警察への持ち込みが増加「誤配送の宅配物」 「字」名が不記載、事業者の問い合わせ先が未記入

近年、愛知県では、警察署に落とし物として持ち込まれる配達物が増えているといいます。そのワケは―。
今愛知県で、誤配送の宅配物が落とし物として警察署に持ち込まれるケースが激増しています。
Q.誤配送による落とし物は増えている?
「(一宮警察署では)令和6年度(2024年度)は122点で、令和5年度(2023年度)に比べ約1.9倍に増えている」(愛知県警一宮警察署 伊藤暢高 会計課長)
一宮警察署では落とし物の宅配物が増えていて、去年は3日に1個以上届くぺースに。
しかもその大半が、特定の通販サイトのものだといいます。
愛知県全体を見ても、受取人不明として警察に持ち込まれたこの通販サイトの宅配物は、2019年は30個だったのに対し、去年は1147個で約38倍に激増しています。
その原因が「置き配」です。
「置き配」トラブルなぜ

「置き配」は、宅配業者と対面することなく、玄関前や宅配ボックスなどあらかじめ指定した場所に荷物を届けてくれるサービスです。
ウルフィアプリで置き配サービスを利用しているかアンケートをとったところ、3割以上の人が「利用している」と回答しました。
一方、街で話を聞くと、トラブルにあったと話す人も少なくありません。
「違う人の荷物をうちあてに『宅配ボックスに入れました』という案内があった」
「区画調整で住所がまだグーグルマップとかで出てこない状態だったので違う家に届いてしまって」(置き配利用者)
住所や宛名の確認を直接することなく配達されるため、知らない荷物が手元に届くことに。
「配送伝票を確認すると住所の町名のあとに続く「字」名が不記載になっていて住所が正確でないことで誤配送が起きているものと思われる」(伊藤 会計課長)
なぜ警察署に持ち込まれる?

ただ、誤って配送されたら、発送元の通販サイトに問い合わせれば解決するようにも思うのですが、なぜ、警察署に持ち込まれるのでしょうか?
「配達された荷物に発送元の事業者の問い合わせ先が記入されていない」(伊藤 会計課長)
警察への持ち込みの大半を占める、この通販サイトの宅配物には、返送先や連絡先の記載がないため、返送に困った人が、警察に持ち込んでいるのです。
「やはり受付にも時間がかかりますので業務量としては増えております。警察署の保管場所には限りがありますし、配送を依頼した方に早く届くよう発送元の事業者に回収していただきたい」(伊藤 会計課長)
ただ警察がこの通販サイトに問い合わせても、「新しいものを購入者に送る」として、返送を断られているといいます。
メ~テレは2週間前から、この通販サイトに実情を問い合わせていますが21日までに回答はありませんでした。
警察は、改めて通販サイトで商品を購入する際、郵送先の住所を詳細まで入力し、確認するよう呼びかけています。