猛暑でニワトリが“夏バテ” 死んでしまう個体も 秋の“お月見シーズン”で卵の需要増える一方…12月まで価格このままか

身近な食材の価格が高止まりしています。私たちの生活に欠かせない「卵」の価格は、今後どうなっていくのでしょうか。
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愛知県岡崎市の「太田商店 らんパーク」では、ブランド卵の販売やレストランも展開。そのほか…
(太田商店・原祥雅社長)
「ここは店の観賞用に子どもたちが楽しんでもらえるように、ニワトリがおります。岡崎おうはんと烏骨鶏がいる」
実は、ことし8月の取材では…
(原社長)
「口をパカパカあけて呼吸をハーハーしていると、体が熱でやられてきているなと感じる」
さらに、養鶏場で育てる多くのニワトリも猛暑で“夏バテ”。
(原社長)
「夏場になって100羽単位で死んでいるところはたまにある。体力がないのに卵を産んだら自分も死んじゃう。先に卵を産む行為が止まる」
暑さで去年の約4倍(同時期比)死んでしまった…
太田商店は、暑さ対策で冷たい井戸水を鶏舎の屋根にまいたり、与える水に重曹、カリウム、ブドウ糖、それにビタミンを含むサプリを混ぜ、“ニワトリの健康対策”に追われました。
あれから2か月あまり…
(原社長)
Q.暑さは落ち着いたが、卵はどうですか?
「ことしは本当に暑かったので、ニワトリもバテてしまって、卵のサイズが小さくなった子もたくさんいた。その中でも、かわいそうな子は死んでしまった」
ことし7月~8月にかけて、養鶏場の約2000羽が暑さで死んだといいます。これは去年の同じ時期に比べると約4倍の数。暑さは大きく影響し、1日13万5000個ほどの卵を出荷していたのが、夏の期間は12万個台に落ち込んだこともあったそうです。
(原社長)
「夏場で死んでしまったニワトリの数は増やせないので、その分、卵は減っているのかなと」
秋の“お月見シーズン”で卵の需要増えるも…
夏の影響はいまも続いています。秋のお月見シーズンということで、外食産業などが卵を月に見立てたメニューを充実させるということもあり…
(原社長)
「需要がすごく増えているので、卵は取り合いになっているのかなと」
Q.需要が多い割には供給が追いついていない?
「(需要と供給のバランスが)戻り切れてない」
「JA全農たまご」によりますと、名古屋地区のMサイズ1kgあたりの平均価格は、9月は331円と去年より70円ほど高くなりました。
(50代女性)
「高いですよね。(卵は)だし巻き卵やお弁当にも使うので、家計的にも厳しい」
(30代女性)
「スーパーで12個入りで、数年前は100円で買えたが、今は300円とか400円のときもある」
Q.高くても卵は欲しい?
「欲しい。(卵が)あったほうが人生が楽しい」
12月までは価格このまま?
これから12月のクリスマスシーズンに向かって、卵の需要が減ることは考えにくく、この先の卵の価格は?
(原社長)
「12月までは下がることはないと思う、現状維持か上がると思う。(卵を)たくさんつくって売っていたころは、“物価の優等生”だったが、今は色々なことにコストがかかる」
優等生と言われていたのは昔のこと…そうならないでほしいと思いますが、卵を取り巻く環境は、年内は厳しいままと予想されます。