海抜マイナス1.9メートルの場所に小学校統合計画 議案可決で水害からどう子どもを守る? 愛知・弥富市
海抜0メートル地帯が広がる愛知県弥富市の小学校統合計画で、予定地をめぐる議論が沸き起こっています。
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愛知県弥富市の市議会では、市内4つの小学校を2028年4月に一つの小学校に統合する計画について話し合われています。少子化により2027年には4校全てで児童数が100人を切ると予測されているため、統合されるのです。しかし、その予定地には“ある問題”が。
(大野和之記者)
「新しい校舎が設置される予定ですが、体育館の周りが海抜マイナス1.9mということで、海抜0メートルの表記が非常に高い位置にあります」
1959年の伊勢湾台風で、海抜の低い弥富市では高潮により358人が死亡するなど大きな被害が出ました。十四山西部小学校は海抜マイナス1.9メートル地帯にあり、地震による津波などで水没の危険があります。
「市全体が海抜0メートル以下」
(弥富市 高山典彦教育長)
「市全体が海抜0メートル以下。どう水と一緒に生きるか。2階以上の垂直避難で子どもの命を守れる」
新たな校舎は地面から2階床までの高さが4.15メートル。想定される津波の2.5メートルより高いため、子どもたちの命は守られるといいます。
一方、これに反対する団体は、代替案として、既に地盤をかさ上げ済みで来年3月に閉校する、十四山中学校での建設を求めています。市民は…
(弥富市民)
「自分も子どもがいる身。あえて低いところに通わせたくない」
「新しい建物の方が子どもにとってきれいな環境が整う」
そして迎えた23日の本会議。出席した16人の議員の3分の2以上、11人が同意し、議案が可決されました。新たな小学校の誕生で、子どもたちがよりよい学びの場を得るだけでなく、地域の防災拠点としての役割が求められます。