愛知・岐阜・三重で食べたい!個性派鍋と定番鍋
まだまだ寒さが続くこの時期、あったかい鍋で心と体を温めましょう。料理人の技とこだわりが光る“すき焼き”や、ショウガの効いた“ちゃんこ鍋”、100種類の具材が味わえる“火鍋”など、東海エリアには冬必食の鍋料理がいっぱい。日帰り旅行で楽しみたい、ご当地鍋にも注目です。
ワインや日本酒とも相性抜群!
こだわり満載の“和牛トマトすき焼き”
鍋料理の王様「すき焼き」。人気グルメサイトで近年のトレンドとして“新感覚すき焼き”が挙げられるなど、その関心とおいしさは年々アップデートされています。そんな冬に食べておきたいのが、名古屋市中区にある『柳橋惣菜 ふく田』の「和牛トマトすき焼き」。“トマト×すき焼き”という新鮮な組み合わせはもちろん、食材同士の相性や味の重なり方、シメにまでこだわった“すき焼き”は、大きな人気を集めています。
素朴さを大切にしながら、季節の食材を盛り込んだ“惣菜”の数々。その味わいのなかには、店主・福田茂治さんが料理人として培ってきた技術と知恵、お客さんのために“つい仕入れ過ぎちゃう”というチャーミングなサービス精神が息づいていました。
牛タンの厚さは1㎜以下!?
溶き卵は赤山椒で香りをプラス
店主・福田茂治さんが手掛ける「和牛トマトすき焼き」は、甘さ控えめ。みりんやお酒は使用せず、砂糖は甘みの柔らかい氷砂糖を起用。“足りない甘さ”は、甘口の醤油を使うことでカバーしているといいます。
重ねることで、味付けを重くさせてしまう可能性がある“甘み”。鍋のなかでは、トマトの甘みも存在することから、使用する調味料のバランスには気を配っているそう。
「玉ねぎは必ず大玉を使うんだよね」と、北海道産の“大玉”玉ねぎを取り出した福田さん。「市場で自力で開拓した」というルートで仕入れた野菜や肉、卵など食材は、その“食べ方”にまでこだわりが光っていました。
まずは、すき焼きの主役、黒毛和牛の肩ロースと牛タン。自身が信頼を寄せる肉屋から、週2ペースで仕入れており、産地より仕入れ時の“おいしさ”を優先しているため、肉の産地は栃木や茨城、長崎など日によってさまざまなのだそう。
注目すべきは牛タンの“薄さ”!仕入れ先の肉屋で薄く切ってもらっているそうで、福田さん曰く「㎜(ミリメートル)もない」といいます。薄くカットすることで歯切れがよく、牛タンの旨みをしっかりキープしながら、さっぱりと味わうことができるのだそう。肉は味を均一にするため、縦方向でカットしているといいます。
そんなこだわり満載の肉と絡めるのが、愛知県岡崎市産の「まんげつ濃厚卵」。その名の通り、濃厚な味わいが特徴です。
しかし、“卵選び”で終わらないのが福田さんの料理人魂。食べた時の味わいに深みをもたせるため、岐阜県産「飛騨山椒」の赤山椒を卵にプラス。フルーティーな香りを放つ、完熟の山椒をアクセントにそえました。
黒毛和牛の旨味を堪能したあとは、
湧き水で炊いた“白米”でシメ
1人ひと鍋で提供される「和牛トマトすき焼きコース」(5,800円)。こだわりのスープに大きくカットした玉ねぎとトマトが、土鍋でグツグツと煮込まれています。
牛タンは5秒くらい、スープにくぐらせるのがベスト。溶き卵と絡めて頰張れば、口にいっぱいに肉の旨味が広がります。牛タンのベストな“厚み”と赤山椒の爽やかな風味も相まって、軽やかな口当たり。
肩ロースは20秒ほど煮込み、“赤みがとれたくらい”が食べごろ。牛タンはスープと肉の旨味が平等にとけあった味わいでしたが、肩ロースはスープの味によって肉の甘みが底上げされ、黒毛和牛の旨味をよりダイレクトに感じることができます。
オススメの“シメ”は、土鍋で炊いた「白米」。岐阜県郡上市の「大島米」の新米を、軟度の高い湧き水「能勢山水」で炊き上げた白米は、もっちりとした食感。湯気とともにふんわり広がる甘い香りが、心を和ませます。土鍋ご飯は2人前ですが、そのおいしさから1人で食べきってしまうお客さんも多いそう。
麺や雑炊などさまざまなシメが存在するなか、なぜシンプルな「白米」がオススメなのでしょうか。その理由ついて、福田さんは「シンプルに1番美味しいからだよ、素朴で」と笑顔で答えます。
「心とお腹を満たす食事」をコンセプトに、家庭の手作りおかず・惣菜ならではの“素朴さ”を大切しているという『柳橋惣菜 ふく田』の料理。福田さんは、そんな惣菜の数々を、「(自分の)和食の色々な技術を使って、日常のものを非日常の外食用の食事として仕立てあげたい」と話します。
その言葉を表すように、コースで味わえる季節の料理は、焼き鮭のポテトサラダ、ナスの揚げ浸し、菜の花やしろなのおひたし、かぶのうま煮、サツマイモの蜜煮など惣菜ならではのラインアップ。季節の料理は“おまかせ”でオーダーすることも可能で、その日においしい食材を、その食材のおいしさが引き立つ料理で味わうことができます。
米こそ、究極の「惣菜」。白米を“シメ”として堪能できることも、この店ならではの食体験なのです。
ワインと日本酒は全40種類!
