もち米の価格が“過去最高水準” 去年1キロ約650円→約1000円に 和菓子店は「正月にお餅を食べるという伝統文化を残したい」 愛知

愛知県豊橋市にある、創業75年の和菓子店「お亀堂」。新年を迎えるための鏡餅や来年の干支「午(うま)」の和菓子作りに追われていますが、今、困っていることが…
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(お亀堂・森貴比古社長)
「もち米の価格が、過去最高水準に達しました」
おととしは1キロ350円前後だったというもち米が、去年は1キロ650円前後に。そして、ことしはなんと1キロ1000円前後と高騰しているといいます。
もち米は鏡餅だけでなく、大福や赤飯など店の商品に欠かせませんが…
(森社長)
「皆さんが食べている“うるち米”がここまで高騰してしまったので、農家が“もち米”をやめて“うるち米”を作ってしまうと聞いているので品不足だったり、普通のお米と同等に値上がりしているという2つのことで、過去最高水準に値上がりしたと考えています。今まで赤飯だと小豆の方が圧倒的に高かったが、知らないうちに“もち米”の方が高くなってしまった」
値上げ2割にとどめ…事前予約分は割引価格で販売
使っているのは、佐賀県産と熊本県産のもち米「ヒヨクモチ」で、粘りと弾力があり、煮ても煮崩れしにくいのが特徴です。店は、年末年始期間で7200キロのもち米が必要で、高騰が止まらないのは痛い所。
しかし森社長は、餅の値上げは2割にとどめ、12月21日までの事前予約分については、割引価格で販売するということです。
(森社長)
「(仕入れ値に合わせて)値段が高くなり過ぎたら『もう食べない』という人もいると思う。うちとしては正月にお餅を食べるという伝統文化を残したいという意味も込めて、価格の上昇率はそこまで上げずにやらせてもらっている。ことしも一切の妥協なく心を込めて、おいしいお餅を作っていこうと思う」
“しめ縄”は20年前の倍の価格に
三重県玉城町では、新年用のしめ縄づくりが最盛期を迎えています。
稲わらを編み込んだしめ縄に、福を招くとされる「笑門」と書かれた札や魔除けとされるヒイラギやシダ・アシビなどの葉を丁寧に取り付けていきます。
角谷産業によりますと、しめ縄のワラは自社栽培ですが、燃料費や人件費の高騰などで玄関用の飾りは1つ3000円と、去年よりも1割ほど値上がり。この値段は、遡れば20年前の倍になっているといいます。
伊勢志摩地方では、しめ縄を1年にわたって飾る習慣があり、角谷産業では12月末までに約2万5000個作られ、地元のスーパーなどに出荷されます。





