【イマネタ】星が丘ボウル53年の歴史に　施設の老朽化で閉店の決断　利用者からは惜別の声

名古屋市内のボウリング場の閉店が相次ぐ中、12月5日に千種区にある「星が丘ボウル」の営業が終了します。利用者、長年携わる人の思いを取材しました。

　名古屋市千種区で長く愛され続けた星が丘ボウルが5日、ついに53年の歴史に幕を下ろします。

　当時の日本はボウリングブームの真っただ中で、星が丘ボウルはワンフロアに100レーンという世界で3番目の規模を誇っていました。

「ここの思い出は？」(島津咲苗アナウンサー)
「何年も通って知り合いがたくさんいる。長く営業したなと思う」(80代男性)
「あすで閉店だが今はどんな思い？」(島津アナウンサー)
「ただ寂しいだけ。(最高スコア)274くらい。閉店までに300出そうと頑張っている。涙で投げられるかな」(70代女性)

　閉店を惜しむ声が多く聞かれる中、鬼頭正枝さんは特別な思いで4日、星が丘ボウルを訪れていました。

「5月に亡くなった母が毎日ボウリングしていた。ゲームが終わる頃に迎えに来ていたので私も思い出深い場所。上半身はおばあちゃんだがミニスカートを履いてさっそうとしていた」（鬼頭正枝さん）

　お母さんが常連だったということで、ピンをプレゼントされていました。

　星が丘ボウルにあこがれて1994年に入社したマネージャーの蛭川雅文さん。

「先輩から聞いた話だとワンフロア100レーン、当時世界3番目の規模で話題になった。新聞広告の写真を篠山紀信さんが撮影し、斬新さや当時から将来を見据えた展開をしてきたと感じる」（星が丘ボウル 蛭川雅文マネジャー）
「どんな思い出がある？」（島津アナウンサー）
「サタデーナイトボウルというボウリング大会を毎週土曜日の夜にしていた。音楽を流しピンの明かりだけでボウリング大会も行い、仮装し踊ったりと、お客さんと盛りあがったことはいい思い出になった」（蛭川マネージャー）

　その他にも、斬新な企画が目白押しだった星が丘ボウルでは500円分のテレホンカード1枚で1ゲーム楽しめました。

　新郎新婦がボウリング場で愛を誓うイベントもあったといいます。

　ピーク時は全国で3697軒もあったボウリング場ですが今は662軒、約6分の1まで減ってしまっています。

　その理由は老朽化。星が丘ボウルも老朽化が原因で閉店という決断にいたったといいます。

「レーンの補修が出来ない状況。機械も30年以上動いているため、部品提供含め見通しが立たないということでこのタイミングでの決断になった」（蛭川マネージャー）

　星が丘ボウルを含め2023年、名古屋では老朽化を理由に3店舗が閉店します。

　名古屋駅の南にあった名鉄レジャックのボウリング場は今年3月すでに閉店。

　さらに、12月末には中区新栄のスポルト名古屋も閉店することが決まっています。

　老朽化で限界を迎えているボウリングマシンを特別に見せてもらいました。

「ボールが当たる衝撃で折れる。（折れた所を）溶接する」（星が丘ボウルメンテナンス担当 宮田健治さん）

　衝撃に耐えられなくなり部品が折れてしまうため溶接して強度を保っていました。

　メンテナンスを担当する宮田さんによると、部品は日本で作られていないため壊れた時は今ある部品を加工して対応するといいます。

「1台1台全部に個性がある。同じことをしても同じようには聞いてくれない。人間と一緒」（宮田さん）
「5日が最後ですが、目にウルッとくるものも」（島津アナウンサー）
「（閉店が）あす（5日）だと思うとやっぱりくる」（宮田さん）
「多くの方に出会えて感謝しないといけないのに感謝の声をたくさん頂いている。寂しいけどうれしさもある、こんな感情は経験がない。53年間積み重ねてきた結果が今の声に表れていると感じる」（蛭川マネージャー）