地元ではない名古屋での子育てに不安や孤独を感じた経験から、2人の母親がフリーマガジン『olmo.(オルモ)』を発行しています。“ママたちがママ友に会える場所を”という想いを原動力に、自ら取材や営業に奔走する活動を追いました。
■ママに役立つ情報を…手掛けるのは2人の母親
名古屋で毎月発行されている情報誌『olmo.(オルモ)』。愛知県内のおよそ200カ所で無料で配られ、入園式・卒園式のコーディネートや、育児あるある、地域の習い事で活躍する人にフォーカスした特集など、ママに役立つ情報を掲載したママのためのフリーマガジンです。 オルモを手掛けているのが、名古屋市緑区に住む関谷小夏さんと佐久間澪さんで、ともに2人の子供を育てる母親です。
関谷さん: 「地域の方がママたちに情報を伝える架け橋ができたらという思いで、フリーマガジンを作成しています」 取材も自分たちでしていて、この日は、ママに寄り添う活動をしている人を取り上げるコーナー「Reportひととなり」の取材でした。
取材したのは、子供やママに向けたアート遊びをしている元ダンサーの女性。関谷さんが話を聞き、佐久間さんがメモを取りながら、活動の内容だけでなくその人の魅力も伝わるよう、細かく質問していきます。 元ダンサーの女性: 「2年ほど前に片麻痺になっちゃったんだけど、感染症心内膜炎という病気になったんだけど」 関谷さん: 「書いてもいいですか?」 元ダンサーの女性: 「大丈夫、書いても大丈夫」
本格的なカメラで写真も撮影し、パソコンを使った編集も自分たちでこなします。 デザインなどの編集は佐久間さん、文章は関谷さんが担当し、子育ての合間を縫って制作しています。
■ママたちがママ友に会える場所を…
2人がフリーマガジンを作ることにしたのは、自分たちの経験がきっかけでした。 関谷さん: 「2人とも関西出身で、地元ではない名古屋で子育てが始まって、不安や孤独を感じる日々もあったんですけど。そんな中、子育て支援センターで私たちは出会って、ママ友がいる生活が、豊かにもなったし心強くもなったし。そういう話をしている中で、“ママ友にみんなが出会える場所をつくりたい”と」
はじめはイベントなどを開いていましたが…。 関谷さん: 「コラボイベントとかマルシェとかをするようになっていったんですけど、自分たちの子供も成長して大きくなってきて、なかなか平日の日中にたくさんのイベントをこなすことが難しくなってきて、私たちがやりたいこととできることで、無理なく続けられることは何かと2人で模索して」
子育てとの両立がしやすいフリーマガジンにたどり着きましたが、そこにも大きな壁が。 関谷さん: 「印刷費用に対して入ってくるお金と、最初だから色々なものを買ったり、出ていくお金も多くて、最初の方は出入を計算した結果、手元に残ったのが60何円(笑)」 フリーマガジンを作るには、印刷代や交通費など多くのお金が必要です。中でも印刷代は月に10万円ほどと、製作費の半分を占めます。そのため、2人はこんな営業活動も。 生後2カ月の娘を抱いて佐久間さんが訪れたのは、名東区にある歯科医院。毎月およそ4000部を発行しているオルモでは、ひと月3000円ほどから、個人でも広告を出せるコーナーを展開。店舗などに営業をして、月に35万~40万円ほどの広告収入を得られるようになりました。
高針台デンタルオフィスの木村院長: 「お母さんたちのニーズを本当によくご存じ。私たちが一方的に広告を掲載するのではなくて、こういうことをお母さんたちは求めているというのを伺いながら、相談しながら伝えていくことができて、そこがすばらしいなと思っています」
広告ページも、広告主と話し合って自分たちで制作。分かりやすくママたちに寄り添った内容にすることを心がけています。 関谷さん: 「WEBでいろいろ調べられて、情報が多すぎるからこそ疲れちゃう…みたいな感覚も自分はあって。あえて今、紙で受け取って載っていることを何も考えずに読むだけみたいな時間も、今だからこそ豊かな時間なのではないかなって思っています」 佐久間さん: 「スマホばかり触ってしまいがちですけど、ちょっとお茶を飲みながら、(子供が)昼寝をしている時とかに一息つく時の“おとも”みたいな感じで受け取ってもらえたら、すごく嬉しいなと思います」


