11日に栄地区にオープンした商業施設「HAERA」の地下1階に、並々ならぬ思いでオープン日を迎えたスイーツの持ち帰り専門店「BON ALLURE」があります。

原田拓弥オーナー:
「東京であったり大阪であったり、僕らより有名なとこがいっぱい入ってくるんですよ。うちが全国的な有名度でいったら一番下っ端だと思う」
店が入る地下1階は、主にスイーツが集まるフロア。半数以上がすでに全国的に有名です。一方、この店のオーナー原田さんは、愛知県を中心に店を展開してきました。

さらに栄という場所には特別な思いが。
原田拓弥オーナー:
「2023年2月末に栄を閉じさせていただいた」
実は9年前、初めて店を開業したのが栄。しかし、コロナ禍で客足が遠のき撤退せざるを得ませんでした。

原田拓弥オーナー:
「悔しかったし、たくさん泣いた」
一度は去ることになった栄。

そこから半田市などに店を構え、ケーキを作り続けた中めぐってきたチャンス。
原田拓弥オーナー:
「なんとかいろんなお客さんとか社員に助けられて、栄に返り咲ける、戻れるので」

栄でのリベンジに最も大切なのはケーキの魅力です。
託したのはシェフの樋口さん。
目玉商品の試作をしていたこの日、勝負の食材として選んだのはジャスミン茶です。それと組み合わせるのは、酸味が特徴的なアプリコット。
実は樋口さんもリベンジをかけていました。
樋口勇希シェフ:
「(半田の店)オープン時に作ったときは、自信作というかおいしいなと思っていたんですけど、店のそのときのブランドやお客さんの認知とかみ合わなくて、いい感じで出せなかったんですけど、自分自身のパティシエの技術もしっかりなってきたときに、あのときのケーキをもう一回ちゃんとした形で作りたいなって」

「HAERA」は、これまでの店よりも高級志向。材料にもこだわり、かつての自信作をさらにブラッシュアップして勝負したいといいます。
樋口勇希シェフ:
「うん、うまい。アプリコット感もありつつジャスミンの香りが抜けていく」「もう少しキレがあってもいいかも」
どんな順番で重ねていくべきか、まだまだ納得がいきません。
さらに、こんな不安も。
樋口勇希シェフ:
「休みがないんですよ。そこがネックで仕込み日がない」
ほぼ年中無休の施設で販売を続けるため、新作のケーキは味だけでなく、複雑すぎない工程にすることも必要。
樋口さんこだわりの一品は、果たしてどのような姿になったのか。

一方、オーナーの原田さんは別のところでこだわっていました。
悩んでいたのは壁の色。「HAERA」にふさわしいのは、白か緑か。栄での再起のために妥協はできません。
原田拓弥オーナー:
「現地に来て見て、それがお客さんに伝わるか伝わらないかあると思うが、僕らが納得したものを作るっていうのが一番大事だと思う」
そんな中、ケーキを作る工房であるピンチが。
原田拓弥オーナー:
「電源がつかない」
「HAERA」出店のために準備した大型オーブンが、工事のミスで動かない事態に。ケーキの土台となるタルトやクッキーなどを大量に焼く予定でしたが、こだわりが形にならない危機が。

急きょ、半田の店のオーブンを使いますが、焼き上がりのペースがどんどん落ちていきます。無事にオープンに間に合うのか。

迎えたオープン日。
原田拓弥オーナー:
「自信もって僕らがやってきたことは間違いないんで胸張って…」
栄に戻るまでの3年間を思い出し熱い思いがあふれます。
原田拓弥オーナー:
「6月11日グランドオープンします。みんなで手を取り合って頑張っていきましょう」

開店するやいなやお客さんでいっぱいです。
客:
「ケーキがすごく人気みたいでかわいい!と思って。焼き菓子もおいしそうだったので」「(お店を)知ってはいたんですけど半田の店は行けなくて、HAERAに入るって聞いて1番に来ようと思って来ました」

原田さんの栄でのリベンジが始まります。
原田拓弥オーナー:
「僕らのケーキひとつで誰かが笑顔になってほしいと思って全てのお菓子を作っているので、その思いを全面的に受け止めてくれたら幸せ。まずは目の前の一人一人のお客さんを大切にしていけたら」


