鮮魚店を救った意外な“看板商品” 「電話も止まった」閉店危機からV字回復 今では1時間で完売する人気店に 名古屋・北区

名古屋市の団地にある鮮魚店。10年前に閉店の危機に陥りますが…まさかの方法でV字回復の大復活を遂げた秘密と、家族の絆に迫りました。

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名古屋市北区、水草団地にある人気の鮮魚店「魚晴」。このお店は、午後3時になると行列が出来ます。

(客)
「魚が新鮮でおいしい」
「基本的に魚はここ」
「買って帰ってよ!おいしいから」


人気を支えるのは、この道40年の店主・伊藤敏彦さん。

(店主 伊藤敏彦さん)
「経験で良いと思った魚を買う」


毎日市場に足を運び、熟練の目利きで仕入れます。

(市場の人)
「(店主は)魚にうるさい。これだけ仕入れても売るからすごい」

1時間で完売する日も 鮮魚店の人気商品は「焼き魚」

マグロや地元の魚を中心に、その日に揃えた新鮮な刺身が多く並ぶ店内ですが、多くの客が手に持っていたのは、意外な商品でした。

(客)
「きょうは、サバとサーモンとタイの焼き物」

このお店の主力はなんと、鮮魚ではなく焼き魚。お店の中を見ると、商品のスペースの半分が『焼き魚』で埋まっています。

その日に仕入れた新鮮な魚を鉄の串で焼き、中からも熱が通るため短時間で仕上がります。なので、身が固くなることなくふわふわに仕上がるのです。中でも人気なのが…

(客)
「サバの照り焼き」
「照り焼きは絶対買う。おいしいからタレが」


自家製のタレで作る照り焼きは、ご飯との相性抜群!この味を求めて、遠方からくる客も少なくないんだそうで、早い日には1時間で完売してしまうこともあるんだとか。

鮮魚店に訪れた“閉店の危機”

鮮度抜群の刺身と焼き魚で大盛況の「魚晴」ですが、一時 窮地に追い込まれていたのです。

(店主 伊藤さん)
「とにかく並んでいる商品が売れなくなった」

38年前に夫婦で始めた「魚晴」は、一般的な鮮魚店でした。しかし、近隣へのスーパー進出や家庭の魚離れが直撃。売り上げは下がり続け、閉店の危機に陥っていました。

(店主 伊藤さん)
「このまま行くと必要な収入がないから、店をたたまないといけない」

(妻 晴子さん)
「新聞の求人広告を見ながら…」


(店主 伊藤さん)
「電話も止まったし色んなものが止まった」

救世主は…大人気鮮魚店の元店主

そんなお店のピンチに、共に働いていた長男の一平さんが1人の男性をお店に連れてきました。

惜しまれつつ閉店した名店「魚梅」の店主、木村さん。お店のためにと、名古屋中の鮮魚店を見て回っていた一平さんは、当時絶大な人気を誇っていた「魚梅」を訪れました。

(長男 一平さん)
「お店に入った瞬間に、黄金色。一番 照り焼きとうなぎの蒲焼きがツヤツヤ。その店の雰囲気はすごく面白いなと」

(魚梅店主 木村さん)
「(一平さんは)よっぽど力が入っているなと思った。それに惚れ込んだ」

一平さんの熱い想いに感銘を受け、木村さんがある驚きのアイデアを提案。

(木村さん)
「鮮魚が並んでいたけど、全て焼き魚に」


元々、売り上げが低迷していた鮮魚コーナーを大胆に撤去し、今では主力となった「焼き魚」コーナーの拡大を提案。「焼き魚がうまい鮮魚店」として他店との差別化を図ったのです!

名店の秘伝のタレを伝授 「ジレンマ」も

そして、木村さんからもう1つ大胆な作戦として、タレの改良を提案。「魚梅」で大人気だった秘伝のタレを伝授したのです。元々、うなぎのタレをベースにした甘めのタレを使っていましたが、木村さんが教えたのは、どんな魚にも合うさっぱりとした甘さ控えめのタレ。

(妻 晴子さん)
「(新しいタレは)低価格で照り焼きができる」

コストも下がり、これはいけると思ったその時…

(妻 晴子さん)
「(店主が)最初は反発していた」

(店主 伊藤さん)
「ジレンマ。『この味か…』って正直思った。お店の味と違うって…」

30年続けてきた自身の味を、木村さんの味に変える勇気がありませんでした。

店主の背中を押したのは… 売り上げはV字回復

そんな伊藤さんの背中を押したのは、長年連れ添ってきた妻の晴子さん。自ら焼き台に立ち、ほぼ全ての焼き魚の調理をかって出たのです。焼き方も網焼きから串焼きにし、木村さんから教えてもらった秘伝のタレで仕上げた照り焼きを店頭へ。

お客さんたちの反応は?

(客)
「タレが美味しい」
「いつも美味しいものを作ってくれる。家でご飯だけ炊けばいい」


ご飯に合うとお客さんから大好評! たちまち人気の商品になりました。

(店主 伊藤さん)
「木村さんの味にお客さんがついてきているのに、何をしていたんだと思った。これがなかったら、お客さんが来てくれなかった。(売り上げが)V字になった」

長男がSNSで情報発信 今では行列必至の人気店に 

さらに、長男の一平さんがSNSを活用し集客を増やす努力の甲斐もあり、現在では行列の人気店に!

(妻 晴子さん)
Q.親子関係はどうですか?
「お互いに譲らないところもあるし…(笑)それはそれでいいんじゃない?」

時には衝突もありながら、それぞれの長所でお店を立て直した「魚晴」。父が熟練の目で見極めた「最高鮮度の魚」を仕入れ、それを妻が「名店譲りのタレ」で丁寧に焼き、息子が「SNS」でその魅力を発信する。

「焼き魚がうまい鮮魚店」として、見事V字回復を果たしました。

(妻 晴子さん)
「お客さんが美味しいと言ってくれればOK。次も頑張ろうって思う」


(店主 伊藤さん)
「お客さんが喜んでくれるのが一番」

お店は、きょうも街の食卓を笑顔にしています。

CBCテレビ「チャント!」2026年4月16日放送より

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