6月初旬、豊田市にオープンしたのは「café Earth + h.l」です。
店内は、海外から取り寄せたというかわいらしいサボテンなどが並んでいて、自然に包まれた落ち着いた空間です。

目玉商品は、野菜とご飯を一緒に食べるサラダボウル。この地域で採れる食材を使った健康的な一品です。
さらに、店内にはいたるところに本が設置されていて、その数は約1600冊。
お客さんは料理を楽しんだり、読書をしたりしながら、ゆったりくつろいでいます。
おしゃれなカフェに見えますが、実は…。

「café Earth + h.l」原田宏 店長:
「(貸出期間)2週間です。ありがとうございます」
お客さんが本をそのまま持ち帰っていきました。
どのような施設なのでしょうか。
「café Earth + h.l」原田宏 店長:
「カフェと図書館が一体になった場所で、本を借りられるようになっています」

実はここは図書館。社会福祉法人が運営していて、店内で本を読めるだけでなく、会員登録をすれば無料で誰でも本を借りられるんです。
「café Earth + h.l」原田宏 店長:
「普通の図書館よりは入りやすいと思うし、空いている時間に本を読みながらご飯も食べられる」「気に入った本を持ち出せるので、自分の好きな時間に読めると思う」
さらにこちらでは、障がい者などを対象にした就労支援も。スタッフとして仕事経験を積んでもらった後に、企業に就職できるようサポートしています。

近年、スマートフォンの普及などを理由に特に若者の間で進んでいる“本離れ”。
文化庁の調査によりますと、電子書籍も含めて本を月に1冊も読まないという人の割合は60%超え。近年上昇しています。
図書館の利用率も減少傾向です。
そんな中、新たな価値をつけて利用者を増やそうと、このような新しいスタイルの図書館が増えているんです。

特徴的な図書館は他にも。
今年4月に古くなった市役所をリニューアルしてできた、伊賀市の図書館。
奥の方へ進んでいくと…。
船谷ホールディングス・船谷哲司 代表:
「こちらは図書館とホテルが一体になった空間です」
図書館の上の階にあるのは、なんとホテル。

案内してもらったスイートルームは80平米を超える広さです。ただ宿泊するだけでなく図書館で借りた本を部屋でゆっくり読んでほしいとゆったりとしたつくりを意識しています。
市役所からのリニューアルということで、当時と同じものを再利用する遊び心も。
さらに図書館ならではのサービスが。

船谷ホールディングス・船谷哲司 代表:
「宿泊予約時にリクエストいただくと、図書館の本が読めるサービスがあります」
自分好みの本を選んで用意してくれるということです。
こうした取り組みが話題を呼び、4月の図書館の来場者数はリニューアル前の約7倍に増加。ホテルで連泊する客も少なくないということです。
日本図書館協会の植松理事長は、図書館の役割が変わりつつあるといいます。
日本図書館協会・植松貞夫 理事長:
「図書館は今まで本を読むとか勉強する場所だったが、そこに集うとか出会いとか語らいとか、そんな要素を図書館に取り込もうと」

本離れが進む中、図書館は地域の“居場所”の役割を担って、利用者拡大を図っています。


