洗濯していないエコバッグは菌だらけ 17万個以上の菌が布などで繁殖 除菌や洗濯で食中毒を防げ
暑さ対策に加えて忘れてはいけないのが「食中毒対策」です。菌をつけない、加熱するといった食べ物への対策も大事ですが、盲点なのはエコバッグ。使い方に気をつけないと、菌がどんどん増えて食中毒につながってしまうかもしれません。
菌の増殖を防ぐエコバッグの使い方をお届けします。
洗わずに2カ月使うと、菌の数が180倍以上に!
エコバッグを使うことは環境への配慮として良いことですが、何もせずに使い続けると菌が増えて危険です。エコバッグの菌の数について、こんな調査が行われました。
食品衛生管理のコンサルティングなどを行っているHACCPジャパンが、未使用のエコバッグと2カ月使ったエコバッグの菌の数を測りました。使用前のエコバッグの底には、体積1ミリリットルあたり970個の菌がありました。
2カ月間、使い続けたバッグの菌はなんと17万個以上。使用前と比べると180倍以上まで増えるんです。HACCPジャパンはエコバッグを使い続ける中で、肉や魚の汁、手あかなどがついて菌が繁殖するとしています。菌は目に見えないからこそ、増えていることにも気づきにくいです。同じエコバッグを何もせずに使い続けるのは危険です。
アルミの保冷バッグは菌が繁殖しやすい
また、エコバッグの生地によっても菌の数が違うことが分かっています。福岡県の生活協同組合・エフコープの商品検査センターが綿、ポリエステル、内側がアルミの保冷バッグタイプ、それぞれの菌の数を測りました。最も菌が多かったのは、裏面がアルミの保冷バッグです。次に綿、ポリエステルの順でした。
これには通気性が関係しています。エフコープの担当者によりますと、菌は水分が大好きなので、裏面がアルミや綿の素材だと乾きづらく、菌が増えやすいといいます。一方、ポリエステルは水分をはじきやすい性質があるので、その分、菌が少なくなるんです。ただ、どの生地でも菌が増えるため、汚れた実感がなくてもこまめに洗濯してください。
菌を増やさないためにできること
農林水産省の消費・安全局食品安全政策課の担当者に対策を聞きました。1番は洗濯です。洗濯表示を確認して洗える素材であれば洗いましょう。洗濯頻度の目安としては、3回使ったら1回洗うのがおすすめとのこと。ただし汚れたり濡れたりしたら使った回数に関係なくすぐに洗ってください。
保冷バッグタイプのものは、内側がアルミ素材になっていて、洗濯できないものが多いです。この場合、除菌シートや除菌スプレーなどを活用します。そのあとしっかり裏返して乾かすのがポイントです。
「ものを入れる順番」に注意
洗濯以外にも気をつけてほしい点があります。基本的なことですが、持ち運びは短時間にしましょう。気温が高い環境の中で持ち運ぶ時間が長くなるほど菌は増えやすくなります。また、汁漏れが心配な肉や魚、土がついた野菜はポリ袋に入れましょう。ほかの食べ物に菌がつくのを防ぐためです。そして食材を入れるために、このポリ袋を再利用するのは避けてください。
さらに「ものを入れる順番」にも注意が必要です。冷たいものと温かいものを密着させないように。温かいものによって冷たい食品の温度が上がって傷むのを防ぐためです。手間はかかりますが、袋を分けるのも手です。そしてバッグの中で食品の汁がこぼれないように、硬いものや重たいものほど下に入れましょう。底が平らなものを選ぶと荷物が安定するのでおすすめです。
知らないうちにエコバッグの菌を増やさないよう、清潔に保つことを心がけましょう。