ワイヤーで操作する"Uコン" 60年代に大流行した模型飛行機はどうやって飛ばすのか?
みなさんは「Uコン」というものをご存知でしょうか? Uコンとは1960年代に大流行したエンジン付きの模型飛行機のこと。当時、熱中した方々が愛好家となり、あのころと変わらぬ情熱を持って楽しんでいます。今回は、そんなUコンの世界をお届けしていきましょう。
●2本のワイヤーとエンジンで模型飛行機を飛ばすUコン
模型飛行機から伸びるワイヤーを操作して操る「コントロール・ライン」というのが正式名称。それを操作をするU字型のハンドルから、Uコントロール→“Uコン”という愛称が定着しました。
Uコンが生まれたのは1940年頃のアメリカ。日本には戦後、アメリカ人の趣味として紹介され、1960〜70年代に一斉を風靡。専門雑誌が刊行されるほどの人気を集めていました。
Uコンの仕組み
動力は10ccの小型のエンジン。バルサ材で構成された軽量の本体を飛ばし、2本のワイヤーを操作して翼のフラップやエレベーターを動かして操作します。
●Uコンの愛好家が集う「岡崎模型飛行倶楽部」
倶楽部の歴史は40年以上。現在15人が所属し、週末にグラウンドに集まってUコンを楽しんでいます。
初代会長の成瀬昭彦さん。小学生のときにUコンと出合い、中学2年生のときにこの倶楽部を立ち上げました。最盛期は最大で47名所属していた時期もあったそうです。
ワイヤーの長さは16メートル。2人1組で飛ばす必要があるのも、仲間が集う要因といえます。操縦者の合図でテイクオフ。操縦者を中心に回りながら飛行機を旋回させます。
手首をかえしてアクロバティック飛行を行うのも醍醐味の1つ。急降下させ地面スレスレで直角に上昇させるのは、コンマ何秒のズレで墜落する恐れがあり、その緊張感も面白さだといいます。
またラジコンと違い、機体の振動がコントローラーを通して体感できる臨場感も大きな魅力。一度ラジコンを体感してからUコンに戻ってきたメンバーも多いそう。
自作することも可能で、成瀬さんのUコンはすべて手作り。大好きな艦載機を製作しています。
●オリジナルの航空母艦にUコンを離着陸!
成瀬さんの艦載機好きが高じて、「舞木」と名付けたオリジナルの航空母艦の甲板を仲間とともに製作しました。ここに、Uコンの模型飛行機たちを飛ばして着陸させることに。少しカーブしているのは、旋回するUコンの軌道に合わせたためなんです。
ラジコンのようで全く違う、アナログ操作で機体を操るUコンは、アクティビティとして今の時代でも充分通用する面白さがあります。
実際、2009年ごろに密かに盛り上がっていた背景も。また、現在でも連盟があり、日本選手権もコンスタントに開催されているので、気になる方はぜひチェックしてみてください!