自転車事故が多発「魔の時間」 秋から年末の午後5~7時が特に危険 前にライト、後ろにテールライトを

日暮れが早くなるこの時期、注意したいのが交通事故です。
特に気をつけたいのが、自転車がからむ事故。事故を起こさない、事故に遭わないための対策は。
午後5時すぎの名古屋市中区の交差点。
道路を行き交う車の中には、ライトをつけていない車も。
しかしまだ明るいため、車の有無や、遠くから走ってくる自転車の姿は判別できます。
ところが午後6時になると、かなり暗くなりました。
先ほどは姿がはっきりしていた自転車も、ライトが動いているのが見えるだけに。
街の人は…。
「日が落ちるのが早くなったなという印象ですね」
Q:午後6時過ぎでライトをつけていないとどう感じる?
「不安というか、目が悪いと走っているのがわからないので、ライトはつけてほしい」(通行人の男性)
1歳4カ月の子どもを連れた女性は…。
「(ライトが)ついていると、向こうから来るなとわかるけれど、ついていないとすごく見えにくくて、ぶつかりそうになって危ないと思う」
「自分ひとりの命ではないので、ひやっとすることがある」
自転車対歩行者の事故が増える傾向

日が沈むのが早くなると、交通事故も増える傾向に。
愛知県警は9月から12月にかけての午後5時~7時を「魔の時間」と呼んでいます。
「いわゆる『薄暮時間』。薄暗くなる時間と、学校や会社からの帰りの時間が重なり合う」(愛知県警 交通総務課 森本正樹 警視)
なかでも気を付けたいのが…。
「特に自転車は交差点での出合い頭の事故が一番多い。全国的に交通事故・人身事故の件数は減少傾向だが、特に自転車対歩行者の事故は増加傾向にある」(森本警視)
事故を防ぐため、歩行者には反射材を身につけるなどしてほしいといいます。
一方、自転車側にも…。
「薄暗くなる時間なので、ライトを確実に点灯させることです」(森本警視)
自転車は2026年4月から「青切符」が導入されます。
例えば、夜間にライトをつけないと5000円の反則金も。
警察はルールを守って安全に運転するよう、強く呼びかけています。
事故リスクを減らすテールライト

暗くなる時間帯の自転車事故のリスクを減らすには、どうすればいいのでしょうか。
名古屋市中区の自転車販売店は、「自分の存在を周りにアピールすること」が大事だといいます。
「一般的な自転車は、前方にライトがついて後方に反射板がついているが、それだけだと心配なところが出てくる」
「反射板も視認性があるが、視界に入ってこなくて認識できない場合も多い。テールライトと呼ばれる後方への視認性があるライトもあった方が、より自分を認識してもらいやすい」(Circles NAGOYA 柳瀬公識さん)
前後のライトをつけることで、周囲の車や歩行者などに気づいてもらいやすくなり、安全性がぐっと上がるといいます。
ほかにも、自転車用のテールライトは、車体につけるタイプ以外にヘルメットに内蔵されているものも。
こうしたアイテムも、事故に遭うリスクを下げるのに有効だといいます。
「最近は歩道から車道に出て自転車に乗ることが多くなっていると思うので、今まで以上に身の危険を感じている人も多いと思う」
「車に乗っていると、反射板だけの自転車とテールライトがついている自転車とは、認識の度合いは違う。テールライトがついていたらすぐにわかる」(柳瀬さん)
これからの季節に特に注意を

過去5年間に愛知県内であった午後5時~7時の交通事故で自転車の乗り手の死傷者の月別の人数です。
「魔の時間」といわれる9月から12月にかけて、400人を超えています。
特に10月が536人と最も多くなっています。