【激撮】1万食を爆速調理!東海地方最大級 最先端「給食センター」に潜入
子どもたちの胃袋を満たし、栄養満点の学校給食。大量の給食はどのように作られているのか。今回は、東海地方最大級の巨大給食センターに潜入! カレーの製造工程を取材した。
「半田市学校給食センター」最新マシンの秘密
半田市学校給食センター
2024年9月にオープンした最先端の施設「半田市学校給食センター」(愛知県半田市)は、敷地面積約1万3000平方メートルで、東海地方最大級の規模を誇る。
ここでは、半田市内にあるほぼすべての小中学校と5つの幼稚園に届ける約1万人分の給食を作っている。
給食作りはスピードが勝負! 約1万人分の給食を各学校に送り届けるため、午前11時までに作り終えなくてはならない。
午前6時半。この日トラックで運ばれてきたのは、タマネギ432キロ、ジャガイモ226キロ、ニンジン189キロ…大量の野菜たちだ。
球根皮剥機
「泥落し室」に運ばれた野菜を「球根皮剥機」に投入すると、マシンの底にあるハネのついた円盤がぐるぐると回転。野菜がこすれることで泥が落ち、皮が剥ける。
ジャガイモは20秒ほどでつるつるに。約1万人分の給食を作るには、こうした下ごしらえマシンが必要だ。
タマネギもニンジンもここまでキレイに!
マシンで取り除けなかった芽を包丁で丁寧に取り除く
皮剥きを終えた時点で午前9時、野菜は下処理室へ。この日のジャガイモチームは5人編成。マシンで取り除けなかった芽を包丁で丁寧に取り除き、リズミカルにカットする。
下処理室では、約20人のパートが働いている。リーダーの堀さんに気をつけていることを聞くと、「パートさんへの指示を的確にする。自分が時間を把握していないといけない。1番は怪我をしないこと。その分、時間のロスが増えてしまう」と話す。
堀さんは、徹底した時間管理を行っていた。
3つのシンクで段階的に洗浄
一方のタマネギチームは、ヘタをカットし、隣のシンクで徹底的に洗う。
汚れや異物を取り除くため、3つのシンクで段階的に洗浄。この時点で午前10時、残りは1時間だ。
続いて野菜は、上処理室へ。ベルトに乗ったニンジンがトンネルの中から出てくると、いちょう切りされた状態でカゴに落ちてきた。
円盤型の刃が高速回転!
特別にマシンの内部を見せてもらうと、円盤型の刃が高速回転し、次々とニンジンをスライス! いちょう切りを大量生産していた。タマネギやジャガイモも、回転する刃で角切りに。
圧巻!1万食のカレーを作る最新調理釜とプロの技
最新式調理釜を20台設置
野菜は、いよいよ給食作りのメインルーム・煮炊き調理室へ。直径約1メートルの最新式調理釜が20台設置されており、1台の釜で約1000人分のカレーを作ることが可能。
今回は1万人分なので、10台の調理釜を使う。
まずは釜の中に豚肉のこま切れ185キロ、コショウなどの調味料を入れ、大ターナーで炒める。ターナーに隙間が開いてるため抵抗が少なく、大量の具材を楽に混ぜ合わせることができるのだ。
釜から発生する蒸気の熱で調理するため、肉を炒めるとあっという間にもくもくに。釜自体の熱に加え、蒸気が具材を包み込むことで短時間の調理が可能。大量の肉も、炒める時間はたった5分だった。
ちなみに、蒸気で調理するため焦げ付きにくく、油を使わず、よりヘルシーに仕上げることができる。
お次はニンジンを投入し、樹脂製のスパテラで混ぜ合わせる。スパテラは表面がなめらかなので、柔らかくなった具材を崩さずに炒めることができる。
タマネギを入れると、調理スタッフがもう一人駆けつけた。2人で息を合わせて、同じタイミングで効率よく混ぜていく。ここでお湯を投入し、さらに加熱時間を短縮。制限時間の午前11時まで残り30分だが…間に合うのか。
なんと、たった3分でぐつぐつと煮えてきた! 最後にジャガイモや大豆、グリーンピースなど残りの材料とお湯で溶かした甘口のカレールーを投入。あとは混ぜながら煮込むだけだ。
調理の責任者が試食
完成前に調理の責任者が、味や安全性に問題がないか、試食をしてチェックする。
カレーが完成!
今日も無事に、制限時間内に完成! 見事な出来栄えに、子どもたちの喜ぶ顔が目に浮かぶようだ。
すべて準備が整った午前11時30分、栄養満点の給食を詰め込んだトラックは、各学校に向かって走っていった。