お酒と料理のペアリングを満喫
「和牛トマトすき焼き」の味を、ペアリングで楽しませてくれるのが、豊富なワインと日本酒。店内には、オレンジや白を中心としたワインが20種類、日本酒は20種類と、合わせて約40種類のアルコールが常時揃います。ちなみにカウンター上には、熱燗用の日本酒もずらり。
「和牛トマトすき焼き」にオススメの日本酒は、高知県の「船中八策」と山形県の「洌」。すき焼きの味に負けない、キレのある味わいが特徴です。またワインは、「カンティーナ ライナ」などが合うそう。
多彩なアルコールのラインアップ。ワインや日本酒は、市場などで知り合った酒屋さん達に、欲しいアルコールのコンセプトや条件を伝え、セレクトしてもらっているといいます。選定の際、合わせたい料理を実食してもらうことも。
福田さんがワインや日本酒を探す上で大切しているのが、“出汁に合う”こと。すべての料理のベースとなる出汁には、2種類のカツオ節やアジ節、サバ節、長崎県平戸市“焼きあご”などを使用。さまざまな海の幸が染みこんだこの出汁が、ワインととても合うのだそう。
アルコールを選ぶ基準の主役は、あくまで“惣菜”。取り揃えているアルコールは、比較的やさしい味わいで、香りや酸味が強いものは置いていないといいます。
そんな話をしていた取材中、なんと仕入れ先の酒屋の方が来店。偶然にも、仕入れの様子に立ち会うことができました。香りや色、味を丁寧に試飲し、この日は日本酒に近いワインやノンアルコールのジュースを仕入れることを決定した福田さん。また数種類、お店に惣菜の味を引き立てる“お供”が増えました。
実はノンアルコールドリンクも充実している『柳橋惣菜 ふく田』。ノンアルコールの柚子スパークリング「Yuzu Awa」や、リンゴをベースにアプリコットをブレンドしたイタリア産のジュースなど、すき焼きと相性の合うドリンクも多数揃います。
取材の合間、仕入れ伝票を眺めながら、「こうやって(お酒の数が)増えていくんだよね、買っちゃうから(笑)」と、良いお酒を見つけると“つい買いすぎてしまうこと”にふれた福田さん。お客さんの心とお腹を満たすため、つい“買い過ぎてしまう”という福田さんのサービス精神も、『柳橋惣菜 ふく田』が愛され続ける理由のひとつなのかもしれません。
来年には独立店舗が出現!?
