階段で落とした“モバイルバッテリー” 充電したら突然発火… 「少し膨らんだり、充電時に熱くなったりしたら廃棄を検討して」

全国で「モバイルバッテリー」による火事が相次いでいます。
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先週木曜日に発生した東京・杉並区の5階建てマンションの火事では、2階の1室約20平方メートルが焼けたことが分かりました。火は約2時間半後に消し止められましたが男女6人がケガ。火元に住む女性によりますと、就寝中にモバイルバッテリーでスマートフォンを充電していたところ音がし、目を覚ますとバッテリーから炎が上がっていたと言います。
モバイルバッテリーによる火災は、東海地方でも。ことし7月、名古屋の地下鉄鶴舞線・塩釜口駅のホームで、大学生のリュックに入っていたスマートフォン用のモバイルバッテリーから突然、煙が出ました。
(モバイルバッテリーの持ち主・大学生)
「ベンチに座っていて横にバッグを置いていたが、急に音と同時に爆発して、気付いたら火も上がっていた。(モバイルバッテリーは)リュックサックの外側に入れていた。まさか自分の持っているモバイルバッテリーが爆発するとは思っていなかったのでびっくり」
さらにことし8月には、走行中の東海道新幹線「のぞみ」の車内で、乗客が座席背面ポケットに入れていたモバイルバッテリーが発火。警備員が消火器で火を消し止め、ケガ人の報告はないということです。
階段で落とした“モバイルバッテリー” 充電したら突然発火
そこで、名古屋市消防局に聞きました。
(名古屋市消防局 林尚良消防士長)
Q.火災件数は、リチウムイオン電池・機器 増えている?
「令和2年(2020年)では12件発生していたが、令和6年(2024年)になると29件となっている。3倍近く増えているのが現状」
名古屋市内では、リチウムイオン電池が原因の火災件数は、年々増加傾向にあります。
このため、名古屋市消防局はリチウムイオン電池の取り扱いで注意すべきことなどを伝える動画を去年6月に制作しました。
(林消防士長)
「階段で落としたモバイルバッテリー。外部の衝撃を与えられた状態で、家に持ち帰って充電して放置したところ、突然発火して周りの可燃物を燃やしてしまうと」
この動画の再生回数は、1年余りで1700万回を超えています。
目の前でリチウムイオン電池が発火したら?
(林消防士長)
Q.リチウムイオン電池の発火の特徴は?
「熱暴走を引き起こすので、火花火炎を噴き出す。他の物品に燃え移りやすいので、付近に燃えやすいモノを置かないことも対策」
もしも、リチウムイオン電池が目の前で発火したらどう対処すべきなのでしょうか。
(林消防士長)
「まずは大量の水、もしくは消火スプレーをかける。できない場合は避難して様子を見る。収まった後に大量の水が入ったバケツにモバイルバッテリーを入れる。そして119番通報をしていただければ」
また、公共交通機関を利用中 発火に遭遇したら…
(林消防士長)
「突然 発煙・発火・破裂を起こす。大量の水もないと思うので、一度避難してほしい」
まずは、身の安全の確保が最優先です。そして、この先 暖房器具が必要な季節がやってきますが…
(林消防士長)
「暖房器具の周りに置いてしまっても、高温下の環境になってしまうため冬も十分気をつけて欲しい」
また、長期間放置している間に危険な状態になっている場合があるため、日頃の点検が大切だといいます。
(林消防士長)
「少し膨らんだり、充電時に熱くなったりしたら、不燃材のケースに入れて、廃棄を検討してほしい」