永遠のテーマである「賃貸と持ち家、どっちが良いのか?」。
名古屋証券取引所とテレビ愛知が共同で運営するYouTubeチャンネル「あしたのマネー」に、フィナンシャルプランナーの鳥海翔氏が出演、このテーマを具体的な数字を使って解説しました。
番組の冒頭、SKE48の松本慈子さんと岡田愛マリーアナウンサーの間で、お互いの住みたい家について意見が分かれました。
松本さん: 「私は圧倒的に賃貸です。何千万円、何億円も払ってまで、生きている間にそんなに家に住むのかなと。払い切れるのかなと思った時に、別に賃貸でも暮らし的に満足かなと思っています」
岡田アナ: 「私は住む場所として考えつつ、家は資産でもあるという考え方なので、数年前にマンションを購入しました。持ち家です」
3000万円の家は、3000万円では収まらない?

鳥海さんは、例えとして月10万円の家賃の家と、3000万円で購入する家を比較しました。3000万円を月10万円の家賃で割ると25年になるため、「25年以上住むなら買った方が得」という単純計算になりますが、ここには落とし穴があると鳥海さんは解説しました。
鳥海さん: 「3000万円の家は、3000万円では収まらないという話なんです。もしキャッシュ(現金)でポンと買えるならまだいいですが、実際はローンを組むわけです。もし3000万円のローンを35年、金利1%で組んだ場合、35年間で払う金利は550万円くらいです。この時点で3550万円になります」
さらに、家を維持するためのさまざまな費用がかかってきます。
マンションと一戸建てにかかる「隠れたコスト」

鳥海さん: 「マンションの場合、毎月かかっているものがあります。管理費、駐車場代、そして修繕積立金です。最初は合計3000円などと安くても、年を経るにつれて上がっていき、毎月2万円くらいかかることも普通にあります。これを50年間住み続ける前提で計算すると、24万円×50年で1200万円になります」
一戸建ての場合も、修繕費が必要です。
鳥海さん: 「戸建てで築50年の家だと、屋根や外壁、水回りなどを修繕しなければいけません。結構高くて、例えば15年ごとに300万円かかったりします。これが50年間なら3回くらいあるので、900万円くらいかかります」
その他にも、どちらの場合でもかかる費用があります。
鳥海さん: 「固定資産税が年間10万円かかってくるとすると、50年間で500万円。あとは火災保険です。マンションの場合は安くて年間1万円として50年で50万円。だけど戸建てだと木造の家が多くて燃えやすいため、年間5万円くらいが普通で、50年続くと250万円の費用がかかってきます」
これらをすべて足し算すると、マンションの場合の総額が出ます。
・家の価格:3000万円
・ローンの金利:550万円
・管理費や修繕積立金など(50年分):1200万円
・固定資産税(50年分):500万円
・火災保険(50年分):50万円
合計:5300万円
50年間の合計で比較すると?

3000万円だと思っていた家が、50年間で5300万円になることが分かりました。
一方、家賃10万円の賃貸に50年間住み続けた場合は、10万円×12カ月×50年=6000万円となります。
鳥海さん: 「確かに50年住むことを前提に考えると、賃貸の方が700万円高いですが、50年間ずっとこの家に住み続けるのかという問題があります。賃貸は引っ越しができると考えられます」
家を買うときは子供がいる4人家族を前提にすることが多いですが、子供が大きくなって出ていくと、子供部屋が余ってしまいます。持ち家の場合はそのまま住み続けることが多いですが、賃貸であれば、夫婦2人になったときに、もっと便利な場所の月8万円の家に引っ越すことも可能です。
また、資産として購入した岡田アナは、現在の悩みを次のように話しました。
岡田アナ: 「マンションを購入したのですが、最近は金利も上がるし、マンションの価格も上がっています。しばらくは資産運用も兼ねて、ある程度のところで売って住み替えればいいかと思って買ったのですが、今売却したら値上がりしているけれど、他の物件も値上がりしています。改めて住宅ローンを組もうとしても違う条件なので、どのタイミングで売っていいかが分からなくなっています」
結論:お金で決めるな!

鳥海さんは、賃貸か持ち家かは金額だけで決めるべきではないと結論づけました。
鳥海さん: 「結論を言うと、金額だけでは決められないと僕は思っています。持ち家と賃貸の圧倒的な違いは何だと思いますか? 持ち家じゃなきゃできないこと、賃貸じゃなきゃできないことは何でしょうか」
岡田アナ: 「持ち家だからできることは、ついのすみかにできること。自分が死ぬまでここにいられる、出て行けと言われない、自分の居場所があることです」
松本さん: 「(賃貸は)転々と移動できること。住む場所を簡単に変えられることです」
鳥海さん: 「賃貸がいいのか持ち家がいいかの問題は、金額ありきで考えるものではなく、まず自分がどういう生き方をしていきたいのかです。例えば、自分は地元に根付くと決めて、一生ここで地域社会に貢献していくのなら、移動できるメリットはどうでもいい話になって、自分の居場所を決めることに価値を感じます。
一方で、これから自分はどんな可能性だってあるし、別にここに留まり続ける必要性もない、東京や沖縄、外国に住んだっていいと思うなら、家を持っていたら鬱陶しかったりします。ですので、お金系のチャンネルなのに、お金で決めるなという結論です」
鳥海さんは最後に、「持ち家にするならその中でお得に買う方法はあるし、賃貸にするとしても、お得な方法はある。そういう方向性で考えていかないと、納得感のある答えは一生出ない。買ったなら買った上で、今できる選択は何なんだろうかと考えていくステップを追っていくのが大切です」と締めくくりました。


