名古屋城の無料開放 広沢一郎市長の“肝いり政策” 効果は? 1か月間の実証実験 一方で大人500円の「本丸エリア」は今後の値上げ示唆

(小川実桜アナウンサー)
「11月から名古屋城の本丸以外のエリアが、無料で入れるようになりました。広沢市長肝いりの政策です。3連休の人出はどうだったんでしょうか?」
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名古屋の広沢市長が昨年11月の市長選の中で、公約の最重点項目に挙げていたのが名古屋城天守の木造復元とともに打ち出した、本丸以外のエリアの無料開放です。
(名古屋城総合事務所 管理活用課・三谷幸司課長)
「ここは『西之丸』と呼んでいるエリアです」
Q.無料開放になったエリア?
「そうですね」
11月1日からスタートしたこの実証実験は、西之丸のほか、本丸を囲む二之丸、御深井丸を1か月間“無料エリア”にするというものです。
昨年度の名古屋城の入場者数は…過去2番目に多かった
例年、名古屋まつりに合わせ無料としていますが、これほどの長期間の無料化は史上初。
そこで…西の丸と二の丸の一部は、通常よりも2時間早い、朝7時から入れるということでラジオ体操も出来ちゃうというわけです。広沢市長もこのイベントに参加。
(名古屋市 広沢一郎市長)
「ぜひ多くの方に訪れていただいて、隅から隅までぜひご覧いただければと思います」
(名古屋市民)
「外からだとあんまり名古屋城がよく見られないので、近くで見られてうれしいです」
名古屋城総合事務所によりますと、昨年度の名古屋城の入場者数は、223万人あまりと前年度から1割ほど増え、過去2番目に多い数字でした。コロナ禍での落ち込みから順調に増えています。
しかし、名古屋市としてはさらに無料化や早朝からの開場を重ね、さらなる入場者増につなげていきたい考えです。
大阪城は外国人観光客の割合が73% 名古屋城は?
(アメリカからの観光客)
「もともと来るはずだったけど、無料になるならうれしいね」
昨年度の外国人観光客の数は、入場者約223万人中63万人と全体の28%でした。
一方、大阪城は去年の秋に天守閣への入場者を調査したところ、外国人の割合がなんと73%!世界遺産の姫路城は、昨年度1年間で36%でした。名古屋城にはまだままだ伸びしろがありそうです。
市は、11月の入場無料についてはことし8月なかごろから大手旅行会社を通じて、インバウンド向けにPRしていました。
(名古屋城総合事務所 管理活用課・三谷幸司課長)
「日本の文化や歴史に触れてほしい」
11月1日から3日までの3連休の入場者は天候にも恵まれ、1日約1万4000人と、去年の同じ時期と比べ、4割増えました。市では、期間中の来場者数や土産物の売り上げを分析し、年中無料とできるかを来年度以降に検討します。
一方、観光客からはこんな声も…
大人1人500円の“本丸観覧料” 広沢市長が今後の値上げを示唆
Q.本丸は無料ではないが?
「どうせなら(本丸も)無料だとうれしい」
実証実験の期間中も、本丸御殿などが見られる『本丸エリア』については、通常通り大人1人500円の観覧料が必要です。本丸以外の無料化は、これまで訪れたことがなかった人に天守閣を間近に見てもらい、有料のこのエリアにより多く呼び込む狙いもあるのです。
(名古屋城総合事務所 管理活用課・三谷幸司課長)
「海外の人は何回も来ていただけるわけではないので、できるだけ有料エリアにも行ってほしい」
さらに、広沢市長は4日の会見で、本丸の観覧料の今後の値上げを示唆。
(広沢市長)
「大阪城も1200円ということを考えると、500円というのは非常に安いなと。率直に思うので、いずれ(値上げも)再検討かなと思う」
市長こだわりの今回の取り組み。無料化のむこうに、きっちりそれなりの「本丸」観覧料は、払ってもらいますよということが、まさに「本丸?」のようです。





