最新の物流センターに迫るシリーズ「潜入!巨大物流倉庫」です。物流の需要が拡大する中、倉庫では、自動化が進んでいます。5月に稼働を始めた最新の物流センターにカメラが初潜入です。
2メートル超のコーンから2400種類のスパナまで、幅広い在庫の理由

北名古屋市で5月、稼働が始まった機械工具の卸売商社「トラスコ中山」の物流センター。延べ床面積はおよそ9万平方メートル。バンテリンドーム ナゴヤおよそ1.8個分の広さです。中を覗いてみると、ホームセンターやネット通販などに卸す工具や資材、およそ62万種類の在庫が置かれていました。中には、こんな変わった商品も。

トラスコ中山 物流本部 中山達也本部長:
「当社最大のコーン、ジャンボコーン。これが2メートル10センチ。視認性が非常に高いので、広い建設現場やマラソンの折り返し地点などでも、実は使われています。年間10本だったり20本だったり、少ない時だと数本だったりということもあります」

さらには、こんな商品も。
トラスコ中山 物流本部 中山本部長:
「いろんなサイズのスパナを集めたものなのですが、一番大きいものがあります。造船業なんかで、ボルトの締結などで使われるものです」
スパナは精密機械サイズ、普通サイズ、造船現場サイズと比べると、大きな差があります。スパナの在庫だけでも2,400種類あります。ただ、注文は年に数本程度だと言います。

トラスコ中山 物流本部 中山本部長:
「必ずしもそんな量が出ないものでも、幅広く在庫として置くことで、トラスコだったら、きっと在庫あるんじゃないかといった期待を持っていただくことを大切にしています。物流センターの広さ、収容能力が必要になるため、ロボットや収納機器を使って、収納効率をとにかく上げていくことが必要になります」
35人分の作業を代替する「バケット自動倉庫」とロボットが走る「AutoStore」

その収納機器の一つが、バケット自動倉庫。40列ある棚に、ぎっしりと在庫のコンテナが詰まっています。その数、およそ5万5,000個。棚と棚の間に設置されているのが、コンテナを自動で運ぶクレーン。その動きを見てみると、自動で運び出されたコンテナは、ピッキング担当のスタッフの元までコンベアで運ばれます。スタッフが棚を探し回ったり、重い荷物を持ったりしなくてもよく、この設備だけでおよそ35人分の作業を担っています。

さらに、収納効率を追い求めたのが、100台のロボットが走り回る「AutoStore」です。天井近くまでジャングルジムのような棚が置かれ、通路もない棚の中に、10万個のコンテナが入っています。ロボットはその上を縦横無尽に走行します。

トラスコ中山 物流本部 中山本部長:
「下の段のところの商品を取り出すときに、ロボットが上からワイヤーを下ろして、箱をつかんで取り出していく。1段取り出し、2段取り出しとやりながら、最下段のところまで取り出すということが可能です。通路が必要なく、これだけぎっしり詰められる。高頻度で出るものほど、自然と上段の方に商品がくる。こういう仕組みになっているため、高頻度なものは掘り起こす時間がそれほどかからず取り出すことができます」

取り出されたコンテナが向かった先は、ピッキングステーションです。スタッフが注文に応じ、出荷用のコンテナに移し替えています。画面を見ながら作業しています。
入社1年目の担当者:
「画面にすべて指示を出してくれるので、慣れてない人でもすごく簡単にできます。体力もそこまで使わないです」

画面には、コンテナのどこからいくつ商品を取り出すかなどの情報が、分かりやすく表示されています。その指示に応じ、指にはめたバーコードリーダーで商品をスキャンして在庫を管理しています。
入社1年目の担当者:
「指にはめたままできるので、多分コンビニとかのバーコードリーダーを読み取る場合だと、右手がふさがってしまうと思うのですが、これをつけながら、カッターを持って、段ボールを切ることもできるので、すごくやりやすさはあります」
最高時速14キロで駆け抜ける最新ロボット「Skypod」の導入

「AutoStore」では、1箇所のピッキングステーションで1時間あたり120回、コンテナを出し入れできると言います。さらにスピードを求め、初めて導入されたものもあります。それは、7月から稼働する「Skypod」です。ロボットの動きを見てみると、ロボットが自動で棚を駆け上がって、目的のコンテナを取り出し、ピッキングステーションまで運びます。

最高時速はおよそ14キロ。ぶつかりそうに感じますが、システムがすべてのロボットの現在地を把握して、制御しているほか、センサーが障害物を検知すると、自動でブレーキをかけてぶつからないようになっています。1箇所のピッキングステーションで、1時間にコンテナを出し入れできる回数は190回。ピッキング作業を迅速に行うことができます。

トラスコ中山 物流本部 中山本部長:
「夕方の締め時間間際、すぐにでも出荷を出さなきゃいけないというような時に、こうした機器のスピードは、非常に大きな強みとなってきます」
この物流センターでは、出荷作業のおよそ7割で、ロボットなどによる自動化が進んでいます。

トラスコ中山 物流本部 中山本部長:
「これから先を見据えた時に人手不足がもっともっと深刻化していく中では、今の業務レベルを維持するだけでも、人手に頼ると難しいので、自動化をさらに進めることでこれから先もずっと、日本のモノづくりのお役に立つ会社でありたいです」
トラスコ中山の出荷作業のおよそ7割は、ロボットなどが担っていますが、トラスコ中山物流本部の中山本部長は「すべてを自動化することはまだ難しい。最新設備を導入して自動化の割合をもっと上げていきたい」と話していました。