食通必見の“早耳ネタ”
この場所に店を構える前、『名鉄レジャック』内で“厨房レストラン”として営業していた『柳橋惣菜 ふく田』。元々は仕出し屋で、昼はお弁当や惣菜を販売、夜は“出張のお寿司屋さん”として始まったのだそう。
割烹料理屋としてリニューアルオープンした現在も、お弁当の販売をしており、その存在は今も注目の的。
土鍋で炊き上げたご飯とおかず、良質な海苔を使用した「三河青まぜ海苔弁重」(3,000円)や「海苔巻きたまごサンド」(1,500円)などが揃います。
カジュアルな雰囲気だった厨房レストラン時代と比べて、和の設えで落ち着いた空気が漂う現在のお店。取材の最後、今後の展望について聞いてみると、「早くて来年には、独立店舗を構えたい」という食通必見の返答が!今と同様、カウンター席でお客さんと向き合いながら、おいしい“惣菜”を届けていきたいといいます。
店主・福田茂治さんのこだわりと、お客さんへの真心が詰まった「和牛トマトすき焼き」。王道の鍋こそ、食材の旨みやお酒とのペアリングなどを楽しみながら、丁寧に堪能してみては。
■店舗情報■
柳橋惣菜 ふく田
電話番号/050-5600-5617
住所/愛知県名古屋市中区栄2丁目2-14 サンフタミ栄ビル1階
人情屋台科学館通り店
営業時間/火・水・木・金15:00~22:00、土・日・祝12:00~22:00
定休日/月曜
駐車場/なし(近隣にコインパーキング有)
https://www.instagram.com/sushitosakanahukuda/
食後は土俵で相撲!?
元力士が手掛ける「ちゃんこ鍋」
元力士の店主、日比徳之さんが手掛ける「ちゃんこ鍋」が味わえる『すもうBAR』。店内には力士のポスターやフィギュアなどが飾られ、日比さんの力士時代の同期、貴乃花や魁皇、曙など、人気力士たちが同店で同期会を開催した姿を収めたレア写真なども見ることができます。
人気はショウガ味のちゃんこ鍋。可愛らしいお相撲さんのはんぺんがのった自慢のちゃんこ鍋は、ショウガがガツンと効いた味わいで、女性からも高い支持を集めているといいます。
ここで日比さんから相撲に関するミニ知識が。実はちゃんこ鍋には、鶏をメインとした“勝負ちゃんこ”というものがあり、多くの力士たちが縁起を担いで鶏を食べるといいます。その理由は、トリの立ち姿に由来。「手をついたら負け」という相撲のルール。二本足で立つトリは“手をつかない”ことから、力士たちの間で“縁起物”とされているのだそう。
ちゃんこ鍋を堪能したあとは、なんとすもうスーツに着替えて相撲を体験!なんとちゃんこ鍋のコース内容に“相撲”も含まれており、店前にある日比さんお手製の土俵で相撲をすることができます。
動画では“すもうスーツ”をはじめ、2ℓの麦茶やデカすぎるペッパーミルなどエンタメ感溢れるちゃんこ鍋コースの模様を紹介しています。
■番組情報■
メ~テレ「U字工事の解決!迷Qグルメ」
元力士が営む「すもうBAR」を調査!店主の爆笑サービスがさく裂!?
2024年1月8日放送
新鮮な猪肉と味噌がマッチ!
温泉旅館で「僧兵鍋」を堪能
三重県菰野町を訪れた、浦口史帆アナウンサー。『菰野町観光協会』事務局長・樋口直也さんに菰野町を案内してもらいながら、1911年創業の旅館『寿亭』へ向かいます。
温泉目当てのお客さんが多く訪れる同旅館が人気を集めているのが、菰野町名物「僧兵鍋」が味わえるプラン。
「僧兵鍋」とは、ニンニク・ショウガ・酒かすなどを混ぜ合わせた味噌仕立ての鍋。三重県産の根菜類や猪肉が入った郷土料理です。“僧兵”とは、室町時代に武士として戦った僧侶のこと。そんな僧兵たちがスタミナをつけるために食べていたことから、“僧兵鍋”と名付けられたといいます。
さまざまな食材の旨味が溶けあったスープと共に味わえるのは、味噌と相性抜群の猪肉。『寿亭』支配人の内田さんによると、猪肉の脂は見た目以上に甘みあり、その甘みを感じられることこそ“新鮮な証拠”なのだそう。「僧兵鍋」プランでは、鍋の他にも前菜や刺身の盛り合わせを楽しむことができます。
動画では、僧兵鍋を堪能したあとに立ち寄りたいグルメスポットをはじめ、『寿亭』など各旅館で人気を集める“湯の山温泉”の歴史や、“組子細工”の職人技など、菰野町のさまざまな魅力を紹介しています。
■番組情報■
東海テレビ「スイッチ!」
東海地方あれこれヒストリー 三重・菰野町
2024年12月16日放送
キノコや肉、アヒルの腸まで!
