名古屋のマンションから飛び降りた男が、歩行者の女性を巻き込んで死亡させたとして逮捕された事件。思いもよらぬかたちで命を奪われた女性の両親が取材に応じ、これは「殺人だ」と憤りを語りました。
一瞬にしてあの子がいなくなったと思うと…

稲葉朋来さんは、7月に23歳の若さで亡くなりました。
稲葉さんの父:
「一瞬にしてあの子がいなくなったと思うと、いまだに信じられないですもんね。受け止められていないし受け止められないし。いつもどこかで見て話しかけています、近くにいそうで」
7月19日午前1時ごろ、名古屋・栄で友人と食事をとった後、歩道を歩いていた稲葉さん。隣接するマンションの11階から男が飛び降り、巻き込まれました。

死因は出血性ショック。死亡診断書にはその衝撃を物語るように、頸椎や腰椎、骨盤や大腿骨までも骨折するという痛ましい状況が記されていました。
稲葉さんの父:
「死亡時刻は(午前)5時半ぐらい。事故があってから4時間半後ぐらいですけど、ほぼ即死状態ですよ」
逮捕の男(29) 自らの意思で飛び降りたとみられる

警察は、発生から1か月以上がたった27日、中区の職業不詳・田口伸成容疑者(29)を、マンションから飛び降りた際に稲葉さんを巻き込み、死亡させたとして逮捕しました。
田口容疑者は、転落直後から意識不明の重体で治療を受けていましたが、その後、会話ができる状態にまで回復。
稲葉さんの父:
「何の落ち度もない、ただ友達と楽しく遊んで帰り道を歩いていただけの娘に当たって殺してしまったんだから、殺人だと思っています」
深夜でも明るく人通りの多い場所に、自らの意思で飛び降りたとみられる田口容疑者。
警察は、通行人に衝突する可能性を予見できたにもかかわらず、回避行動を怠ったとして「重過失致死容疑」で逮捕。
両親が望んでいた殺人容疑については、「人が死ぬかもしれない・死んでもかまわない」という“未必の故意”は、現段階では認められなかったとみられます。
警察は、田口容疑者の認否を明らかにしていません。
遺族「11階から飛び降りて人がいたら死ぬと絶対わかっていたはず」

逮捕を受けて、28日に稲葉さんの父は再び現場へ。娘の朋来さんに語りかけたのは…。
稲葉さんの父:
「正直、申し訳なさでいっぱいです。 警察から報告を聞いて娘の前で謝りました。11階から飛び降りて、人がいたら死ぬと絶対わかっていたはずなんですよ。それでもかまわないということを(容疑者が)わかっていたはずだから、そこを司法には認めていただきたいなと思ってます」
突然、帰らぬ人となった稲葉さん。
容疑者が逮捕されても遺族の思いが晴れることはありません。





