巨大重機軍団が自動車をバラバラに！自動車解体リサイクル工場に密着【名古屋市港区】
愛知県は、自動車の生産出荷額と保有台数がいずれも全国トップを誇る自動車王国。そんな自動車産業が盛んな愛知県には、役目を終えて廃車となった自動車たちが最後に向かう解体リサイクル工場もあります。
名古屋市港区にある「アビヅ」も自動車の解体リサイクルを行う工場の1つ。今回は「アビヅ」の工場を訪問し、巨大重機軍団により自動車が解体リサイクルされるまでの一部始終に密着しました。
広大な工場内で巨大重機が大活躍
バンテリンドームナゴヤ約2.3個分の巨大工場
名古屋港に面した場所にバンテリンドームナゴヤ約2.3個分という広大な敷地面積を誇る「アビヅ」の工場。この工場では、年間約7000台の自動車が解体され、再利用できるパーツや金属などが回収されています。
残ったガソリンを抜き取る
フォークリフトで持ち上げられた車が最初に運ばれたのは、背の高さほどある台の上。台の上に車を載せると、透明な液体が車体から流れ出してきます。
実はこの液体はガソリン。解体リサイクル作業を安全に進めるため、ガソリンタンクの数カ所に穴を開けて残ったガソリンを完全に抜き取ります。
一瞬でぺしゃんこに！
ガソリンを抜いた車は、再利用可能なパーツを取り外したあと、巨大なプレス機で車を丸ごとつぶします。 フタが閉まったかと思うと、あっという間に原型をとどめないほどぺしゃんこになってしまいました！
グラップルで軽々移動
ぺしゃんこになった車を運ぶのは、グラップルと呼ばれるクレーンのような機械。車2台分の金属塊を3本の爪でがっしりと挟むと、まるでクレーンゲームのように軽々と運んでいきます。
車を丸ごと砕く 巨大シュレッダー
グラップルにつかまれた金属塊が向かうのは、超巨大なシュレッダー。ひとたび機械に飲み込まれると、たちまち粉々になります。
マグネットで効率よく選別
さまざまな素材が入った破砕片の山からは、重機に取り付けられたマグネットで鉄を選別しながら回収。強大な磁力により鉄を吸い付けて、トラックの荷台に効率よく回収していきます。
巨大重機のエースマシン「ニブラー」を駆使してスゴ技に挑戦！
巨大重機のエース・ニブラー
そして数々の巨大重機が活躍する自動車リサイクル工場の中でも、巨大重機の“エース”と呼ばれているのが「ニブラー」です。
先端に巨大ペンチのような道具が取り付けられた「ニブラー」は、ひとたび自動車をつかめば軽々と持ち上げられるほどパワフルなマシン。パワーだけではなく、マフラーや足回りの部品など、細長いパーツも先端のペンチ部分でつまみ上げることができる繊細さも持ち合わせています。
パワフルさと繊細さを兼ね備えた万能重機
車を運んだり、ひっくり返したり、パーツをつまんだり、はさんだりしながら回収し、さらには天井の屋根部分も器用に剥がすことができる「ニブラー」はまさに“万能の重機”。そんなニブラーを巧みに操り、性能を最大限に引き出しているのが、ベテランオペレーターの村中貴治さんです。
村中貴治さん
職人歴20年以上を誇り、“アビヅ一番のニブラー使い”と呼ばれる村中さん。両手両足でレバーやペダルを巧みに操り、操縦席からは見えづらい細かな配線まで、百発百中でつまむことができるのも長年培われた経験の賜物です。
そんな村中さんの実力を検証すべく、今回は特別に、ニブラーでの「玉子割り」にチャレンジしてもらいました！
ニブラーでの玉子割りに挑戦
容器に積まれた生卵を1つだけつまみ上げ、フライパンへ割り入れるという難易度MAXの課題です。
ニブラーに乗り込んだ村中さんは、いつものようにレバーとペダルを駆使して操作。慎重にニブラーの先端部分で、そっと卵をつまみます。
割れやすい生卵も、ヒビ1つなくつまみあげる
フライパンの上まで運んだ後、ゆっくりと圧力をかけて卵を割り、無事にフライパンの中に投入。見事、玉子割りチャレンジに成功しました。ちなみに割った卵は、スクランブルエッグにしておいしくいただきました！
玉子割り成功！
