2022年10月24日放送
【アナウンサーが中日新聞コラムを朗読】8月19日(金)アナよみ春秋
アナよみ春秋
中日新聞の看板コラム「中日春秋」をCBCテレビ&東海テレビのアナウンサーが朗読します!
「中日春秋(ちゅうにち・しゅんじゅう)」は、中日新聞の朝刊1面に毎日載っているほぼ555文字の文章。
書いた人の意見や考えが含まれた「コラム」と呼ばれる読み物です。
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世界と勝負する。ファッションデザイナーの森英恵(はなえ)さんにそう決断させたのは、一九六一年の米国旅行で味わった屈辱という
▼ニューヨークの百貨店は上階ほど商品が高級になったが、日本製衣料は地下。粗悪な安物の象徴とされた。日本の芸者蝶々(ちょうちょう)さんと米軍士官の国際結婚の悲劇を描いたオペラ『マダム・バタフライ(蝶々夫人)』を見ると、蝶々さんは中国人風に両腕を前で組み、げたで畳を歩いた
▼低評価と無理解。「日本でデザインし、日本の布地を使い、日本人の手で縫い上げた服をジェット機で米国に運ぶ」と誓い、実現させた
▼森さんが亡くなった。トレードマークとして後に世界に知られる蝶(バタフライ)の柄は六五年、ニューヨークで初の海外コレクションを開く際に使った。自伝『グッドバイ バタフライ』によると、オペラの屈辱の記憶もあり、世界に羽ばたく意味を込めた
▼防空壕(ごう)で空襲を避け、戦後は新宿の店で進駐軍の将校夫人の服を仕立てた。米国で成功し、現地で会ったソニー創業者の盛田昭夫氏から「すごいよ」と言われたことが忘れられないという。歩みは戦後日本のそれと重なる
▼『グッドバイ バタフライ』は、パリでのショーを最後に一線を退いた際、著名ファッション記者が国際英字紙に書いた送別記事の見出し。今生の別れが来たが、天上で後進の飛躍を何より願っているだろう。
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番組詳細
中日新聞の看板コラム「中日春秋」を東海テレビ&CBCテレビのアナウンサーが朗読します!
「中日春秋(ちゅうにち・しゅんじゅう)」は、中日新聞の朝刊1面に毎日載っているほぼ555文字の文章。書いた人の意見や考えが含まれた「コラム」と呼ばれる読み物です。
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