ホットケーキやたこ焼き食べてアナフィラキシーショック「パンケーキ症候群」原因はダニの繁殖 対策を解説

高温多湿となる時期に意外な健康トラブルに注意が必要です。それが「経口ダニアナフィラキシー」、別名「パンケーキ症候群」です。どのような症状が出るのか、また対策方法について調べました。

藤田医科大学ばんたね病院アレルギー総合科の矢上晶子教授によると、経口ダニアナフィラキシーはダニを食べることによって起こる強いアレルギー反応のこと。家に置いてあるホットケーキミックスやお好み焼き粉、たこ焼き粉などミックス粉の中でダニが繁殖し、そのまま食べてしまうことがあるんです。
ちょっとした隙間からダニが侵入

愛知県衛生研究所の長谷川晶子さんは、服についているダニが袋を開けた瞬間に入ってしまったり、部屋の中にいるダニがちょっとした隙間から侵入したりするといいます。ミックス粉にはアミノ酸やたんぱく質、糖などが含まれていて、これらがダニの餌になり、粉の中でダニが繁殖しやすくなってしまうのです。

ダニは気温20度から30度、湿度60%以上の環境を好み、梅雨の時期から夏にかけて急激に繁殖するため、いまの時期はより注意が必要になります。さらに、大量に繁殖していてもダニは0.3ミリから0.4ミリと非常に小さく、肉眼で見ることができないため私たちが気づくことは難しいのです。

しかも、ダニの死骸にもアレルギーを引き起こす成分(アレルゲン)は残ってしまいます。矢上教授によると「火を通して調理をしても、アレルギーを引き起こす危険性は変わらない」といいます。
腹痛や蕁麻疹、呼吸困難など食後30分以内に症状が現れる

経口ダニアナフィラキシーを発症した場合、腹痛やじんましん、呼吸困難などの症状が現れます。アナフィラキシーショックを起こし、命にかかわるケースもあるといいます。食後30分以内に症状が現れることが多く、矢上教授は「異変を感じたらすぐに病院に行くようにしてほしい」と話していました。
開封後は必ず冷蔵庫で保存を

まず基本は、開けたミックス粉はその日のうちに使い切ることが大切です。ただ、使い切れないこともあります。そんなときに大切なのが「保存場所」です。
ミックス粉の常温での保存はNGです。商品の裏の表示を見ると書いてありますが、開封後は必ず冷蔵庫で保存するようにしてください。愛知県衛生研究所の長谷川さんによると、温度を下げることで、ダニの増加を防げるといいます。

また、矢上教授は「しっかりと密閉することも大切」といいます。少しでも隙間があると、そこからダニが入り込んで繁殖してしまうことがあるんです。そのため、プラスチック製の密閉容器などでしっかりと密閉したうえで冷蔵庫・冷凍庫に入れ、1カ月以内で使い切るようにしてほしいと話していました。大切な健康を守るためにも粉製品の保存方法を、見直してみてはいかがでしょう。
※使用前に、商品パッケージに記載されている保存方法をご確認ください。