名古屋でも空前の“おにぎりブーム”!?今「おにぎり専門店」が増えている理由とは『チャント!』
日本人にとってなじみ深い「おにぎり」。そんなおにぎりに今、空前のブームが到来中!この1年で名古屋市中区栄の大須商店街に5軒オープンするなど、名古屋でも「おにぎり専門店」が増えています。その理由を「ちょいと解決しましょう課」で、中山真希調査員(以下、中山調査員)が調査しました。
各店舗がオリジナリティをぶつけ合う!大須商店街の人気店を取材
今日のギモンは「おにぎり専門店が増えている理由は?」です。まずは、おにぎりブームにどんな特徴があるのか調べるため、大須商店街から徒歩で約7分の場所にある「おにぎりやさん」へ。イベント会場でも出店する人気店で、3年前にテイクアウト専門店としてオープンしました。
こちらの名物は「玄米」を使ったおにぎり。上手に炊くのが難しいと言われる玄米を食べやすい、もちもち食感に仕上げています。店主は以前、食に関するライターとしても活躍していた杉江さおりさんです。
(おにぎりやさん・杉江さおり店主)
「お米の良さを伝える仕事をもう少しできないかと思い、書くだけでなく一番お米をストレートに伝えられるのはおにぎりなのかなと思い、始めた」
他にも、土鍋で具材も一緒に炊き上げる「炊き込みにぎり」も人気。お米のおいしさと季節感も一緒に味わえると好評です。
一方、大須商店街の「ごちそう焼むすび おにまる大須店」は、自家製の香味ダレを染み込ませた長方形のご飯を備長炭で香ばしく焼き上げ、挟み込むタイプのおにぎり。
この“おにぎりブーム”は、特定の商品が流行るのではなく、各店がそれぞれこだわりを持ったおにぎりを進化させ、差別化を図っているのです。
おにぎり専門店が増えている背景には2つの理由があった!
気になるのが、「なぜ、おにぎり専門店が増えたのか?」です。外食市場に詳しいホットペッパーグルメ外食総研の有木真理所長によると、コロナ禍の影響があるといいます。
(ホットペッパーグルメ外食総研・有木真理所長)
「コロナ禍において一気に中食、テイクアウトが当たり前になり、抵抗感が薄れていった」
外食が制限され、中食と言われる持ち帰りの弁当や総菜を利用することに対する抵抗感が薄れたため、身近な「おにぎり」も需要が増えたのではないかと分析。さらに、店ごとに差別化を図ったメニューを展開するようになったことについては…。
(ホットペッパーグルメ外食総研・有木真理所長)
「ちょっと贅沢なおにぎりをわざわざお金を出して、買いに行く傾向も生まれたのではないか」
物価の上昇も影響しています。例えば、前述の「おにまる」はレストランやフードコートでお馴染み、イタリアンの「マリノ」が手掛けているお店。イタリアンは材料を全て輸入に頼るので、コストがとてもかかります。その反面、おにぎりは国産品で材料を賄えるため、日本人に身近な食べ物ということで専門店を開いたのです。
有木さんは、米は小麦などの輸入品に比べ比較的、物価上昇の影響が少なく、経営を安定させやすいのではと分析しています。爆発的なブームではありませんが、今後もジャパニーズファストフードとしておにぎり専門店が増えていくのではないかと話しました。
家でおいしいおにぎりを握るコツは「握らない」こと!?
専門店が増えている背景がわかったところで、自宅でもおいしいおにぎりを握る方法を、おにぎり専門店「にぎりたて」の加藤さんに特別に教えてもらいました。
まずは、中山調査員が自己流で握りますが、どうみても昔話に出てきそうな大きなサイズで、食感も固めです。
一方、おにぎり握り歴3年の加藤さんが握ったおにぎりは、お米がほどけていくような食感で、海苔が程よくお米をまとめ上げています。違いはどこにあるのでしょうか。
(にぎりたて運営課・加藤亜由美さん)
「コツは握らない。(Q握るんですよね?)握るけど握らない!のりで包み込むイメージ」
コツは“握らない”こと。そして、具を入れても丸める程度にとどめます。海苔が剥がれないように、小麦粉を水で溶いた「つけ糊」をつけ、形を成型して完成です。加藤さんのやり方通りに中山調査員が握ってみると、固くならずふんわりとしたおにぎりに仕上がりました。
暮らしのギモン、今回の調査報告は、「おにぎり専門店がブームの理由は、コロナ禍の影響でテイクアウトしやすく、さらに物価上昇の影響が少ないお米を使っているから。家ではできない贅沢感が味わえるのも人気」ということで無事に解決することができました。
CBCテレビ「チャント!」9月11日放送より