100種類の具材が揃う「火鍋」
本格的な火鍋が味わえる『重慶火鍋基地 炉鼎技』。スープは「一色麻辣濃香牛脂鍋」や「一色山の幸キノコ滋養鍋」など7種類から、好みのスープを2種類選ぶことができます。
具材は1つずつ、好きなものをオーダーしていくスタイル。肉やキノコなど約100種類が揃い、なんとアヒルの腸やアヒルの血の塊など本場ならではの食材も!店長によると、アヒルの腸は素材自体の味はあまりなく、スープの味をダイレクトに楽しむことができるそう。
センマイはスープに7~8秒くぐらせるのがコツ。一色山の幸キノコ滋養鍋で味わう場合は、ニンニクやパクチーがたっぷり入ったゴマ油につけて食べるのがオススメです。また、唐辛子をたっぷりつけた麻辣牛肉は、一色麻辣濃香牛脂鍋など辛いスープと味わうのがベター。幅広い具材をオーダーして、スープにマッチする具材を食べながら探していくのも、面白いかもしれません。
アヒルの腸やそうめんのような見た目のキノコなど、日本ではあまり見かけないユニークな具材が並ぶテーブルの上。動画では、そんな珍しい具材の実食レポートなども紹介しています。
■番組情報■
テレビ愛知「もっと5時スタ」
100種類の具材がそろう本場の火鍋
2023年2月17日放送
シメのバリエーションも豊富!
岐阜県関市の名物鍋「くるみ鍋」
岐阜県関市の『やまなみ』で味わえるのは、地元民から大きな人気を集める「くるみ鍋」。煎ったくるみをすりつぶし、秘伝の割下で味付けた八丁味噌と合わせた“くるみ味噌”をベースとした“名物鍋”です。
メインの具材は黒毛和牛や名古屋コーチンなどから選ぶことができ、今回は柔らかくさっぱりとした脂身が特徴の飛騨豚をセレクト。くるみの香ばしさと相性抜群のスープが肉にしっかりと馴染み、食べた瞬間、肉のうまみが口の中に広がります。
くるみ味噌の味をさらに深くするのが、たっぷりの具材から出る“だし”。大きなカキや関市特産のシイタケは欠かせません。
2代目店主・辻啓一さんによると、鍋を食べた後、くるみ汁をごはんにかけて食べるのもオススメ。また、うどんを入れると煮込みうどん風となっておいしいのだそう。さまざまな食べ方が楽しめる「くるみ鍋」。卵を入れてみたり、自分なりにアレンジして食べるお客さんも多いといいます。
動画では、そんな「くるみ鍋」が誕生したキッカケや歴史も紹介。他、『関市虎屋』の「日本刀アイス」など、“刃物の街・関市”ならではのご当地グルメにも注目です。
■番組情報■
CBCテレビ「チャント!」
ほぼ岐阜・関市だけ愛されフード『くるみ鍋』をいただきます!
2023年2月17日放送
買った野菜を最大限に活用!
食材を“捨てない鍋”の作り方とは?
料理研究家・塩谷明代さんが教えてくれたのは、食材を“絶対に捨てない鍋”。材料には、ニンジンやタマネギ、ハクサイなど鍋の定番食材を使用します。
食材をカットしたあと出たのが、にんじんの皮や芯、玉ねぎの皮などいつもなら“捨てる部分”。今回の鍋では、この“捨てる部分”が味の主役になるのです。
まず塩谷さんが提案したのは、野菜の芯や皮を細かく刻み、ひき肉と混ぜる「鶏団子」。刻んだ野菜はうまみとなり、彩りを与えてくれます。スープのだし殻も刻み、鶏団子の新たな具に。
しかし、にんじんの芯や玉ねぎの皮など、鶏団子に混ぜられない部分もあります。それらはコットンの袋に入れ、野菜の切れ端や皮から取るだし“ベジブロス”として活用。最後は酒かすなどで味をととのえます。具だくさんの鶏団子や野菜、豆腐など具材を入れて煮込めば、野菜の旨味がしっかり染みこんだ、“絶対に捨てない鍋”「酒かすの鶏団子鍋」の完成です。
動画では、残った汁で雑炊を作る際の“おいしく食べるポイント”や、たまごの殻やベジブロスなどを食事以外で活用する方法を紹介。野菜の値上がりが続く今。“絶対に捨てない鍋”のレシピを参考に、買った野菜を最大限に活用する方法を探してみては。
■番組情報■
中京テレビ「キャッチ!」
SDGs実践中 鍋
2024年12月4日放送