力が勝つのかで、せめぎ合いが生じる。どうしても人命がかかっているので、全面的に100%これに頼るのではなくて、電柵とか、わななどで併用してほしい」(辻 特担教授)


