北朝鮮に拉致された被害者のうち5人が帰国して2026年10月15日で24年です。しかし、今も拉致被害者全員の帰国はかなっていません。
2002年10月15日飛行機を降りてきたのは…北朝鮮に拉致された被害者の5人です。政府が認定しているだけでも拉致被害者は17人。そのうちの5人が24年ぶりに日本に帰国しました。
蓮池薫さん(2002年):
「両親の元気な姿を見て、本当にうれしい限りです」
2026年10月6日、高市早苗総理は、北朝鮮に拉致された横田めぐみさんの弟の拓也さんらと面会しました。この場で、拉致被害者の早期帰国に向けた決意を語った高市総理。2026年2月には。
高市早苗総理:
「金正恩委員長と首脳同士で正面から向き合う覚悟をいたしております」
高市総理は、金正恩総書記との首脳会談に意欲を示しています。
日朝首脳会談は実現するのか?さらに、全面解決するためには何が必要なのか?北朝鮮情勢に詳しい、龍谷大学の李相哲教授に話を伺います。
【拉致問題の打開策】鍵を握る米朝関係の進展 経済支援を担う日本の役割とは

長期化する拉致問題の打開策について、龍谷大学の李相哲教授は「米朝関係の改善が前提条件になる」と指摘します。
北朝鮮が求める経済支援を実行できるのは日本であるため、米朝関係が進展した段階で北朝鮮側から日本へアプローチをかけてくる構造があるためです。
【米朝首脳会談の可能性】実現確率は49%と予測 対話不発なら米国の圧力強化も

ーーまずは米朝の関係がということですけれど、もう一つ考えられるのが逆にアメリカが圧力をかけるというふうに李さんが事前の取材でお答えいただいたと思うのですが、これ今のところは2つのシナリオどっちに傾きそうですか?
龍谷大学 李教授:
「今のところ読めないのは米朝首脳会談があるかないかなんですね。ですからこれが不発に終わって、それから米朝首脳会談が不発に終わり、アメリカが朝鮮半島の非核化を力強く進める方針を強めた場合、もしかして軍事行動を起こすとなれば北朝鮮は困って日本に泣きついてくる可能性もあるのです。なぜかと言うと、日米関係が緊密であれば日本を説得して軍事行動をやめてほしいということで日本に泣きつく可能性はあります」

どちらのシナリオになるのかアメリカそして日本が双方ともに大切だとは思うのですが、アメリカのトランプ大統領が意欲を示す米朝首脳会談の実現可能性について、李教授は「実現の確率は50%を下回り、やや低い(49%程度)」と予測します。
金正恩総書記が即座に応じる国際環境にないことがその理由です。また、対話が不発に終わりアメリカが軍事・経済圧力を強化した場合、日本との関係を通じて牽制を図るべく北朝鮮がアプローチを試みるシナリオも考えられます。
【日朝外交の展望】日米連携の強化が不可欠 2026年11月のAPEC首脳会議が節目に

ーーとなると、米朝首脳会談は李さんが予想するのは少し低めということで、そうなると日本も日朝首脳会談に意欲的だという今の姿勢なのですが、この開催というのも実現する可能性としては、いかがでしょうか?
龍谷大学 李教授:
「残念ながら、北朝鮮がアメリカをさておいて、日本と先に話し合うということはないと思います。ですから順番からしますと、アメリカとの関係で何か決定的な変化があって、その次に来るのが日本だと思うのです。ですから日本はアメリカとの連携をより強化して、そして北朝鮮に圧力かけるなり、あるいは北朝鮮との関係を改善するなり、というような方向性を決めてトランプ大統領にお願いするのが現実的だと思います」
ーー拉致被害者の方、そしてそのご家族は本当に長い間待たされ続けてきて、まだまだその解決の道のりは少し先ということになるのでしょうか?
龍谷大学 李教授:
「北朝鮮がアメリカに先立って日本と優先的に交渉を行う可能性は極めて低いとみられています。日本側としては日米の緊密な連携を堅持しつつ、北朝鮮への対応方針を共通化することが現実的なアプローチとなります。」
拉致被害者家族の早期帰国が切望される中、2026年11月に開催されるAPEC(アジア太平洋経済協力)首脳会議の前後で外交的な動点が生じるかどうかが今後の重要ポイントとなります。
2026年11月のAPEC首脳会議前後が、今後の情勢変化を見極める一つの節目となりそうです。


