今、名古屋のスイーツ「ぴよりん」が、キャラクターとしても人気を高めています。スイーツの枠を超えて人気を集める背景には、ライセンスを活用した戦略がありました
手作りゆえの課題「1日あたりの製造数に限界」

2026年6月にジェイアール名古屋駅でぴよりんvillageがオープンしました。ぴよりんのグッズや菓子が100種類以上並びます。

大阪から来た女性客:
「SNSで見かけて、かわいいなと思って来ました」
「お土産を買った。ぴよりんのお菓子をたくさん」

ぴよりんは、ジェイアール東海フードサービスが2011年から販売しているひよこ型のスイーツ。

プリンをババロアとスポンジで包んでいます。

柔らかく崩れやすいことが難点でしたが、崩さずに持ち帰る「ぴよりんチャレンジ」がSNSで話題に。

さらに2021年に将棋の藤井聡太氏がぴよりんアイスを対局中のおやつに選んだことから一気に有名になりました。

今では店舗に毎日行列ができていて、早い日は販売開始から1時間ほどで売り切れる人気ぶりです。累計販売数は2025年500万ぴよを突破しました。しかし、さらにビジネスを拡大するには課題があるそうです。

ジェイアール東海フードサービス 越智謙吾事業部長:
「実はぴよりんは、1ぴよ1ぴよ手作りなので、どうしても1日の製造数に限界があります」

ぴよりんを作るのには熟練の技術を要します。プリンをすべて手作業でババロアとスポンジで包み、顔のパーツをつつのせていきます。完成までにかかるのはおよそ7時間。

作ることができる人は限られていて、簡単には製造数を増やすことができないため、スイーツとしての売り上げには限度があります。
弱点を克服する「IPビジネスとグッズ展開」

そこで売り上げ拡大のために目をつけたのがグッズの販売です。しかし、ジェイアール東海フードサービスは飲食に特化した企業。元々グッズを作るノウハウはありませんでした。

まず5年ほど前からライセンスを活用した商品の展開に乗り出すことに。毎年およそ10社ほどのペースでライセンス先を増やして、これまでに70社以上の企業がグッズや菓子を作っています。

さらにジェイアール東海フードサービス自体もグッズの企画や生産を手掛けるように。

特に人気の商品はパティシエの装いのぬいぐるみで、1日50個から80個ほど売れています。

ジェイアール東海フードサービス 越智事業部長:
「関連商品やグッズでぴよりんを感じていただければと思っています。今後もさまざまな関連商品を広げていければと考えています」
カフェやコラボ企画で広がる「ぴよりんの世界観」

ぴよりんvillageにはカフェもあります。ぴよりんのアフタヌーンティーセットなど、ここでしか食べられないメニューが揃います。席数は59席。予約枠が2週間先まで埋まっている状態が続いています。

また、企業や自治体とのコラボも強化。サッカーJ1の名古屋グランパスや名古屋市交通局などに加え、全国的に有名な菓子ブラックサンダーや大手コーヒーチェーンのドトールコーヒーなどともコラボした商品を展開。ぴよりんのIPビジネスを拡大しています。

ジェイアール東海フードサービス 越智事業部長:
「スイーツがキャラクターになったというのはあまりない。両方あわせてぴよりんの世界観を表現できるものかなと思っているので、どちらが欠けてもダメかなと思っています。アパレル系とかコスメとか、違った領域でも今後広げていって、日常生活の中で親しまれる存在になっていけばなと思っています」

日本経済新聞社 名古屋支社 道上拓矢記者:
「ジェイアール東海フードサービスは、スイーツの製造数が限られるという弱点をIPビジネスで克服しています。出張販売などで全国的な認知度を高め、IPビジネスの機会をさらに広げたい考えです」
担当者によると、新店舗がオープンしてから1カ月余りで8つの企業からぴよりんのライセンス契約について問い合わせがあったということです。
またさらに、客からもぴよりんのベビー服などの子ども向け商品展開も増やしてほしいという声が上がっているそうです。靴下などの販売実績はありましたが、新たなグッズ展開、今後の拡大も検討していきたいということです。


