新年度、ランドセルが心身の負担になる「ランドセル症候群」が問題となっています。重すぎる荷物が引き起こす肩こりや精神的不調を防ぐため、専門家が推奨する「体への負担を減らす背負い方」や「荷物の詰め方のコツ」などを詳しく解説します。
心身に影響を及ぼす「ランドセル症候群」とは何か?

まずこの「ランドセル症候群」とは一体何か。長年、ランドセルの重さが児童に与える影響について研究をしている、大正大学の白土健名誉教授にお話を伺いました。
「ランドセル症候群」とは、体に合わない大きさや重さのランドセルを背負って通学をすることで、肩や腰の痛み、筋肉痛といった身体的な不調を感じてしまったり、それに伴って通学が憂鬱になる精神的な不調を感じてしまったりすることです。
これをこのまま放置すると、身体面では肩こりや腰痛の慢性化、そして姿勢の悪化。さらに精神面では、体の痛みや疲労に伴う不登校に繋がってしまう可能性もあります。
20年前の2.7倍に増えた教材。大人なら12kg相当の負担

ちなみに、学校用品メーカーのフットマークが行った調査によると、通学をする時のランドセルが重たいと感じている小学生は、全体の約9割にも上ります。
昔に比べるとタブレットも追加されていて、教科書のページ数も増えています。文部科学省の調査によると、小学校の教科書のページ数が20年前の2.7倍になっているということなんです。こうしたこともあって、最新の調査によると、荷物を入れたランドセルの重さ、平均3.94kgと重くなっています。

例えば、この重さのランドセルを小学1年生(体重20kg)の子が背負った場合、これを成人男性に換算してみるとどういう重さになるのか。その重さを再現したですね、籠を用意して背負ってもらいました。実際に小学生だと4kgですが、その重さの体感が大人になるとどう感じるのかという実験です。
その結果、「結構ミシミシ言っています。相当肩に来ます。前傾してないと持っていかれちゃいます。倒れてしまいます」との感想が出ました。籠の重さがおよそ12kgあるからです。2Lのペットボトルが6本分入っています。
つまり、かなり重たいということです。ただ、これはあくまで平均値での計算で白土教授の調査によると、荷物が重い時はなんと6kg以上になるそうです。これを成人男性に換算すると、18kgの荷物に相当します。

負担を和らげるために何か方法はあるのか取材をしてきました。白土教授によると、ランドセル症候群になる可能性があるのは、荷物が入った状態で3kg以上の荷物(ランドセル)になる時だそうです。これを踏まえてランドセルは、ランドセル自体の重さが1kg前後、そして肩ベルトのクッション性があるものを選ぶと無理なく背負えるということです。
すでに持っているランドセルでできる「負担軽減」のコツ

ただ、すでに購入しているものから買い換えるとなると、体への負担は減ってもやっぱりお財布への負担は増えてしまうということなので、すでに持っているランドセルで実践できることを紹介していきます。
まずはランドセルの背負い方です。ランドセルが背中に密着するように背負うことで、背中への負荷が分散すると言います。さらに最近は胸・腰ベルトもあります。胸や腰につけるベルトを使って、背中に隙間ができないように固定するのも手だそうです。
そして荷物の入れ方にもポイントがあります。それは荷物の重心を体側にすることです。重たい荷物を背中側、例えばタブレットや教科書といったものを背中側に入れて、ハンカチや水筒など軽いものを外側に入れるようにすると、荷物の重心が体に近づくので、肩や腰への負担を減らすことができるそうです。小学生の皆さん、そして保護者の皆さんもこうした対策を参考にしてみてください。


