
アメリカでは軍人は強制接種 “コロナワクチン後遺症”で退役した男性が証言 世界に広がる患者会 救済遅れは今なお… 大石邦彦が現地取材

新型コロナワクチン接種後、アメリカでも後遺症問題は深刻で、日本だけでなく世界的な問題であることが見えてきました。今回は、先日行ってきたアメリカ取材の第2弾です。元アメリカ軍人の証言、そして日本の患者会と作った関係にも注目しました。
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(患者の会 副代表 神谷潤子さん)
「これが全署名です。こんなにたくさんいただきました」
署名の分厚い束。愛知県常滑市に住む神谷潤子さん。元看護師で、新型コロナワクチンの接種後、体調不良が起きた人々で作る「後遺症患者の会」の副代表です。
(患者の会 副代表 神谷潤子さん)
「接種したその日から3年と4か月、体調不良が続いております。救済を求めた署名となっております。ご協力をお願いいたします」
神谷さんたち患者の会は去年から全国で患者の救済を訴える署名活動を行いました。
(接種後下半身不随になった男性)
「体に重い障害が残り下半身不随となり、この通り車いす生活を余儀なくされました」
神谷さんなど、参加した多くの人が自らも体調不良を抱える当事者ですが、オンラインも含め賛同の署名は全国で1万5000を超えました。
SNSでつながる世界の患者会
(患者の会 副代表 神谷潤子さん)
「みなさん街頭に出たり、街頭に出られない方も周りの人に説明したりして、みんななんとか、自分たちの実態を知っていただいて、なんとか変わってもらえないかという思いで(集めた)。実物を見ると、ひとりひとりの思いが入っていて、ありがたいなと思う」
近々国に提出すると言います。この3年余り、国内でワクチン被害の実態を訴えてきた患者の会ですが、その輪がさらに広がろうとしています。
(患者の会 副代表 神谷潤子さん)
「こんな共同体がありまして、これは新型コロナワクチンを打って、長期に渡る健康被害がある世界の患者会の共同体として設立されたものですね」
世界各国に存在する患者会が今年連携したのです。
(患者の会 副代表 神谷潤子さん)
「欧米の国を中心に患者会が立ち上がっていて、その方たちがSNSで繋がって、こういうもの(CVIA)を作ろうと。ベルギー、カナダがあるんですけど。ここに日本も入れていただいて」
現在、日本を含めた世界23の国と地域の25団体が参加し、患者の救済を訴える共同声明も出しました。
(患者の会 副代表 神谷潤子さん)
「アメリカの『REACT19』というチームなんですが、この方がリーダーのブリアンさん」
その中心人物がアメリカで患者会を設立したブリアン・ドレッセンさん。私たちはその実情を取材するため、アメリカへ向かいました。
患者会を設立 自らも後遺症に苦しむ…
(大石邦彦アンカーマン 以下:大石)
「アメリカ・ユタ州のサラトガスプリングスという街に来ています。雄大な山々が見え、まだ雪も残っています。手前にはユタ州最大の湖、ユタ湖も広がっています。実はこの街に新型コロナワクチン患者会のアメリカのトップがいらっしゃいます」
(ブリアン・ドレッセンさん)
「針を刺されて引っ張られるようなひどい頭痛。手は焼けるように熱くめまいがします。接種前の生活を思い出せません」
アメリカ・ユタ州に住むブリアンさんは2020年11月、ワクチンの治験に参加。その直後から異変が起き今も体調不良に悩まされています。2021年に患者を支援する組織『REACT19』を設立。
(ブリアン・ドレッセンさん)
「私たちがこの問題を解決できない理由はありません。大金や権力がなくてもできます。患者会の広がりは本当に重要なことだと思います」
現在会員3万6000人を超える大きな組織で、運営はすべて寄付でまかなわれ、これまでに約100万ドル(1億5千万円)もの支援を患者に行っています。
元アメリカ空軍の男性も…
(大石)
「今私はユタ州の州都、ソルトレイクシティから北に40kmほど離れた場所に来ています。実はこのレイトンという街に、患者会に所属している男性がいらっしゃいます」
会員の一人、ローリン・ジェプソンさんは元アメリカ空軍所属。
(元アメリカ空軍所属 ローリン・ジェプソンさん)
「2021年10月にワクチンを接種しました。その7日後めまいやしびれ、動悸に高血圧などあらゆる症状が出たので救急外来に行きました」
当時のアメリカ軍では、新型コロナワクチンの接種が義務付けられていたといいます。
(元アメリカ空軍所属 ローリン・ジェプソンさん)
「以前は健康でかかりつけ医もそれを知っていたので、『体調不良の原因はワクチンだと強く推測される』と言われました」
症状は治まらず、約2年後に軍を退役。国もワクチンの影響であることを認め、今は医療費と年金の支給を受けています。
(元アメリカ空軍所属 ローリン・ジェプソンさん)
「これは全く予想外でした。軍隊に入れば不測の事態が起きるかも知れないとは思っていましたが、それはあくまで戦闘に関連したことだと考えていました。まさかこんなことが起こるなんて思いもしませんでした」
トランプ政権では、厚生長官になったロバート・ケネディ・ジュニアが新型コロナワクチンの安全性を再検証する方針も示していますが…
(REACT19創設者 ブリアン・ドレッセンさん)
「ロバート・ケネディ・ジュニアはワクチン被害を受けた人に同情的ではありますが、アメリカ政府と製薬企業の利害関係があまりにも絡み合っているので、革命が起こることは信じがたいです」
苦しむ人は世界中に “つながる希望”の一方で
(患者の会 副代表 神谷潤子さん)
「同じ健康被害のある仲間として、しかも同じ方向を向いて、一緒に戦っていこうという雰囲気がある。非常に有意義なつながりだなと。一人じゃないという思いがしています」
日本の患者の会で活動を続ける愛知の神谷さん。世界の患者の会がつながったことに希望を見出していますが、自分の救済申請でもごく一部しか認定されず、再審査を申し立てています。
(患者の会 副代表 神谷潤子さん)
「“認定”に見えるんですが、私の中では“否認”なんですよ。申請した期間を600日ぐらいで出したんですよ。そうしたら全部認めると長くなってしまうから、64日まででいいですよね、と。不服なので審査請求をして、自分で書いて参考文献もきちんとつけて。」
「患者自身がやらないといけないシステムがやはりおかしいと思いましたし、これで諦めてしまう人はたくさんいるだろうなと思う」
現在接種はほとんど行われず、社会の関心も薄れつつある新型コロナワクチン。一方で未だ体調不良に苦しむ人は、世界中にいる現実が横たわっています。