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日間賀島でタコが取れない?…海水温上昇で「死活問題」に もがき奮闘する21歳若き漁師が仕掛けるブランド化戦略 愛知

CBCテレビ
04.26(土)08:02

日本の海で、これまでとれていた魚がとれなくなっています。大きな原因の一つが海水温の上昇です。海が変わる中、挑戦する愛知県日間賀島の若手漁師を追いました。

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海に異変が起きています。

(漁師)「(Q:どうですか?伊勢エビ)いねぇなあ、おらへんなぁ。(Q:これなんですか?)これはブダイ」

三重県では、伊勢海老の漁獲量が激減。網にかかるのはブダイなど、あたたかい海域を好む魚ばかり。

(漁師)
「1匹もいないときもちょこちょこあるでな」
「ちょこちょこじゃなくて毎日(とれない)。こんなんばっかり」

さらに…

潜ってすぐに目に飛びこんできたのは岩肌を覆うウニの一種「ガンガゼ」。海水温の上昇によって大量繁殖し、伊勢エビもエサとする「海藻」を食べ尽くしてしまうのです。

(NPO法人SEA藻 鈴木勝海 理事長)「温暖化のせいで、ガンガゼも年中食欲がある状態。水温が30度を超えてしまうと、海藻が急に弱ってしまう現象も起きている」

私たちの食にも大きな影響が出ています。

(桜すし本店 長嶋宗廣 社長)「(魚が)本当に高い。びっくりするくらい高い」

中でも驚く値上がりが…

タコの値段が倍以上!? 一体何が…

(桜すし本店 長嶋宗廣 社長)「愛知県のタコになります」

コロナ前、1キロ約1500円で仕入れていたというタコ。今は4000円のときもあるということです。

タコに何が起きているのでしょうか?産地として知られる愛知県南知多町の日間賀島。

港にはタコをとるために海に仕掛けるタコつぼがびっしり並べられていますが…

(漁師(タコ漁))「(タコが)取れなくなったのは、この5、6年。去年は少し取れたけど、おととしは全然取れなかった。死活問題。タコだけでは飯を食えないもんで、刺し網で魚取ってなんとか生きてるけど…」

タコ漁を始めて12年の漁師。多いときは仕掛けたタコつぼ25個のうち、24匹入っていたこともあったといいます。しかし今はほとんど取れなくなりました。

(漁師(タコ漁))「(Q:来年、再来年のタコ漁は?)どうなるかわからない。ゼロにはならないけど、(漁獲量の)上がり下がりは激しいと思う」

タコが減った理由は、やはり海水温の上昇です。他の漁師にも聞いてみると…

窮地に立たされる漁師たち

(漁師(貝漁))「貝は年々少なくなっている。ことしは去年の3分の1くらい。(潜ったとき海が)昔よりあたたかい。昔は冬だと寒くて凍えていたけど、最近はそんなに(寒くない)」

一方、日間賀島の名物の一つ、アナゴ漁師は…

(漁師(アナゴ漁))「アナゴがここ5,6年全然取れない。相場はいいけど、取れないから商売にならない。(今の漁獲量は昔の)半分どころではない、10分の1といってもいいくらい」

クロダイなど、海藻を食べる魚が増え、日間賀島の周りから海藻がほとんどなくなったといいます。

海水温の上昇で、窮地に立たされる日間賀島。そんな中、新たな名物を生み出そうと奮闘する若手漁師がいます。

(北川琳都さん(21))「じいちゃんとおやじの後ろ姿を見て育って、小さいときから魚が好き」

北川琳都さん21歳。日間賀島で生まれ育ち、漁師のおじいさんとお父さんの背中を見て、6年前、漁師になりました。

若き漁師が仕掛けたことは…

(北川琳都さん(21))「漁師になったとき、廃業寸前だった。魚が取れなくて経費が上がる一方で。船も新しく造らないといけなかった、エンジンが古かったので。『もうやってられないな』という状況を立て直したい思いで新しいことを始めた」

北川さんが挑んでいるのが、「魚のブランド化」です。ここ数年、日間賀島周辺で捕れるようになったサワラの中でも、特に脂が乗ったものを「雪鰆」として商標登録しました。旬の10月から1月にインターネットで販売しています。

(北川琳都さん(21))「どんどん島が衰退しているのが現状。自分の魚を通して日間賀島を知ってもらえるようにしたい」

4月17日、午前2時ごろ。この日の漁は、今が旬の「イサキ」。ブランド化を考えている魚です。

約900メートルの網を海底に沈め、網に魚をひっかけてとる「刺し網」で漁を行います。

(北川琳都さん(21))「きょうは全然だめ。網も汚れていたし、海がおかしい」

この日は海が汚れていて、網が緑色に。網の存在を魚も気付いてしまうようです。

 ブランド力を高める「魚の処理方法」

見えてきたのは…高級魚のホウボウ。しかし、45年以上日間賀島で漁をしている北川さんのお父さんは…

(父・北川林さん(61))「(昔と比べて)ホウボウは全然取れなくなった。(海は)昔と変わっている」

そして、お目当ての魚が…

(北川琳都さん(21))「これがイサキ」

この日、約8時間の漁でイサキが30匹ほどとれました。

(父・北川林さん(61))「きょうはだめ。網が汚れて全然だめ。」

ブランド力を高めようと、北川さんが特にこだわるのが「魚の処理方法」です。
掃除機のような装置で、一瞬で絶命させることで魚にストレスがかからず、うま味をとじこめられるといいます。

(北川琳都さん(21))「船上で締めて品質を守り、長く使ってもらえるように(している)」

漁の翌日。名古屋の飲食店には…

魚のブランド化やSNS活用…どうやって漁師を続けていくか

(池下料理店オオツボ 店主 大坪憲三さん)「こちら日間賀島のイサキ」

北川さんからイサキが届いていました。店主の大坪さんは、SNSで北川さんの活動を知り、「雪鰆」をはじめとした魚を仕入れてきました。

(池下料理店オオツボ 店主 大坪憲三さん)「地物って近いけど手に入りにくいので、いい方法がないかなと思ったときに、北川さんと出会った」

ブランド化を検討しているという脂の乗ったイサキのお味は…!

(村上真惟記者)「脂が乗っていて甘いです。口の中でとろけるような感じがします」

(池下料理店オオツボ 店主 大坪憲三さん)「透明感がありつつ、うま味が残っているので、他の(方法で処理された魚)とは違う」

島にとって死活問題となっている海水温の上昇。北川さん親子は。

(父・北川林さん(61))「若い子の方が不安が大きいと思う。全然儲けにならないし」

(北川琳都さん(21))「どうやって漁師一本で飯食っていくんだと、よくけんかしている。好きだもんで。魚とか漁師が。日間賀島も大好き。世界一好き」

自然の大きな変化を前に、もがく若手漁師。島を支えるための挑戦が続きます。

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