日本一長い祭り!毎年30万人が参加する岐阜県・郡上市の「郡上おどり」の最終日に密着『チャント!』
岐阜県・郡上市郡上八幡で行われる「郡上おどり」は、400年の歴史を誇るユネスコ無形文化遺産に登録されている盆踊り。毎年7月~9月のうちに、約30日間も開催されることから「日本一長い祭り」と言われています。また、誰でも自由に参加できることから、世界中から毎年およそ30万人が来場。今回は、「郡上おどり」の最終日に密着しました。
2万5000人が参加!思い思いの衣装で踊り切る
2024年9月7日は、「郡上おどり」の最終日。午後8時からの開始を待つ会場には、やる気に満ちあふれた踊り子たちや、「郡上おどり皆勤賞2024」のバッジをつけた人も。
(2年連続皆勤賞・小瀬木節男さん)
「皆勤賞です。30日全部来てます!」
手ぬぐいと助平カード(スタンプカード)のセットを購入し、シーズンすべての「郡上おどり」に参加すると、缶バッジがもらえます。
「郡上おどり」はどんな格好でも楽しめますが、カランコロンと音を鳴らす「踊り下駄」は欠かせません。下駄を販売する店の中でも「杉本はきもの店」では、オーダーメイドが可能です。
(2代目げた作り40年・横枕幸子店長)
「10~15分でできる。多いときは1日に私1人で100~150足になる」
祭りの開始時刻になると「屋形(やがた)」と呼ばれる舞台を中心に、約2万5000人が輪になって踊ります。中にはアレンジした踊りを披露する人や、ド派手な衣装に身を包む人などもちらほら。
祭りを盛り上げる!おはやしの生演奏も魅力
「郡上おどり」は、祭りばやしの生演奏で踊れるのが特徴。「屋形」の上で「郡上おどり保存会」のメンバーが笛や太鼓、三味線を用いて演奏します。しかしある時だけ「特別なメンバー」で行われるのです。
小学生から高校生までで結成された「郡上おどり保存会ジュニアクラブ」は、約15人の有志が所属しており、祭りの冒頭30分間で「前座」を務めます。曲の内容は大人と同じで、年中週末に集まって練習しています。
クラブのリーダーで高校3年生の山田陽介さんは、思い入れを持って臨んでいました。
(ジュニアクラブリーダー・山田陽介さん)
「ジュニアクラブは、高校3年生で卒業。(今日が)最後の前座で締めくくり。とにかく盛り上げて、成長した姿を見てもらいたい!」
小学3年生から参加している山田さんにとっては、10年分の思いが詰まった一夜となります。同じ学年の仲間3人も今日で卒業です。
いよいよ集大成の見せ場!課題曲を無事やり切れるか!?
午後8時、「郡上おどり」の始まりを待つ人々がいるなか、「ジュニアクラブ」のメンバーがスタンバイします。
(ジュニアクラブリーダー・山田陽介くん)
「皆さん、こんばんは!今シーズン最後の前座を務めさせていただきます。一緒に楽しみましょう!」
「ジュニアクラブ」のフレッシュなおはやしで2万5000人が一斉に踊り出しました。ラストイヤーの4人組も精一杯演奏します。順調に2曲が終了し、次が最後です。
ラストナンバーは、威勢の良さが特徴の「春駒」。この曲は、通常一定のリズムで演奏されますが、最後の盛り上げに限界までテンポアップします。「スピードアップするほど、音を合わせにくくなる」と課題を挙げていた山田さんたちは成功させることができるでしょうか。
真剣な面持ちで演奏するメンバーたちは、見事にやり切りました。鳴りやまない拍手に包まれて、会場を後にする4人。
(ジュニアクラブリーダー・山田陽介くん)
「120点!ミスなし、最後みんなで盛り上がって楽しく終われた。完璧!」
笑顔で終えることができました。
「感慨深い…」日本一長い祭りの締めくくり
午後11時、長い祭りばやしが鳴りやむと、「屋形」が動き出します。その後ろには、奥まで続く提灯がありました。
「郡上おどり」の最終日のみ見られる「提灯行列」。ひと夏続いた祭りを支えた「郡上おどり保存会」へのねぎらいを込めて、「屋形」を見送ります。代表曲「かわさき」で去り行く「屋形」と一緒に踊り納めとなりました。
今回の「ベストオブOMATSURIちゃん」に選ばれたのは、山田さんです。
(ジュニアクラブリーダー・山田陽介さん)
「『郡上おどり』は、僕にとってなくてはならないもの。進学のために郡上市からは出るが、また帰ってきて踊ったり、違う目線で参加したい」
高校3年生のアツい夏が、祭りとともに幕を下ろしました。
CBCテレビ「チャント!」9月18日放送より