
米が相互関税上乗せ分の90日間停止を発表 ”トランプ発言“に振り回される株価 東海地方への影響は?

トランプ大統領は、わずか半日あまりで方針転換。相互関税の上乗せ分を90日間停止することを発表しました。これによる東海地方への影響を取材しました。

「名古屋証券取引所前です。日経平均株価は取引開始から上昇し、現在は2600円以上値上がりしています」(メ~テレ 井上裕衣 記者)
9日大きく値下がりした日経平均株価は「相互関税」の上乗せ分が90日間停止されたことを受け、10日は一転して大幅に上昇。トヨタ自動車をはじめとする自動車株や、東海地方の主要企業も急反発しました。
10日の終値は、9日に比べ2894円高い、3万4609円でした。
この状況に明るい表情も見せる人も。
「きょう日経も上がるだろうと期待しています。発言は短期的には振り回されるけれど、トランプさんも経済的にはよくしたいと、アメリカの経済がよくなれば日本の経済もよくなって上がっていくんだろうなと」(60代)
街の反応は?

”トランプ発言”で株価が乱高下することになり、街の人はーー
「私はトランプさんらしいなというか、どっちつかずというか、信用ならないから『やっぱりな』という感じはします。一番上司にしたくないタイプ」(60代)
急な方針転換に戸惑う声が上がるなか、心配なのは生活への影響です。
「関税(引き上げ)も大変だが、国内でもいろんなものが値上がりして(生活に)響いていると思う」(60代)
「車産業なので愛知も。やっぱり影響してくるのかな。お給料とかに」
Q.NISAはやっているか
「やっています。(株価が)どうなるんだろうなというのはありました」(20代)
「生活が大変です本当に。スーパー行くたびに値上がりしている。100円、200円すぐ上がっている。下がっているものは何もない」(70代)
輸出の4割がアメリカを占める企業では…

相互関税の上乗せ分の発動を前に東海地方でも影響を心配している企業があります。三重県四日市市にある従業員30人ほどの大豆食品メーカー「ミナミ産業」。
ナノバブルを使った独自の技術で、大豆特有の臭みを和らげた大豆加工品が海外市場で人気に。大豆ミートや長期保存できる豆乳などをアメリカやヨーロッパなどに輸出しています。ほかにも果物やコメなど地元の生産品の輸出に関するコンサルタント業も行っています。
相互関税が発動されれば、会社にとってかなりの痛手だといいます。
「(輸出が)一番多いのはアメリカ・香港などいろんな国に送っているが、多いのはアメリカです。(輸出は)30カ国くらいやっていて4割くらいをアメリカが占めている。アメリカは我々の依存度も高いし、これまで関税が低かったのでその分ギャップが大きいのでショック」(ミナミ産業 南川勤 社長)
社長によると、日本への相互関税24%が発動された場合、アメリカでの売り上げは3割ほど減るとみています。
そして10日になって発動を90日間停止するという突然の発表。「トランプ関税」に翻弄される状況は続きますが、ひとまず準備の時間ができたと胸をなでおろしています。
「(一時停止は)少しほっとしていますがその間に対策というのを冷静に焦らずちゃんと見極めていく必要があるなと。どう変わっても対応できる対応力、逆境力というか、それを中小企業は持っていないといけないなと」(南川社長)
アメリカに生産拠点を作ることは、会社の規模的にも現実的ではないため、別の輸出先の模索や競合しにくい商品の開発などを進めたいとしています。
「(政府は)変化をチャンスに変えられる支援などをしていただけたらありがたい」(南川社長)