耳の中も「カビ」が繁殖 長時間のイヤホン着用、耳掃除のしすぎに注意 1~2時間に1度の耳の換気が重要

梅雨がすぐそこまで迫る中、注意したいのが「カビ」です。実は「カビ」は見た目が悪い、掃除が大変というだけでなく、私たちの体にも悪さをすることがあるんです。「梅雨時期のカビ対策」について調べました。
カビを吸い込むことで起こるアレルギー反応

まず、カビが体にどんな影響を与えるのか、カビの研究をはじめて40年、千葉大学真菌医学研究センター矢口貴志准教授に話を聞きました。気になるのは、カビによるアレルギーです。カビをたくさん吸い込むことによってアレルギー反応が起こり、鼻水や咳などの症状が出ることもあるといいます。さらに菌が肺にまで入り込むと、炎症が起き肺炎を引き起こすケースもあります。

カビ対策として有効なのが、エアコンの除湿機能です。ただし、注意点があります。
除湿機能を使用すると、エアコンの内部に水分がたまりやすくなるんです。そのまま放っていると、中でカビが生えてしまい、それが風と一緒に部屋の中にまき散らされてしまいます。大事なのは、除湿機能を使ったら、送風モードで15分から30分、内部を乾かすこと。送風でエアコンの内部を乾かすことでカビが繁殖しにくくなるといいます。
「耳の中」もカビが繁殖する

そしてもう1つ、この時期にカビが生えやすい場所が「耳の中」です。
日常生活の中でイヤホンや補聴器を長時間つけっぱなしにしていませんか? 実はイヤホンや補聴器をしていると耳が密閉され、高温多湿な状態に。特に梅雨時期は蒸れやすくなるといいます。さらに耳あかなど栄養分もあるため、カビが好む環境になってしまうんです。

では、耳にカビが生えるとどうなるのか、柊みみはなのどクリニック内藤院長に聞きました。その症状が「かゆみ」「耳垂れ(汁が出る)」「難聴」などです。治療としては耳の中の洗浄などを行いますが、完治するのに1カ月はかかり、最悪の場合、入院するケースもあるといいます。
1~2時間に1度は耳を換気しよう

大切なのが「耳の換気」です。矢口准教授によると1時間から2時間に1回は、イヤホンや補聴器を外し、外の空気を入れるようすると良いということです。さらに、その表面は除菌シートなどでふき取り掃除をしてください。

また、耳掃除を頻繁にしている人もカビに注意です。耳かきで、耳の中が傷ついてしまいイヤホンをしていなくても、そこからカビが生えてしまうかもしれません。耳掃除は月に1度です。綿棒を耳の奥までいれずに2・3回、軽く円を描き拭く程度にしてほしいと話していました。
カビは私たちの体にさまざまな影響を与えます。しっかりと対策をして梅雨を健康に乗り切りましょう。