ムクドリが群がる木・とまらない木 違いは?夕方 街に現れる大群 目撃情報もとに名古屋で調査してみた
街に現れるムクドリの大群。「困った」という声が番組に多くきています。現状を取材しました。
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(平岩洵人記者)
「名古屋市千種区の池下駅前に来ています。この辺りでも大量のムクドリの目撃情報があったということで調査していきます」
11月25日。名古屋市内のメインストリート、広小路通を歩きました。
(平岩記者)
「午後2時過ぎです。広小路通は下の方を見てみるとふんが落ちています。しかしまだこの時間帯、ムクドリはいません」
ムクドリは昼間どこにいる?
緑の多い場所も捜索。池下駅から約3.5キロにある千種区の平和公園です。
(記者)
「鳴き声が聞こえてきますね。もしかしたらここにムクドリがいるかもしれません」
すると…。
(記者)
「いました、いました。ムクドリ確認できました」
ムクドリたちは昼間はどんな過ごし方をしているのでしょうか?
(名城大学農学部生物環境科学科 橋本啓史准教授)
「いまの時期だと(郊外の)樹木に木の実がなっているので、そういう所に10羽とか20羽ぐらいで群れてエサを取ってくる。あるいは、畑とか芝生に降りて地面の虫などを探している」
数百羽いたムクドリ いなくなった場所も…
午後4時ごろ。再び池下駅周辺にもどってきた「チャント!」いきもの係。すると、気になる街路樹が…。
(記者)「木を見てみると、切られていますね」
管理する名古屋市に聞くと、この街路樹は2週間ほど前、3年に1度の「剪定」が行われたようです。
この木を含めて、ことしはムクドリがこの辺りに多く集まってくると証言する、通り沿いの飲食店オーナーは。
(西洋料理 Jules 伊藤景一朗オーナー)
「向こうの木の方から順に止まってきて。一か所に止まり続けない」
「数百羽はいたと思う。葉っぱよりも多いぐらい。木を見たら枝にずらっと並んでいた」
しかし、店の目の前の木が剪定されたことで。
(西洋料理 Jules 伊藤景一朗オーナー)
「木の枝を切ってもらって最近は静かですね。なので非常に仕事もしやすい」
夕刻…ついに現れた大集団
池下駅周辺の街路樹の剪定作業は他の場所でも。
(記者)
「広小路通りから一本北側に来た錦通です。ここも木は切られています。ただ奥の方は、まだ切られていません」
すると、日の入り時刻が迫る午後4時40分!!
(記者)
「集まってる集まってる。木に止まれないからでしょうか、ビルの屋上のアンテナに止まっています」
ついに現れたムクドリの群れ!さらに20分が経過。
(記者)
「数え切れないほどのムクドリが大量発生です。我々の真上、ムクドリで覆い尽くされました」
噂通りの大群。
(記者)
「いま、木にムクドリが一斉に止まっています。木も揺れてる!」
街路樹にはまさに「鈴なり」です。
ムクドリの大群を遠ざけるには…
(街の人)
「(鳴き声は)嫌。この辺りも(ふんで)すごく汚くなるから」
「今日ちょうどここに来たらものすごい数。(木の)そばにいたくないですね。もう逃げよう…」
(街路樹の前にある飲食店)
「錦通りはまだ刈ってないから、順番で回ってくるんじゃないかな。ふんが落ちてくるので困りますね」
広小路通の街路樹の剪定によってねぐらが奪われたムクドリ。近くの錦通の街路樹が、新たな安息の地になったとみられます。
(名城大学農学部生物環境科学科 橋本啓史准教授)
「いつも戻っていた所に街路樹がなくなっているということで、まずは近くで(ねぐらとして)条件がいいところがあるのか、なければ元の場所で電柱に止まっていたりしている」
ムクドリの大群を遠ざける根本的な解決法は未だに見つかっていないといいます。我慢するしかないのか?
(名城大学農学部生物環境科学科 橋本啓史准教授)
「初夏は小さな単位でのねぐらがたくさんあるが、秋になってくるとそれが一つの所に集まってきて大規模なねぐらになって、皆さんよく気付くようになる。
冬になると、郊外の竹やぶなどに行って、集団ねぐらを作っている。12月中旬を過ぎてくると(街中には)だんだん減ってくると思う」
「真冬が待ち遠しい」そんな声が聞こえてきそうです。