過去5年で約600件発生 暖房器具の事故に注意 盲点はアロマオイル対応加湿器・ペット・ロボット掃除機

11月に入って朝晩は気温が下がり、そろそろ暖房器具を使い始める時期になりました。暖房器具は「去年使えたから大丈夫」と思っていると、思わぬ事故につながるおそれがあります。
NITE=製品評価技術基盤機構によりますと、2020年~2024年までの5年間に暖房器具による事故は596件確認されています。今回は「暖房器具の点検と使い方の注意点」について調査しました。
電源コード・電源プラグ、コードに破れや亀裂がないかチェック

まずは電気ストーブやこたつなどの電気暖房器具です。チェックしてほしいのが「電源コードと電源プラグ」です。コードに破れや亀裂がないか、プラグに変形や変色がないか確認してください。もしコードに異常があると、火が出てしまうことがあるんです。

プラグが変形した状態で使い続けると、プラグとコンセント内部の金具との接触が悪くなり、発火する危険があります。異常がある場合は、修理に出したり、買い替えたりしましょう。製品内部の配線やヒーターとの接続が悪くなると外側に変化が現れることがあります。本体に変色や変形がないか確認しておきましょう。
また、転倒時オフ機能がちゃんと働くか、リコール対象製品かどうかのチェックも忘れずに。
延長コードやたこ足配線でつなぐのはNG

次に使うときの注意点です。電気ストーブを延長コードやたこ足配線でつないで使っていませんか? 実はそれ、NG行動です。電気ストーブの消費電力は800W~1000W。たこ足配線などが耐えられる消費電力は合計1500Wまでというのが一般的なんです。そのため、電気ストーブと消費電力700W以上の他の機器を同時に使うと一気に容量を超え、コンセントの根元が熱を持ち火が出る危険性があります。暖房器具は壁のコンセントに1つずつつなぐと安心です。

続いて石油ストーブなどの石油暖房器具です。まずチェックが必要なのが「ほこり」です。空気の通り道にほこりがたまっていると空気の通りが悪くなり、異常燃焼による事故につながるおそれがあります。ほこりそのものが燃える危険性もあるので、しっかり掃除をしておきましょう。

ほかにも耐震自動消火装置が正しく作動するか、給油口のふたが確実にしまり漏れないかもチェックしてください。
アロマオイル対応の加湿器と一緒に使うのは危険

そして意外と知られていない注意点がもう1つ。アロマオイル対応の加湿器やディフューザーと石油ストーブを一緒に使う場合です。
乾燥が気になるから加湿器を使用する人が多いかもしれませんが、東京理科大学火災科学研究所の松山賢所長は「水だけの加湿器は問題ないが、アロマオイルを使う場合は注意が必要」といいます。

アロマオイルを入れて加湿器を使うと、水蒸気と一緒にオイル成分が空気中に広がります。そのオイル成分を石油ストーブが取り込んで燃やしてしまうこともあり、思わぬ火災につながるおそれがあるということです。
壁やカーテン、可燃物からは十分に離して使用を

さらに暖房器具を安全に使うためには、種類に関係なく、共通して気をつけたいポイントがあります。壁やカーテンなどの可燃物から十分に離して使うことです。例えば電気ストーブの場合、前方と上方は1メートル以上、側方は30センチ以上、後方は4.5センチ以上離してください。

そして、ペットやロボット掃除機にも注意が必要です。ペットやロボット掃除機が暖房器具のそばに燃えるものを運んでしまう可能性があります。家の中にいても目が届かないときは、暖房器具の電源を切っておくことが大切です。
暖房器具を使うときはしっかり安全を確認し、安心して暖かい冬を過ごしましょう。





